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第二十九話
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「…まさに知らない天井だな」
目が覚めて…視界に入ったのが知らない天井だった…。
俺は眠っていたんだっけ?とにかくここが何処なのか確認しないといけないし、天井をいつまでも見ててもしょうがないしな…。
起き上がって現状を確認しようとして上半身を起こす…
「痛っ!? 何だ!? 上半身を起こしたら脇腹が痛いんだけどっ!?」
そして…把握する…。俺が着てるのって手術着じゃねっ?手術着をはぐってみると…包帯が巻かれているのが見てとれる。手には点滴…と、言う事はここは病院か?病院だよな…何故だ?
え~と…何があったんだっけ?思い出せ! 確か昨日は…輝昭とゲーセンに行って…格ゲーしてたら美優が来て……美優!?
「そうだっ!!!美優! 美優は無事かっ!?」
俺は痛みを我慢してベッドから立ち上がり、点滴台を杖代わりにして病室のドアへ急ぐ…。
―そしてドアを開けた所でちょうどこの部屋を訪れようとしてたと思われる看護婦さんと目が合った…。
「ちょっ!? 何歩いてるんですっ、可愛さん!?まだ…安静にしてないとっ!?」
「そんな事はどうでもいいんですっ!そんな事よりも―美優!美優は無事ですかっ!」
「お、落ち着いて下さい!」
「コレが落ち着いていられますかっ!?美優は俺の大切な奴なんです!美優はっ!美優はっ!!」
「だから…落ち着けって言ってんだろうがっ!ああん!聞こえねぇのか、オメェーはよぉー!」
「ひっ!?」
看護婦さんの表情と態度が変わった…怖ぇぇぇ~ 元レディースかヤンキーか何かですかっ!?
「オメェーの大切な奴は私の横にいるだろうがっ!だから落ち着けやっ!オメェーのせいでこっちが喋ろうにも喋れんかっただろうがよぉ~!分かってんのか、オメェー?」
「あ…はい…以後気を付けます…」
どうやら…俺からは見えない位置に美優は居る様だ…。
「チッ…分かったらさっさとベッドに戻って安静にしてろや!ああん?」
「はい…すぐに…」
ベッドに戻るとすぐに看護婦さんは傷口が開いてないか等を確認。俺はびくびくしながらも確認が終わるのを待つ。
そういえば揉み合いになった後、刺されたんだったっけ?夢中でアイツを逃がさない様に押さえ込んで…
「…はい…オッケー…くれぐれも安静にしてろよ?いいなっ?」
―そして確認が済むと元ヤンと思われる看護婦さんは病室を後にする…。病室に居るのは俺と先程看護婦さんの後ろをとことこと一緒に入ってきた美優…。顔が真っ赤になっているな…。 ああ~ なるほど…流石に自分の名前をあんな風に大声で呼ばれていたらそりゃあ恥ずかしいよな…。
―って、そんな事より…
「美優…その頬は?」
美優の頬にはガーゼと言うか冷◯ピタと言うかそういうのが貼られている…。怪我をしている証拠だろう…
「アイツが…やったんだな…悪い…俺が遅かったから…美優が怪我を…」
もっと早く俺が駆けつけていれば…。俺は輝昭と遊んだ後、美優の事が何故か無性に心配になって美優を捜すことにしたんだ…。何度も美優の家の周辺を捜し回って…そして…
「…先輩の…おかげなんです…」
そう言って美優はいつものど~ん!とは違い、俺の傷口が開かない様にそ~っと抱き着いて来た…。俺も軽く抱き締め返す…。
「先輩のお陰で…私は大切な物を守れました。ホントに…本当に…ありがとうございます先輩… 顔の傷は…口の中が切れてるのと頬を殴られて腫れてるだけなので…私の傷はしばらくしたら元通りに治るそうです…」
「馬鹿…それも一大事だろう…」
女の子の顔を殴るなんてけしからん!後、数発殴っておけば良かったな…
「私よりも…先輩の方です…」
「んっ?」
「警察の人達があの後…すぐにやって来て… ―そしたら…先輩は血だらけになりながらも犯人を取り押さえていたみたいで…その後、先輩と一緒に救急車で…私…私…先輩が死んじゃうんじゃないかと…不安で不安で…うっ うっ うぇーん―」
美優が震えながら俺の胸の中で泣いている…。怖かったよな…それに血だらけの俺を見て心配してくれたんだな…。
俺は優しく抱き締め擦りながら、美優が泣き止む迄、頭を撫でていた…。
目が覚めて…視界に入ったのが知らない天井だった…。
俺は眠っていたんだっけ?とにかくここが何処なのか確認しないといけないし、天井をいつまでも見ててもしょうがないしな…。
起き上がって現状を確認しようとして上半身を起こす…
「痛っ!? 何だ!? 上半身を起こしたら脇腹が痛いんだけどっ!?」
そして…把握する…。俺が着てるのって手術着じゃねっ?手術着をはぐってみると…包帯が巻かれているのが見てとれる。手には点滴…と、言う事はここは病院か?病院だよな…何故だ?
え~と…何があったんだっけ?思い出せ! 確か昨日は…輝昭とゲーセンに行って…格ゲーしてたら美優が来て……美優!?
「そうだっ!!!美優! 美優は無事かっ!?」
俺は痛みを我慢してベッドから立ち上がり、点滴台を杖代わりにして病室のドアへ急ぐ…。
―そしてドアを開けた所でちょうどこの部屋を訪れようとしてたと思われる看護婦さんと目が合った…。
「ちょっ!? 何歩いてるんですっ、可愛さん!?まだ…安静にしてないとっ!?」
「そんな事はどうでもいいんですっ!そんな事よりも―美優!美優は無事ですかっ!」
「お、落ち着いて下さい!」
「コレが落ち着いていられますかっ!?美優は俺の大切な奴なんです!美優はっ!美優はっ!!」
「だから…落ち着けって言ってんだろうがっ!ああん!聞こえねぇのか、オメェーはよぉー!」
「ひっ!?」
看護婦さんの表情と態度が変わった…怖ぇぇぇ~ 元レディースかヤンキーか何かですかっ!?
「オメェーの大切な奴は私の横にいるだろうがっ!だから落ち着けやっ!オメェーのせいでこっちが喋ろうにも喋れんかっただろうがよぉ~!分かってんのか、オメェー?」
「あ…はい…以後気を付けます…」
どうやら…俺からは見えない位置に美優は居る様だ…。
「チッ…分かったらさっさとベッドに戻って安静にしてろや!ああん?」
「はい…すぐに…」
ベッドに戻るとすぐに看護婦さんは傷口が開いてないか等を確認。俺はびくびくしながらも確認が終わるのを待つ。
そういえば揉み合いになった後、刺されたんだったっけ?夢中でアイツを逃がさない様に押さえ込んで…
「…はい…オッケー…くれぐれも安静にしてろよ?いいなっ?」
―そして確認が済むと元ヤンと思われる看護婦さんは病室を後にする…。病室に居るのは俺と先程看護婦さんの後ろをとことこと一緒に入ってきた美優…。顔が真っ赤になっているな…。 ああ~ なるほど…流石に自分の名前をあんな風に大声で呼ばれていたらそりゃあ恥ずかしいよな…。
―って、そんな事より…
「美優…その頬は?」
美優の頬にはガーゼと言うか冷◯ピタと言うかそういうのが貼られている…。怪我をしている証拠だろう…
「アイツが…やったんだな…悪い…俺が遅かったから…美優が怪我を…」
もっと早く俺が駆けつけていれば…。俺は輝昭と遊んだ後、美優の事が何故か無性に心配になって美優を捜すことにしたんだ…。何度も美優の家の周辺を捜し回って…そして…
「…先輩の…おかげなんです…」
そう言って美優はいつものど~ん!とは違い、俺の傷口が開かない様にそ~っと抱き着いて来た…。俺も軽く抱き締め返す…。
「先輩のお陰で…私は大切な物を守れました。ホントに…本当に…ありがとうございます先輩… 顔の傷は…口の中が切れてるのと頬を殴られて腫れてるだけなので…私の傷はしばらくしたら元通りに治るそうです…」
「馬鹿…それも一大事だろう…」
女の子の顔を殴るなんてけしからん!後、数発殴っておけば良かったな…
「私よりも…先輩の方です…」
「んっ?」
「警察の人達があの後…すぐにやって来て… ―そしたら…先輩は血だらけになりながらも犯人を取り押さえていたみたいで…その後、先輩と一緒に救急車で…私…私…先輩が死んじゃうんじゃないかと…不安で不安で…うっ うっ うぇーん―」
美優が震えながら俺の胸の中で泣いている…。怖かったよな…それに血だらけの俺を見て心配してくれたんだな…。
俺は優しく抱き締め擦りながら、美優が泣き止む迄、頭を撫でていた…。
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