恋愛ゲームのヒロインにガチ恋~転生したのは大好きなヒロインが居る世界。でも弟として~

美鈴

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第二十七話

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「―何か知らぬ間に色々あったみたいだね、聖夜」

 「何でお前が知ってるのかが不思議なんだけど?」

 「そりゃあ、歩美から…」 
「歩美から?」
 「―うぉっほん!こっちの話だから気にしないで」

 「明らかに何か隠してるのは分かるけど知っても碌な事にならない様な気がするから聞かないでおくよ…」

 「そういうのは察せるのに…残念だよね、聖夜は」

 「二股輝昭に言われたくないけどなっ!?」 

そんな事を話しながら輝昭と2人、ゲームセンターを訪れていた。輝昭に誘われたからだ。たまには親友にも付き合わないとな。 ―と、言うわけでここからは俺のターン!格ゲーで輝昭と対戦する。 

「一回も聖夜に勝てないから嫌なんだけど、負けたままじゃあ終われないよね」 

ふっふっふっ…俺は前世では格ゲー界のハメちゃんと言うあだ名で呼ばれていたんだぜっ?今日もハメてやるからよぉー、輝昭! 

「かかってきなさ~い!」 

「絶対に勝ってやる…って、ちょっ、まっ!?それは卑怯だよっ!」 

今日も俺のハメ技が冴える! 

「くっ…鈍感な癖に…」 
「おまっ!?それはただの悪口だろっ!?」 
「あっ…また…このままじゃあ…」

 そして…今日も俺の勝利が目前に迫った所で、

 「センパ~~~~~イ!!」 

「えっ?」 

「ど~~~~~ん!」

 ゲーム機の前の椅子に座って現在進行系でゲームをしている俺の背中に強い衝撃が走る…。 

「がふっ…」
 「すんすん…先輩の匂い…すんすん…」

 衝撃と共に聞き覚えのある声と行動。俺に先輩と言いながらその身で体当たりしてくる奴は一人しか居ない…。 

「美優…ちょっと待ってろ?もうすぐ終わるから」

 今はまだゲームの対戦中だ。美優に構ってる暇はない! 俺のその言葉に不満だったのか、美優は背中に抱き着いたままイタズラを始めやがった…

 まずは…耳に、

 「先輩…ふぅ~~~」 

「うぉ~いっ!?」

 あろう事か耳に息を吹き掛けてきたのだ。そして手元が狂ってしまい… 

「チャーンス!」 
「くっ!ズルいぞっ!輝昭!」 
「勝負は勝てばいいんだよ!」 

「いいだろう!俺の本気をみせてやるっ!」

 輝昭が操作するゲームキャラが俺が油断した隙にハメ技を抜け出し反撃を始めたが…甘い! 

「もう~ 先輩これならどうです…はむっ…ペロ…ペロペロ―」 
「うぉ~い!?耳をハムハムすなっ!?ペロペロすなっ!?ヤバい!今は駄目だから…あふぅ…」 
「先輩…耳が弱いんですね♪美優がたっぷりとして・あ・げ・る♡」 
「あんっ♡」

 結果… 

「ありがとうね、美優ちゃん!」 

「いえいえ…輝昭先輩のお陰で先輩の耳を堪能出来ましたから♪」 

「僕も始めて聖夜に勝てたよ」

 はい、負けました…完敗です…耳は駄目だろう?耳はっ!俺の耳はライフゼロよっ?なんなら美優の唾液がいっぱいついているからね? 

「あのな、美優。いつも言うけど流石にこういう事は彼氏を作って彼氏にだなぁ…」
 「相変わらず美優ちゃんも大変みたいだね?」
 「分かります!?そう!そうなんですよ!この朴念仁先輩は頭が腐ってるんじゃあないかと疑いたくなりますよねぇ~」 
「だよねぇ~」
 「何で俺は2人からディスられてるのっ!?」
 「あっ…そうだ…今日は先輩に構ってる暇はなかったんだった!」 
「―ったく…用事があるならそっちを優先しろよな?」 
「えへへ…だって先輩が居たから…」
「そういえば、もう夕方なのに何の用事なんだ?」 
「それはですね!…には秘密です!」 
「秘密かよっ!?まあ、いいんだけど…用事が終わった後は一人か?」
「えっ~と…そうですけど…」
「じゃあ、用事が終わったら送って行ってやるからここで待っていればいいか?」 
「それはかなり捨て難いんですが…本当に今日は大丈夫ですから…先輩は気にしないで下さい!」
 「そうか?だったらしょうがないけど…本当に気をつけて帰るんだぞ?この間?」

 確か隣の県で起こった事件だったよな? 

「えへへっ…先輩♪ご心配ありがとうございます!その時はあそこ蹴って逃げますのでっ!それではまた!」


 美優はそう言って元気よくその場を後にした…。


 そして…翌日…病院の病室で美優と会うことになるのだった…。
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