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第三十四話

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「嘘だろ~~~ まさか…美優に結伊…二人から告白されるなんて…俺だぞっ!?俺のどこにそんなモテる要素があると!?…しかも…キキキ、キス迄…ホントどうしたらいいんだぁ~~~~~っ!!」

 前世も含めてそんな経験なんてある筈もなく…あんな事があった翌日の事…。俺は部屋の中で頭を抱えてゴロゴロと転がりまくって自問自答を繰り返していた…すると― 

「聖夜?」
 
「…何…姉さん」 

「聖夜がうるさい事への注意と聖夜にお客さんを連れて来たわよ」 

うるさい事への注意って…仕方なくない!?仕方ないよねっ!? ―って…客って…? 

「客って?」

 俺の問いに答える間もなく姉さんは俺の部屋のドアを勝手に開けてお客さんを中へと入れるとそそくさと部屋のドアを閉め去っていく…。

「き、来てあげたわよ、聖夜。ど、どうせ一人でウジウジと悩んでると思ってたけど…本当に悩んでいたみたいね?」 

「…歩美」
 
「しょ、しょうがないから…アタシがアンタの悩みの相談にのってあげるわ!」 

「…ホント助かる。どうすればいいか分からなくてな…取り敢えず座ってくれ」 

「うん」 

そう言うと歩美はちょこんとベッドに可愛らしく座る。俺も転がっていた床から立ち上がり歩美の傍へと移動して先日の件の相談に乗ってもらうことに。 



「―って感じで、歩美も見ていたから知ってると思うけど、どうすればいいのか分からなくてな」 

「まあ、二人から告白されて…あまつさえキ、キスまで…そ、そりゃあ…悩む…わよね。アタシだってまだなのに…」 

「んっ?最後の方が聞こえなかったんだけど?」 

「た、たいした事言ってないから気にしないでっ!そ、それよりも…聖夜は二人の事どう思ってるわけ?」 

「…それは―」

 結伊も美優も客観的に見ると可愛い。超絶美少女と言っても過言ではないだろう…。二人共モテるみたいだし…。そんな二人が俺をなんて到底信じられないという感じだ…。それに…俺は春が… 

「―正直に言うけど…二人共本当に可愛いとは思う…」 

「そ、そうなんだ…」 

「でも…そういう風に二人を見たことなんてなかった…」 

「そっかぁ…」 

「それに…俺は…」 

「好きな人でも…い、居るの?」 

歩美にしては珍しく何やら答えを聞くのを怖がっている様な、そんな感じで恐る恐る俺にそんな事を問いかけてきた。歩美は二人の友達でもあるから返答を聞くのが怖いのかも知れないと俺は思った。

でも…ちゃんと言った方が良いと思い…居るよと口に出そうとした時に… 

「ちょっ、ちょっと待って、聖夜」 

「い、あっ…うん」 

「それを聞く前に…一度目を瞑ってくれない?」 

「えっ、何で?」 

「いいからっ!早くっ!」 

「あっ、はい。瞑りました…」 

「その状態で…二人の事を思い浮かべてみて…」


 言われるままに…結伊と美優を思い浮かべてみる… 

「―思い浮かべたけど?」 

「二人共…可愛いわよね?」 

「…それは…そうだな…」 

「…アタシを思い浮かべて?」 

「えっ?」 

「アタシの事はどう思う?」 

そりゃあ…歩美も勿論美少女な訳で… 

「歩美を?そりゃあ…美少女だと―」 

不意に唇に柔らかい感触が重なる…慌てて目を開くとデジャヴというやつだ…。相手は違うけど… 

唇が重なったのは数秒だろう…。唇が離れ…歩美の顔は真っ赤に…それはもうリンゴ飴の様に染まっていて― 

「あ、歩美…何をっ…」 

「あ、アタシもっ! アンタが…聖夜が好きっ!ずっと…ずっと…好きだったんだもん!例え…聖夜に好きな人が居ても…アタシはっ! 聖夜を諦めないからっ!」

 そう言って歩美は慌てて俺の部屋を出て行った。 

「…………嘘…だろ? あ、歩美迄!?何これっ!?ドッキリ!?ドッキリだろ!?たちの悪いドッキリだよなっ!? 誰かか答えてくれぇぇぇーーーーー!!!」

 そんな事を叫んでいると… 

「「「聖夜うるさい」」」 

家族から怒られてしまった…。 マジでどうなってるんだよ…。






***

いつもお読み頂きありがとうございます!更新出来なくてすいませんでした。ちょっと入院しておりました。更新は暫くは体調次第になってしまいますが出来る時にしますので応援宜しくお願いします!
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