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第二話
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あれから…母さんの特大の雷が俺の頭に一直線に落ちた。それは見事にドカン!─と。まあ、しょうがない…口を滑らせてしまった俺が悪い。母さんに胸の話と歳の話は禁句なのだ。
「聖夜ぁー!」
一階の階段下から二階に居る俺に向かってどうやら母さんが呼んでいる様だ。そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえてるつ~の!
「何、母さん?」
「さっき…あんたまた、私の事で失礼な事を考えなかった?」
怖っ!?どういう電波受信してるんだ!?怖い!怖い!怖すぎるよっ!?
「な、何も考えてないよ!」
「おかしいわね?何か不快なモノを感じたんだけど…」
「…父さんじゃないの?」
ゴメンよ…父さん…。
「…かも知れないわね…分かったわ」
心の中でも母さんに対して失礼な事は考えない様にしておこう。もう一つコブが増えたらネズミになってしまうしな…。そんな事を考えながら俺はベットに横になりやがて睡魔に誘われるがまま夢の中へと旅立った…。
***
翌朝何か甘い良い匂いに包まれながら目を覚ます…。
「あっ…起きた?」
「うおっ!?」
俺が眠るベットで俺の真横に添い寝する様な形で寝転がっていたのは隣の家に住む幼馴染みの唐津結伊《からつゆい》。ゲームのメインヒロインの一人でもある。腰近く迄あるストレートの艶のある髪。Cカップの胸、魅了する様な笑顔。美少女なのも相まって中学時代はかなりラブレターを貰ったらしいが…。
先に言っとくけど俺はゲームで推し以外攻略した事がない。だから他のヒロイン達のイベントなんかは見た事も聞いた事もないのだ!一途だろ?
まあ、結伊は隣に住んでる事もあるし、昔色々合ったから懐かれた感じだ。妹みたいなもんだな。結伊も兄妹みたいに思ってるんだろう…。
「その反応傷付いちゃうんだけど?」
頬を膨らましいかにも不満とアピールしてくる…。
「あのな…男のベットに潜り込むなと何度言ったらお前は分かるんだ?」
「…聖夜以外にこんな事しないのに…」
「何て?聞こえないんだが?」
「聖夜の馬鹿と言ったんだよ!」
「朝から人を馬鹿呼ばわりするなよ…」
「馬鹿だから馬鹿だと言ったの!」
「─で、結伊はこんな朝っぱらから何しに来たんだ?」
「えっ…買い物に付き合って貰おうと思って来たんだけど?」
「…またか?」
「またかって何?私が誘いに来たんだよ?」
「…へいへい…付き合えばいいんだろ、付き合えば…」
「そうそう!最初から私の誘いに乗ればいいんだよ!」
「全く…知らないぞ?また、噂になっても…」
他人から見てもなんとなく距離が近い感じがするのか一時期俺と結伊が付き合ってるんじゃないかと噂になったんだ…。結伊も慌てて否定していたし、勿論俺もちゃんと否定したけどな…。
「…べ、別に聖夜となら…」
「だからもう少し大きな声で言わねぇと聞こえないんだが?」
「もう!早く用意してって言ってるの!」
うおっ!?何で急に怒るんだよ?
「…ったく、何でそんなに怒ってるんだか…せっかくの可愛い顔が台無しだろうに…」
「ふぇっ!?…あっ…ぁっ……可愛いって…言われた…エヘヘ…」
「?」
何だ?頬に手を添えてはにかむ様に笑ってるんだが…?何かおかしいものでも食べたか?
俺は着替える為に着ていた服を脱ぎ、上半身裸で着ていく服を選ぶ…。
「あわわわわっ!?」
「どうした結伊?」
「は、裸のままうろうろしないでよ!」
「男の裸に需要なんてないだろ?」
「…絶対…今日眠れない…よ」
「眠れないって…そんなに気色悪かったか!?」
「もう!もう!聖夜の馬鹿ぁぁぁー!わ、私リビングで待ってるから早くしてよね?」
ホント何なんだよ?訳分からん…。それと部屋のドアは閉めていけよな?
「聖夜どうかしたの?結伊ちゃんの声が聞こえたんだけ…ど」
「えっ?」
結伊の声が聞こえたのか姉さんが来たんだけど…その目は大きく見開かれている…。何故?ここは冷静に考えてみるとしよう…。部屋には上半身裸の俺。ドアは開いており、結伊の声は聞こえたのに結伊はこの場には居ない。ここから導きだされる答えは……………
俺が結伊を襲い、結伊が逃げた?まさにそういうシチュエーションじゃね!?
「姉さん違う、違うからな?」
「何が違うのよ!何がっ!結伊ちゃんを襲おうとして逃げられたんでしょ!?」
「ちげぇー!?断じて違うから!」
「無理矢理嫌がる結伊ちゃんを…」
「おおぉぉぉいぃぃ!?話を、俺の話を聞けよ姉さん!」
(俺は推し一筋だぞ!?)
「結伊ちゃん可哀想に…」
「嗚呼…もう!姉さんのピンク脳め!」
「ピ、ピンク脳!?」
あっ…ヤベッ…。姉さんの顔つきが変わった…。またこれは面倒な事になりそうだ…。今度から部屋に鍵でもつけようかな…。
「聖夜ぁー!」
一階の階段下から二階に居る俺に向かってどうやら母さんが呼んでいる様だ。そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえてるつ~の!
「何、母さん?」
「さっき…あんたまた、私の事で失礼な事を考えなかった?」
怖っ!?どういう電波受信してるんだ!?怖い!怖い!怖すぎるよっ!?
「な、何も考えてないよ!」
「おかしいわね?何か不快なモノを感じたんだけど…」
「…父さんじゃないの?」
ゴメンよ…父さん…。
「…かも知れないわね…分かったわ」
心の中でも母さんに対して失礼な事は考えない様にしておこう。もう一つコブが増えたらネズミになってしまうしな…。そんな事を考えながら俺はベットに横になりやがて睡魔に誘われるがまま夢の中へと旅立った…。
***
翌朝何か甘い良い匂いに包まれながら目を覚ます…。
「あっ…起きた?」
「うおっ!?」
俺が眠るベットで俺の真横に添い寝する様な形で寝転がっていたのは隣の家に住む幼馴染みの唐津結伊《からつゆい》。ゲームのメインヒロインの一人でもある。腰近く迄あるストレートの艶のある髪。Cカップの胸、魅了する様な笑顔。美少女なのも相まって中学時代はかなりラブレターを貰ったらしいが…。
先に言っとくけど俺はゲームで推し以外攻略した事がない。だから他のヒロイン達のイベントなんかは見た事も聞いた事もないのだ!一途だろ?
まあ、結伊は隣に住んでる事もあるし、昔色々合ったから懐かれた感じだ。妹みたいなもんだな。結伊も兄妹みたいに思ってるんだろう…。
「その反応傷付いちゃうんだけど?」
頬を膨らましいかにも不満とアピールしてくる…。
「あのな…男のベットに潜り込むなと何度言ったらお前は分かるんだ?」
「…聖夜以外にこんな事しないのに…」
「何て?聞こえないんだが?」
「聖夜の馬鹿と言ったんだよ!」
「朝から人を馬鹿呼ばわりするなよ…」
「馬鹿だから馬鹿だと言ったの!」
「─で、結伊はこんな朝っぱらから何しに来たんだ?」
「えっ…買い物に付き合って貰おうと思って来たんだけど?」
「…またか?」
「またかって何?私が誘いに来たんだよ?」
「…へいへい…付き合えばいいんだろ、付き合えば…」
「そうそう!最初から私の誘いに乗ればいいんだよ!」
「全く…知らないぞ?また、噂になっても…」
他人から見てもなんとなく距離が近い感じがするのか一時期俺と結伊が付き合ってるんじゃないかと噂になったんだ…。結伊も慌てて否定していたし、勿論俺もちゃんと否定したけどな…。
「…べ、別に聖夜となら…」
「だからもう少し大きな声で言わねぇと聞こえないんだが?」
「もう!早く用意してって言ってるの!」
うおっ!?何で急に怒るんだよ?
「…ったく、何でそんなに怒ってるんだか…せっかくの可愛い顔が台無しだろうに…」
「ふぇっ!?…あっ…ぁっ……可愛いって…言われた…エヘヘ…」
「?」
何だ?頬に手を添えてはにかむ様に笑ってるんだが…?何かおかしいものでも食べたか?
俺は着替える為に着ていた服を脱ぎ、上半身裸で着ていく服を選ぶ…。
「あわわわわっ!?」
「どうした結伊?」
「は、裸のままうろうろしないでよ!」
「男の裸に需要なんてないだろ?」
「…絶対…今日眠れない…よ」
「眠れないって…そんなに気色悪かったか!?」
「もう!もう!聖夜の馬鹿ぁぁぁー!わ、私リビングで待ってるから早くしてよね?」
ホント何なんだよ?訳分からん…。それと部屋のドアは閉めていけよな?
「聖夜どうかしたの?結伊ちゃんの声が聞こえたんだけ…ど」
「えっ?」
結伊の声が聞こえたのか姉さんが来たんだけど…その目は大きく見開かれている…。何故?ここは冷静に考えてみるとしよう…。部屋には上半身裸の俺。ドアは開いており、結伊の声は聞こえたのに結伊はこの場には居ない。ここから導きだされる答えは……………
俺が結伊を襲い、結伊が逃げた?まさにそういうシチュエーションじゃね!?
「姉さん違う、違うからな?」
「何が違うのよ!何がっ!結伊ちゃんを襲おうとして逃げられたんでしょ!?」
「ちげぇー!?断じて違うから!」
「無理矢理嫌がる結伊ちゃんを…」
「おおぉぉぉいぃぃ!?話を、俺の話を聞けよ姉さん!」
(俺は推し一筋だぞ!?)
「結伊ちゃん可哀想に…」
「嗚呼…もう!姉さんのピンク脳め!」
「ピ、ピンク脳!?」
あっ…ヤベッ…。姉さんの顔つきが変わった…。またこれは面倒な事になりそうだ…。今度から部屋に鍵でもつけようかな…。
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