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第九話
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「父さん、母さん、少し話があるんだけど…」
「何よ、改まって…」
「息子に話があると言われるのは何か頼りにされてるみたいで嬉しいな、なっ、母さん」
「…それは話の内容にもよると思うけど…」
今日は都合が良い事に姉さんは友達の家に泊まりに行っている。高校生活も一週間が過ぎた。だからこのタイミングがベストだと思った。
「実は…バイトして一人暮らしを考えているんだけど…」
「「!?」」
2人の表情が変わった…。
「どうして急に?」
「そうだぞ?まだ高校に入って一週間位しか経ってないだろうに…」
「それは、ほらっ、バイトしてお金貯めてからになるから早めに伝えた方がいいと思っただけで…」
「…私は反対…ね」
母さんは反対…か…。
「…アレか?突然そういう事を言いだしたのは結伊ちゃんとかを連れ込めないからとかか?」
何で結伊が出てくるのかは分からん。今でも部屋には勝手に来ているだろうに…。
「父さんが何を言ってるのかは分からないけど、そんなんじゃないよ…。しいて言うなら自立かな」
「…自立」
「……自立…か」
少し考え込む母さん…。
「…私はそれでも反対かな…。せめて高校生の間は親を頼って欲しいと私は思う。それこそどうしても一人暮らししたいのなら大学生になってからでも遅くはないでしょう?聖夜は小さい頃から何も欲しがらなかったし、手が掛からなかった。私達が言わなくても自分で勉強して、頭も文句なしに良いしね…」
「…だな。俺の稼ぎが少ない訳でもない。十分に暮らしていけるし、余裕もある。母さんも働いてくれてるから余計にな…。小遣いを上げて欲しいのなら少し位ならあげてやれるし…。子供はいつか親の手を離れるものだ。だがそれはもう少し後でも良いだろう?父さんももう少し家族4人で過ごしたいしな…。まあ、バイトしたいなら家族の時間がなくならない程度なら許可するが…」
「ええ…。欲しい物があるならバイト位なら…」
家族…か。それを言われたら勝手な事は出来ないよな?育ててもらったんだし…。俺にとってもかけがえのない家族なのは間違いない。
「ごめん父さん、母さん。少し焦り過ぎてたかも知れない…。バイトももう少しよく考えてから決めるよ…」
「ごめんね、聖夜…これは私達の我儘なのに…」
「…女の子を連れ込む時は言ってくれれば父さん達は気を利かせるから」
「あなた?」
「…なんでもない」
「…聖夜、もう一度だけ聞くけど…本当に何かあった訳じゃあないの?」
「うん、それはないよ」
「それなら良いけど…」
***
それから一週間ちょっとが過ぎた。両親に余計な心配をかけてしまったのは反省点だ…。あれからずっと俺の事を気に掛けさせてしまっている。だからその分を含めて今日も早く帰って家の手伝いでもして返そう…。
そう思って学校を後にしようと思っていたら姉さんが男子生徒とどこかへ向かっているのが見えた。輝昭達に先に帰っててもらう様に伝えた後、俺は2人の後を追ったんだ。
***
2人は体育館の裏に居た。俺は隠れて様子を窺う事に…。先に口を開いたのは姉さんだった…
「え~と…君は?」
うぉーい!?姉さんは何を考えてるんだ!?知らない奴にホイホイ付いて行くなよなっ!?
「俺は一年の田嶋啓祐って言うんだけど…」
田嶋…?別のクラスだな…。
「田嶋君だね…それで、話って?」
「可愛さん!俺と付き合って欲しい!」
そんな気はしてたけど告白か…。あんな風に自分の気持ちを伝えられるのならどれ程いいんだろうな…。
「…ごめんなさい」
「…やっぱり駄目か」
「本当にごめんね…」
「いえ、駄目元だったから…」
フラレるのは辛いだろうけど…
***
何か無理矢理、姉さんに手を出そうとしたら出ていかないといけないと思い構えていたんだけどそういう事はなく、姉さんが先にその場を後にした。俺もその場を後にしようとした所で…
「う~ん。やっぱりモブじゃあ駄目か?せっかくゲームの世界に来たんだからヒロインの一人位はと思ったんだけど…。でも普通はさぁ~、モブこそこういう時にヒロインを堕とせるんじゃあないのかよっ!?転生損だよな、これっ…。まあ、ヒロインじゃあなくてもこの世界の女の子はみんな可愛いから…この世界なら誰かしら彼女になってくれるよな?そうじゃなきゃあ俺は泣くぞ?」
大きな声で叫ぶ彼のそんな声が聞こえた。彼は転生者…?
俺は少しだけ彼と話をしてみようと思ったんだ…。
「何よ、改まって…」
「息子に話があると言われるのは何か頼りにされてるみたいで嬉しいな、なっ、母さん」
「…それは話の内容にもよると思うけど…」
今日は都合が良い事に姉さんは友達の家に泊まりに行っている。高校生活も一週間が過ぎた。だからこのタイミングがベストだと思った。
「実は…バイトして一人暮らしを考えているんだけど…」
「「!?」」
2人の表情が変わった…。
「どうして急に?」
「そうだぞ?まだ高校に入って一週間位しか経ってないだろうに…」
「それは、ほらっ、バイトしてお金貯めてからになるから早めに伝えた方がいいと思っただけで…」
「…私は反対…ね」
母さんは反対…か…。
「…アレか?突然そういう事を言いだしたのは結伊ちゃんとかを連れ込めないからとかか?」
何で結伊が出てくるのかは分からん。今でも部屋には勝手に来ているだろうに…。
「父さんが何を言ってるのかは分からないけど、そんなんじゃないよ…。しいて言うなら自立かな」
「…自立」
「……自立…か」
少し考え込む母さん…。
「…私はそれでも反対かな…。せめて高校生の間は親を頼って欲しいと私は思う。それこそどうしても一人暮らししたいのなら大学生になってからでも遅くはないでしょう?聖夜は小さい頃から何も欲しがらなかったし、手が掛からなかった。私達が言わなくても自分で勉強して、頭も文句なしに良いしね…」
「…だな。俺の稼ぎが少ない訳でもない。十分に暮らしていけるし、余裕もある。母さんも働いてくれてるから余計にな…。小遣いを上げて欲しいのなら少し位ならあげてやれるし…。子供はいつか親の手を離れるものだ。だがそれはもう少し後でも良いだろう?父さんももう少し家族4人で過ごしたいしな…。まあ、バイトしたいなら家族の時間がなくならない程度なら許可するが…」
「ええ…。欲しい物があるならバイト位なら…」
家族…か。それを言われたら勝手な事は出来ないよな?育ててもらったんだし…。俺にとってもかけがえのない家族なのは間違いない。
「ごめん父さん、母さん。少し焦り過ぎてたかも知れない…。バイトももう少しよく考えてから決めるよ…」
「ごめんね、聖夜…これは私達の我儘なのに…」
「…女の子を連れ込む時は言ってくれれば父さん達は気を利かせるから」
「あなた?」
「…なんでもない」
「…聖夜、もう一度だけ聞くけど…本当に何かあった訳じゃあないの?」
「うん、それはないよ」
「それなら良いけど…」
***
それから一週間ちょっとが過ぎた。両親に余計な心配をかけてしまったのは反省点だ…。あれからずっと俺の事を気に掛けさせてしまっている。だからその分を含めて今日も早く帰って家の手伝いでもして返そう…。
そう思って学校を後にしようと思っていたら姉さんが男子生徒とどこかへ向かっているのが見えた。輝昭達に先に帰っててもらう様に伝えた後、俺は2人の後を追ったんだ。
***
2人は体育館の裏に居た。俺は隠れて様子を窺う事に…。先に口を開いたのは姉さんだった…
「え~と…君は?」
うぉーい!?姉さんは何を考えてるんだ!?知らない奴にホイホイ付いて行くなよなっ!?
「俺は一年の田嶋啓祐って言うんだけど…」
田嶋…?別のクラスだな…。
「田嶋君だね…それで、話って?」
「可愛さん!俺と付き合って欲しい!」
そんな気はしてたけど告白か…。あんな風に自分の気持ちを伝えられるのならどれ程いいんだろうな…。
「…ごめんなさい」
「…やっぱり駄目か」
「本当にごめんね…」
「いえ、駄目元だったから…」
フラレるのは辛いだろうけど…
***
何か無理矢理、姉さんに手を出そうとしたら出ていかないといけないと思い構えていたんだけどそういう事はなく、姉さんが先にその場を後にした。俺もその場を後にしようとした所で…
「う~ん。やっぱりモブじゃあ駄目か?せっかくゲームの世界に来たんだからヒロインの一人位はと思ったんだけど…。でも普通はさぁ~、モブこそこういう時にヒロインを堕とせるんじゃあないのかよっ!?転生損だよな、これっ…。まあ、ヒロインじゃあなくてもこの世界の女の子はみんな可愛いから…この世界なら誰かしら彼女になってくれるよな?そうじゃなきゃあ俺は泣くぞ?」
大きな声で叫ぶ彼のそんな声が聞こえた。彼は転生者…?
俺は少しだけ彼と話をしてみようと思ったんだ…。
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