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第一部
悪役貴族は素が出る
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その日俺は自分のジョブカードを見て唖然としていた。
───
セイヤ・オオスギ
level 40
❬職業❭
悪役貴族
❬スキル❭
闇魔法
・シャドウブレード
・シャドウフレイム
・シャドウアーマ
・プレベント
・キャプチャー
・スレイブ
・スポイト
─対象の魔力を奪い取る事が出来る。
水魔法
・ヒール
・キュア
スキル
・アイテムボックス
─アイテム類を自由に出し入れ出来る。
・スキル偽装
─スキルを偽装出来る。
・レベル偽装
─レベルを偽装出来る。
・ステータス
─対象のステータスが分かる。レベルに応じて分かる情報が増える。
・魅了の唾液
─口づけを交わした相手を魅了する。
・精力無双
─何度でも出来る
───
何なんだ!魅了の唾液って!定番のスキルとしたら魅了の魔眼とか魅了の口づけじゃないの?何だよこの唾液って、唾液って!大事な事なので2回言いました。
それに精力無双って何なの?そこは精力増大とかでいいだろ?何で無双なの?説明も何度でも出来るって簡潔過ぎるだろ!敢えて言うなら説明もいらないよ。自分の相棒の事位手に取る様に分かるし。だって萎える事が無いしなんなら連続で何回でも大丈夫!はぁ…
突っ込みどころが多すぎて素が出たよ!
しかし分かった事はある。先日のカスミの件だ。急に好きとか言って来たからおかしいと思っていた。いつ発動したのかは分からないがスキル魅了の唾液のせいだろう。
スキルのせいとはいえ異性から好きと言われたのは初めてだったので嬉しく感じたのは事実だ。カスミみたいに綺麗な娘から言われれば尚更だな。あれからカスミはまるで本当の恋人同士みたいに接してくる。回数が上昇するのはいうまでも無い事だろう。
リンにもそんな変化が訪れている。俺と身体を重ねる度、顔を真っ赤にしてまるで恋人を慈しむ様な表情を魅せる。
俺の優先事項はアイツ等に復讐する事。1日足りとも忘れる事は無い。だが巨大で真っ黒な復讐という闇に2筋の優しい光が少しだけ…ほんの少しだけ差し込むのも悪くないと思ってしまう自分がいた。そんなある日の出来事…
───
『トントン』
「今開けますのでお待ち下さい」
『ガチャ』
「お待たせしました。当家に何か御用で「リン」!?…カール…」
「リンが出てくれて良かったよ。貴族様の家は中々行く機会が無いし何て言おうか緊張してたから」
「何かあったの?」
「いや、別に何も無いんだけど、ほら、最近実家にも帰っていなかっただろ?んで、なんつうか心配になって…」
「私の事なら心配しなくても大丈夫よ。ちゃんとこの通り元気にやってるから」
「でも…俺もたまにはお前の顔…あ、幼なじみだろ俺達?だから、いつも一緒に遊んでたからたまにはどうかなとか思って」
「私は…『リン、どうした?俺に客か?』…セイヤ様!」
「いえ、暫く実家に帰っていなかったものですから幼なじみが訪ねて参りました。申し訳ありません」
「…そうか。時間はまだ掛かるか?リンに話があるのだが」
「いえ、話はもう終わりました。すぐに部屋に参ります」
「分かった、先に部屋に戻る」
「はい、セイヤ様」
「ちょっと待て、いや、待って下さい。丁度貴方にもお話があるんです!」
「やめてカール。セイヤ様に失礼よ!」
「何だ?」
「もう少しリンを家に帰してやって貰えませんか?」
「カール!」
「リンは少し黙ってくれ!俺はこの貴族の人と話をしているんだ!」
「…カールといったか?」
「はい」
「何故リンを帰さないといけないのだ。リンにはこの屋敷に住み込みで働いて貰っているし、俺の全ての世話をして貰っている。それに貴様には関係の無い事だ」
「!?」
「…いや、関係はある。俺はリンの幼なじみだし…何より実家に帰って来ないのはおかしいだろ!」
「ふむ。リンの親からは何も聞いていないのか?」
「何をだよ?」
「リンは俺が貰った。リンにもリンの両親にも話はつけている。ただの幼なじみの貴様にはこれ以上関わる意味が無いだろ」
「えっ?」
「話は以上だ。今度こそ俺は部屋へ戻るぞ。貴様も早くここから立ち去れ!そして2度と俺達の前にその顔を見せるな!!」
「リンを貰ったって何だよ!お前何を言ってるんだ!おかしいだろ!!!リンがそんな事承諾する訳が無い!」
「うるさい男だ。仕方無い特別に証拠を見せてやる。リン分かるな?」
「はい、セイヤ様……ちゅっ…ん」
「なんで…なんでそんな奴に、リンがキスするんだ!リンは、リンは俺の、俺の…」
カールが突然ナイフを取り出し今にも俺を殺そうとしている…
俺はリンに少し離れる様指示。
アイテムボックスから鋼の剣を取り出し構える。
「貴族の俺に生意気な口を聞きナイフを手に俺を殺そうとしている狼藉死をもちて償え」
「うわあぁぁぁぁぁぁあ」
『シュッ』
ナイフで刺し殺そうと突進して来たカールを簡単に躱しすれ違い様に袈裟斬り、カールの身体は地面にずれ落ちた。
『シャドウフレイム』
カールの遺体を闇の炎で燃やし尽くす。散らばった血液も闇の炎で蒸発。
後に残ったモノはごく少量の煤。
「リン。そこのゴミをはわいてから俺の部屋に来い。俺は先に戻る」
「はい、セイヤ様」
─────
セイヤ様が部屋へ戻られた。私も早くこのカールを処理して向かわなければ!
「ふふっ、それにしても本当に馬鹿なカール。私のセイヤ様に逆らうなんて…死んで当然だわ」
ゴミ掃除をしていた私は何故か片目から涙が1滴零れ堕ちる…
「ゴミが目に入ったのかしら」
スッと袖元で拭い、ゴミ掃除を終わらせた私は急いでセイヤ様の元へ向かった。
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セイヤ・オオスギ
level 40
❬職業❭
悪役貴族
❬スキル❭
闇魔法
・シャドウブレード
・シャドウフレイム
・シャドウアーマ
・プレベント
・キャプチャー
・スレイブ
・スポイト
─対象の魔力を奪い取る事が出来る。
水魔法
・ヒール
・キュア
スキル
・アイテムボックス
─アイテム類を自由に出し入れ出来る。
・スキル偽装
─スキルを偽装出来る。
・レベル偽装
─レベルを偽装出来る。
・ステータス
─対象のステータスが分かる。レベルに応じて分かる情報が増える。
・魅了の唾液
─口づけを交わした相手を魅了する。
・精力無双
─何度でも出来る
───
何なんだ!魅了の唾液って!定番のスキルとしたら魅了の魔眼とか魅了の口づけじゃないの?何だよこの唾液って、唾液って!大事な事なので2回言いました。
それに精力無双って何なの?そこは精力増大とかでいいだろ?何で無双なの?説明も何度でも出来るって簡潔過ぎるだろ!敢えて言うなら説明もいらないよ。自分の相棒の事位手に取る様に分かるし。だって萎える事が無いしなんなら連続で何回でも大丈夫!はぁ…
突っ込みどころが多すぎて素が出たよ!
しかし分かった事はある。先日のカスミの件だ。急に好きとか言って来たからおかしいと思っていた。いつ発動したのかは分からないがスキル魅了の唾液のせいだろう。
スキルのせいとはいえ異性から好きと言われたのは初めてだったので嬉しく感じたのは事実だ。カスミみたいに綺麗な娘から言われれば尚更だな。あれからカスミはまるで本当の恋人同士みたいに接してくる。回数が上昇するのはいうまでも無い事だろう。
リンにもそんな変化が訪れている。俺と身体を重ねる度、顔を真っ赤にしてまるで恋人を慈しむ様な表情を魅せる。
俺の優先事項はアイツ等に復讐する事。1日足りとも忘れる事は無い。だが巨大で真っ黒な復讐という闇に2筋の優しい光が少しだけ…ほんの少しだけ差し込むのも悪くないと思ってしまう自分がいた。そんなある日の出来事…
───
『トントン』
「今開けますのでお待ち下さい」
『ガチャ』
「お待たせしました。当家に何か御用で「リン」!?…カール…」
「リンが出てくれて良かったよ。貴族様の家は中々行く機会が無いし何て言おうか緊張してたから」
「何かあったの?」
「いや、別に何も無いんだけど、ほら、最近実家にも帰っていなかっただろ?んで、なんつうか心配になって…」
「私の事なら心配しなくても大丈夫よ。ちゃんとこの通り元気にやってるから」
「でも…俺もたまにはお前の顔…あ、幼なじみだろ俺達?だから、いつも一緒に遊んでたからたまにはどうかなとか思って」
「私は…『リン、どうした?俺に客か?』…セイヤ様!」
「いえ、暫く実家に帰っていなかったものですから幼なじみが訪ねて参りました。申し訳ありません」
「…そうか。時間はまだ掛かるか?リンに話があるのだが」
「いえ、話はもう終わりました。すぐに部屋に参ります」
「分かった、先に部屋に戻る」
「はい、セイヤ様」
「ちょっと待て、いや、待って下さい。丁度貴方にもお話があるんです!」
「やめてカール。セイヤ様に失礼よ!」
「何だ?」
「もう少しリンを家に帰してやって貰えませんか?」
「カール!」
「リンは少し黙ってくれ!俺はこの貴族の人と話をしているんだ!」
「…カールといったか?」
「はい」
「何故リンを帰さないといけないのだ。リンにはこの屋敷に住み込みで働いて貰っているし、俺の全ての世話をして貰っている。それに貴様には関係の無い事だ」
「!?」
「…いや、関係はある。俺はリンの幼なじみだし…何より実家に帰って来ないのはおかしいだろ!」
「ふむ。リンの親からは何も聞いていないのか?」
「何をだよ?」
「リンは俺が貰った。リンにもリンの両親にも話はつけている。ただの幼なじみの貴様にはこれ以上関わる意味が無いだろ」
「えっ?」
「話は以上だ。今度こそ俺は部屋へ戻るぞ。貴様も早くここから立ち去れ!そして2度と俺達の前にその顔を見せるな!!」
「リンを貰ったって何だよ!お前何を言ってるんだ!おかしいだろ!!!リンがそんな事承諾する訳が無い!」
「うるさい男だ。仕方無い特別に証拠を見せてやる。リン分かるな?」
「はい、セイヤ様……ちゅっ…ん」
「なんで…なんでそんな奴に、リンがキスするんだ!リンは、リンは俺の、俺の…」
カールが突然ナイフを取り出し今にも俺を殺そうとしている…
俺はリンに少し離れる様指示。
アイテムボックスから鋼の剣を取り出し構える。
「貴族の俺に生意気な口を聞きナイフを手に俺を殺そうとしている狼藉死をもちて償え」
「うわあぁぁぁぁぁぁあ」
『シュッ』
ナイフで刺し殺そうと突進して来たカールを簡単に躱しすれ違い様に袈裟斬り、カールの身体は地面にずれ落ちた。
『シャドウフレイム』
カールの遺体を闇の炎で燃やし尽くす。散らばった血液も闇の炎で蒸発。
後に残ったモノはごく少量の煤。
「リン。そこのゴミをはわいてから俺の部屋に来い。俺は先に戻る」
「はい、セイヤ様」
─────
セイヤ様が部屋へ戻られた。私も早くこのカールを処理して向かわなければ!
「ふふっ、それにしても本当に馬鹿なカール。私のセイヤ様に逆らうなんて…死んで当然だわ」
ゴミ掃除をしていた私は何故か片目から涙が1滴零れ堕ちる…
「ゴミが目に入ったのかしら」
スッと袖元で拭い、ゴミ掃除を終わらせた私は急いでセイヤ様の元へ向かった。
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