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第十話
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「田嶋君…だよね?」
俺が声を掛けると彼は一瞬驚いた様だったけど言葉を返してくれた。
「…春ちゃんの弟か。何?姉ちゃんが心配で見守っていた感じ?心配しなくても襲ったりとかしないから安心して欲しいんだけど?」
「いや、そんな感じは見た感じしなかったからそんな心配はしてなかったんだけど…ほらっ…姉ちゃんにその…なっ?」
「嗚呼…フられたから大きな声で叫んでたからそっちの心配?」
「そうそう…転生何とかとか彼女がどうこうとか…ヒロインがどうのとか聞こえたから大丈夫かなって…」
ボカしてさっき聞こえた事を伝えてみる。これで彼の事が少しでも分かればいいんだけど…。
「気にするなと言いたいけど…無理あるか?もしかして俺って中2病みたいに見られてる!?流石にここがゲーム世界でも必殺技の名前とか言わないからな俺!?」
「ゲームの世界?」
「ヤベっ…またいらん事言ってるな俺…」
「え~と…」
「仕方ねぇか…。信じる信じないは別にして俺は転生者なんだよ」
「う、うん」
急にぶっちゃけてきた!?
「─で、ここはゲームの世界で、ゲームの世界にはヒロインが勿論いるだろ?」
「う…うん」
「俺はそんなヒロインが1人でも彼女になればと思ってたんだけど、どうやら俺はモブみたいで主人公にはなれない…。だからまた別の女性を探そうと思ったんだ!せっかくこうして話する事になったんだし、お前から俺に誰か紹介してくれぇぇー!」
「えっ…何故そうなるっ!?」
「頼むよ!俺は彼女が欲しいんだよ!前世でも彼女居なかったんだぞ俺は!?」
厄介な奴に声を掛けてしまったか?そんな事を俺に言われてもなぁ…。顔は悪くないんだけど…。
「何でもするから頼む!この通り!!!」
「わ、分かった。知り合いに聞いてみるから…「マジかっ!?流石主人公の─」…えっ…?」
誰が主人公だって?輝昭だよな?聞き間違いか?姉さんの名前が聞こえた気がしたけど…。
「とにかく頼むなっ!これっ!俺の電話番号な!よし、そうと決まればこうしちゃあおれん!デート用の服を見繕いに行ってくるわ!じゃあな!」
「ま、待ってくれ……―って、早いわ!!!」
言う事だけ言って、携帯番号が書かれた紙を強引に俺に手渡し足早に田嶋君は去って行った。もう少し仲良くなって見極めてからそこら辺詳しく聞いてみるしかないか?
それにしてもどうすっかな?田嶋君に女の子を紹介か…。女の子の事なら結伊に相談してみるか?
***
家に帰るとリビングには結伊、歩美、姉さんの姿が。それにしても姉さん早かったな…。まあ、俺は田嶋君と話していたし当然と言えば当然か。
「遅かったね聖夜?」
「遅いわよ聖夜?」
「お帰り聖夜」
まさしく三者三様って奴だな…。
「ただいま…丁度良かったよ、結伊に歩美も居てくれて…」
「「な、何が?」」
「実はさぁ~…女の子の友達を紹介して欲しい…」「「「はっ??」」」
何だ何だ!?急に寒気がっ!?心なしかこの部屋の温度がギューンと、下がった気がするのだが?
「聖夜…どういう事?」
「ねぇ…聖夜…アンタ一体何を考えているの?」
「聖夜…一回病院に行った方がいいんじゃないの?」
「さ、3人共…何でそんな風に言うんだよ?」
「知らない!自分の胸に聞いてみれば?」
「アタシ達の気持ちも知らずに…」
「病院に治せる薬あるかなぁ?」
「と、とにかく、友達が彼女欲しいみたいで…頼むから紹介して欲しいんだよ。結構いい奴だし…」
「…それを早く言いなさいよね?聖夜はホン───────ットに馬鹿なんだから…」
「聖夜…勘違いさせる様な話は止めてくれる?」
「聖夜、小学生からやり直してきなさい…。勉強じゃあなくて、主に女の子についてしっかりとね…」
「3人共なんか酷くね?」
「「「酷くない!!!」」」
そんな見事にハモらなくても…。俺が悪いのか?俺は何もしてないだろうに…。
「と、取り敢えず…友達には聞いてみるけど…どんな男性なの?」
「そうよね…それが分からないと…」
「そうそう…」
「言いにくいんだけど…今日姉さんにフられた男子…」
「「「……はぁっ!?」」」
「ははははは春さん、告白されたの!?」
「しかも春さんにフられた男子って言った!?」
「そそそ、それは別にいいでしょ?」
「「是非聞きたいです!!」」
女性に恋バナはつきものだし、こりゃあ長くなりそうだな…。
姉さんは結伊と歩美に根掘り葉掘り聞かれてタジタジになっていたけど…。
俺が声を掛けると彼は一瞬驚いた様だったけど言葉を返してくれた。
「…春ちゃんの弟か。何?姉ちゃんが心配で見守っていた感じ?心配しなくても襲ったりとかしないから安心して欲しいんだけど?」
「いや、そんな感じは見た感じしなかったからそんな心配はしてなかったんだけど…ほらっ…姉ちゃんにその…なっ?」
「嗚呼…フられたから大きな声で叫んでたからそっちの心配?」
「そうそう…転生何とかとか彼女がどうこうとか…ヒロインがどうのとか聞こえたから大丈夫かなって…」
ボカしてさっき聞こえた事を伝えてみる。これで彼の事が少しでも分かればいいんだけど…。
「気にするなと言いたいけど…無理あるか?もしかして俺って中2病みたいに見られてる!?流石にここがゲーム世界でも必殺技の名前とか言わないからな俺!?」
「ゲームの世界?」
「ヤベっ…またいらん事言ってるな俺…」
「え~と…」
「仕方ねぇか…。信じる信じないは別にして俺は転生者なんだよ」
「う、うん」
急にぶっちゃけてきた!?
「─で、ここはゲームの世界で、ゲームの世界にはヒロインが勿論いるだろ?」
「う…うん」
「俺はそんなヒロインが1人でも彼女になればと思ってたんだけど、どうやら俺はモブみたいで主人公にはなれない…。だからまた別の女性を探そうと思ったんだ!せっかくこうして話する事になったんだし、お前から俺に誰か紹介してくれぇぇー!」
「えっ…何故そうなるっ!?」
「頼むよ!俺は彼女が欲しいんだよ!前世でも彼女居なかったんだぞ俺は!?」
厄介な奴に声を掛けてしまったか?そんな事を俺に言われてもなぁ…。顔は悪くないんだけど…。
「何でもするから頼む!この通り!!!」
「わ、分かった。知り合いに聞いてみるから…「マジかっ!?流石主人公の─」…えっ…?」
誰が主人公だって?輝昭だよな?聞き間違いか?姉さんの名前が聞こえた気がしたけど…。
「とにかく頼むなっ!これっ!俺の電話番号な!よし、そうと決まればこうしちゃあおれん!デート用の服を見繕いに行ってくるわ!じゃあな!」
「ま、待ってくれ……―って、早いわ!!!」
言う事だけ言って、携帯番号が書かれた紙を強引に俺に手渡し足早に田嶋君は去って行った。もう少し仲良くなって見極めてからそこら辺詳しく聞いてみるしかないか?
それにしてもどうすっかな?田嶋君に女の子を紹介か…。女の子の事なら結伊に相談してみるか?
***
家に帰るとリビングには結伊、歩美、姉さんの姿が。それにしても姉さん早かったな…。まあ、俺は田嶋君と話していたし当然と言えば当然か。
「遅かったね聖夜?」
「遅いわよ聖夜?」
「お帰り聖夜」
まさしく三者三様って奴だな…。
「ただいま…丁度良かったよ、結伊に歩美も居てくれて…」
「「な、何が?」」
「実はさぁ~…女の子の友達を紹介して欲しい…」「「「はっ??」」」
何だ何だ!?急に寒気がっ!?心なしかこの部屋の温度がギューンと、下がった気がするのだが?
「聖夜…どういう事?」
「ねぇ…聖夜…アンタ一体何を考えているの?」
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「さ、3人共…何でそんな風に言うんだよ?」
「知らない!自分の胸に聞いてみれば?」
「アタシ達の気持ちも知らずに…」
「病院に治せる薬あるかなぁ?」
「と、とにかく、友達が彼女欲しいみたいで…頼むから紹介して欲しいんだよ。結構いい奴だし…」
「…それを早く言いなさいよね?聖夜はホン───────ットに馬鹿なんだから…」
「聖夜…勘違いさせる様な話は止めてくれる?」
「聖夜、小学生からやり直してきなさい…。勉強じゃあなくて、主に女の子についてしっかりとね…」
「3人共なんか酷くね?」
「「「酷くない!!!」」」
そんな見事にハモらなくても…。俺が悪いのか?俺は何もしてないだろうに…。
「と、取り敢えず…友達には聞いてみるけど…どんな男性なの?」
「そうよね…それが分からないと…」
「そうそう…」
「言いにくいんだけど…今日姉さんにフられた男子…」
「「「……はぁっ!?」」」
「ははははは春さん、告白されたの!?」
「しかも春さんにフられた男子って言った!?」
「そそそ、それは別にいいでしょ?」
「「是非聞きたいです!!」」
女性に恋バナはつきものだし、こりゃあ長くなりそうだな…。
姉さんは結伊と歩美に根掘り葉掘り聞かれてタジタジになっていたけど…。
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