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第四話
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「こんなところに私を2~30分も放ったらかしにするなんて」
「…だから何度も謝ってるだろ?」
ちょっと人助けをして、戻って来たら丁度結伊もナンパされていたのだ…。その為、大変ご立腹なのである…。まあ、あっちみたいに危険な奴等では無かったけども…。まあ、人通りが多いからそんな大それた事する奴は滅多にいないだろうけどね…。
「助けてくれたのは…嬉しかった…けど…(ごにょごにょ)」
「…悪かったよ…俺の彼女なんて言って…」
ナンパから助けるには仕方ないだろうに…
「そ、そうじゃないよ!そうじゃないのっ!謝る所を間違えてるからね?」
「…ったく、我が儘なんだから…」
「えっ、我が儘じゃあないと思うけど!?」
「ほらっ…」
ポケットから取り出した物を結伊に渡す。
「これって…」
「たまには髪…纏めたくなったりするだろうし、さっきの詫び…なっ?」
「っ……こ、こういう所だからね?」
「どういうとこだよっ!?」
「むぅ~…でも…ありがとう…聖夜!大切にするから」
「おうよ」
***
「お帰り~」
「…ただいま。母さん達は?」
「買い物に行ってるよ?」
リビングには姉さんだけ…か…。
「結伊ちゃんとデートだったんでしょ?」
「ちげぇーよ!?ただ買い物に付き合っただけで…って、まあ、買い物つぅ~買い物はしてないけど…」
「普通…それをデートって言うんじゃないの?」
「言わねぇーよ」
言わないよな?
「…ほら…姉さん」
「何?何?お土産?」
「これ…」
(姉さんに似合いそうだったから…なんて言えないよな…。姉弟だし…。でも…これ位は姉弟でもやるよな?)
「耳に着ける…イヤリング?」
姉さんに渡したのは…耳たぶに挟んで着けるイヤリング…。結伊に上げた髪止めの方が高いんだぜ?
「…結伊ちゃんにも何かあげた?」
「何で気にするのか分からないけど…ちゃんとあげてるよ」
「…ありがとうね、聖夜。大事に…使わせて貰うね?」
ああ…本当に…この笑顔が俺は好き…なんだな…。神様…恨むからな?
「…どうかしたの聖夜?」
「…ううん…何でもない…」
「そう?」
「うん。じゃあ部屋に戻るから…」
「…聖夜」
「ん?」
「何でもない…」
─ねぇ…聖夜。このイヤリングに描かれてる花の名前と花言葉を知ってるの?花の名前は胡蝶蘭。そして胡蝶蘭の色によって少しだけ意味が変わる。聖夜がくれたのはピンク。だから…花言葉は…
「あなたを愛してます…なんだよ?分かってるの?」
***
「聖夜ぁー!それか春ぅー」
「どうしたの母さん?」
「何…お母さん?」
「悪いんだけど…味噌買い忘れちゃって、まだ夕方だし、どっちか買って来てくれる?」
「じゃあ、わ「俺が行くよ!」…聖夜?」
まだ明るいとはいえ危ないと思うし…。
「そうね。女の子は危ないわね。じゃあ、聖夜宜しくね?」
「任せて母さん」
「…ありがとね、聖夜」
「いいよ、これ位」
***
味噌は買ったし…帰らないとな。まあ、スーパーは家からある程度近いけど、早く帰らないと味噌汁作れなくて困ってるだろうしな…。
「センパァァァァァイ!!!」
こちらに駆け寄って来る足音と聞いた事ある声…。嫌な予感しかしないけど…振り向くと…
「げっ…美優《みう》!?」
「どーーーーーん!!!」
「がふっ…」
俺の胸に勢いそのままに飛び込んで来たポニーテールの少女は黄昏美優《たそがれみう》。これまた、色々あっていつからかこうなった…。美優がこうすると結伊の機嫌が途端に悪くなるんだよな…。仲悪い様には見えないけど…。美優は抱きついたまま胸元に顔を埋め、そのまま上目遣いに視線をこちらへと向ける。
「危ないだろ美優?」
「エヘヘ…先輩の匂い…すんすん…」
「嗅ぐな嗅ぐな!お前は変態か?」
「別に…匂い位は良いでしょ?」
「…良くないからな?ほらっ…離れた離れた…」
「ぶぅ~先輩の匂いを堪能してたのにぃぃ」
「やかましいわ!…今、帰りなのか?」
「そうなので~す!部活美少女は忙しいんですよ、せ・ん・ぱ・い?」
「自分で言うのかよ…ったく…。ほらっ…しょうがないから…送ってくよ?」
「…い、良いんですか先輩!?」
「…美少女なら危ないだろ?それにほらっ…荷物貸してくれ…」
「…お、お言葉に…甘えます…」
頬が赤いのは夕陽のせいか?俺以外なら勘違いされるぞ?多分…。
「急にどうした?」
「にゃあ!?にゃんでも…にゃんでもにゃいでちゅ…」
「何でもないならいいけど…もしかして…アレか?今頃、俺の匂いを嗅いだ事が恥ずかしくなったとか?」
「…っ!?う~う~先輩の…馬鹿!そ、そんなの口にする必要ないじゃないですか!」
んっ?言った事が当たったのか?何を今更…。毎回するくせに…。
「ホント…今日は馬鹿と言われる日だな…」
***
美優を送った後、母さんから遅い!このお馬鹿との言葉を頂いた…。遅くなった理由を言ってないとはいえ…解せぬ…。
「…だから何度も謝ってるだろ?」
ちょっと人助けをして、戻って来たら丁度結伊もナンパされていたのだ…。その為、大変ご立腹なのである…。まあ、あっちみたいに危険な奴等では無かったけども…。まあ、人通りが多いからそんな大それた事する奴は滅多にいないだろうけどね…。
「助けてくれたのは…嬉しかった…けど…(ごにょごにょ)」
「…悪かったよ…俺の彼女なんて言って…」
ナンパから助けるには仕方ないだろうに…
「そ、そうじゃないよ!そうじゃないのっ!謝る所を間違えてるからね?」
「…ったく、我が儘なんだから…」
「えっ、我が儘じゃあないと思うけど!?」
「ほらっ…」
ポケットから取り出した物を結伊に渡す。
「これって…」
「たまには髪…纏めたくなったりするだろうし、さっきの詫び…なっ?」
「っ……こ、こういう所だからね?」
「どういうとこだよっ!?」
「むぅ~…でも…ありがとう…聖夜!大切にするから」
「おうよ」
***
「お帰り~」
「…ただいま。母さん達は?」
「買い物に行ってるよ?」
リビングには姉さんだけ…か…。
「結伊ちゃんとデートだったんでしょ?」
「ちげぇーよ!?ただ買い物に付き合っただけで…って、まあ、買い物つぅ~買い物はしてないけど…」
「普通…それをデートって言うんじゃないの?」
「言わねぇーよ」
言わないよな?
「…ほら…姉さん」
「何?何?お土産?」
「これ…」
(姉さんに似合いそうだったから…なんて言えないよな…。姉弟だし…。でも…これ位は姉弟でもやるよな?)
「耳に着ける…イヤリング?」
姉さんに渡したのは…耳たぶに挟んで着けるイヤリング…。結伊に上げた髪止めの方が高いんだぜ?
「…結伊ちゃんにも何かあげた?」
「何で気にするのか分からないけど…ちゃんとあげてるよ」
「…ありがとうね、聖夜。大事に…使わせて貰うね?」
ああ…本当に…この笑顔が俺は好き…なんだな…。神様…恨むからな?
「…どうかしたの聖夜?」
「…ううん…何でもない…」
「そう?」
「うん。じゃあ部屋に戻るから…」
「…聖夜」
「ん?」
「何でもない…」
─ねぇ…聖夜。このイヤリングに描かれてる花の名前と花言葉を知ってるの?花の名前は胡蝶蘭。そして胡蝶蘭の色によって少しだけ意味が変わる。聖夜がくれたのはピンク。だから…花言葉は…
「あなたを愛してます…なんだよ?分かってるの?」
***
「聖夜ぁー!それか春ぅー」
「どうしたの母さん?」
「何…お母さん?」
「悪いんだけど…味噌買い忘れちゃって、まだ夕方だし、どっちか買って来てくれる?」
「じゃあ、わ「俺が行くよ!」…聖夜?」
まだ明るいとはいえ危ないと思うし…。
「そうね。女の子は危ないわね。じゃあ、聖夜宜しくね?」
「任せて母さん」
「…ありがとね、聖夜」
「いいよ、これ位」
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「センパァァァァァイ!!!」
こちらに駆け寄って来る足音と聞いた事ある声…。嫌な予感しかしないけど…振り向くと…
「げっ…美優《みう》!?」
「どーーーーーん!!!」
「がふっ…」
俺の胸に勢いそのままに飛び込んで来たポニーテールの少女は黄昏美優《たそがれみう》。これまた、色々あっていつからかこうなった…。美優がこうすると結伊の機嫌が途端に悪くなるんだよな…。仲悪い様には見えないけど…。美優は抱きついたまま胸元に顔を埋め、そのまま上目遣いに視線をこちらへと向ける。
「危ないだろ美優?」
「エヘヘ…先輩の匂い…すんすん…」
「嗅ぐな嗅ぐな!お前は変態か?」
「別に…匂い位は良いでしょ?」
「…良くないからな?ほらっ…離れた離れた…」
「ぶぅ~先輩の匂いを堪能してたのにぃぃ」
「やかましいわ!…今、帰りなのか?」
「そうなので~す!部活美少女は忙しいんですよ、せ・ん・ぱ・い?」
「自分で言うのかよ…ったく…。ほらっ…しょうがないから…送ってくよ?」
「…い、良いんですか先輩!?」
「…美少女なら危ないだろ?それにほらっ…荷物貸してくれ…」
「…お、お言葉に…甘えます…」
頬が赤いのは夕陽のせいか?俺以外なら勘違いされるぞ?多分…。
「急にどうした?」
「にゃあ!?にゃんでも…にゃんでもにゃいでちゅ…」
「何でもないならいいけど…もしかして…アレか?今頃、俺の匂いを嗅いだ事が恥ずかしくなったとか?」
「…っ!?う~う~先輩の…馬鹿!そ、そんなの口にする必要ないじゃないですか!」
んっ?言った事が当たったのか?何を今更…。毎回するくせに…。
「ホント…今日は馬鹿と言われる日だな…」
***
美優を送った後、母さんから遅い!このお馬鹿との言葉を頂いた…。遅くなった理由を言ってないとはいえ…解せぬ…。
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