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第四章
新しい出会い
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結婚式等の全ての行事が終わった後、暫く王都に滞在して、ティア達との時間を大切にしていたある日の事だ。
「エルが王都に滞在しているんだから、今のうちに男同士出掛けようよ。また、暫く会えなくなるだろうしね」
その言葉にそれもそうだなと思い、ティア達に許可を貰って出掛ける事になった。
「ランス…分かっているとは思うけど、くれぐれもエルに迷惑かけないようにね?」
「僕が迷惑掛ける前提なのは何故っ!?」
「リーンさんから聞いてるわよ?身重のリーンさんを放って娼館に行き浸っていたそうじゃない?」
「な、何故っ それをっ!?」
「くすくす…さぁ、何故かしら?」
そりゃあ、ティアとリーンさんが手紙のやり取りをしているらしいし、それは当然だろうな。ランスはその事を知らなかったのか。
それに何やら妊活隊にランスを入隊させる動きがあると聞いた事もあるしな。
「ば、バレてるなら仕方がないね。娼館に行くのにはちゃんと理由があるのだよ」
「どうせつまらない理由でしょっ?」
「次世代のパイドルを…「エル、早くこの変態を連れて行ってくれる?お腹の中の子に聴こえたら大変だから…」……」
「あ、ああ、了解。なるべく早く帰ってくるから」
「うん、待ってる ちゅっ♡」
ティアに行って来ますのキスをしていると、ミリア達もキスをせがむのでみんなと唇を交わしてからランスを引き連れ、泊まっている宿を後にした。
♢
「それで…どこに行くんだ?」
「とりあえず付いて来てよ、エル」
王都の大通りをランスと他愛ない話をしながら歩いていると、途中から大通りを外れ路地へと入り路地裏へと抜ける。この通りは初めて来たなと思っていると一件の大きめの建物の前でランスが足を止めた。
「着いたよ、エル」
「ここは?」
「まあ、中に入れば分かるよ」
そのままランスに連れられる様に店の中へ。中に入ると店内の中央には赤い絨毯が敷かれていて、その絨毯の左右に十人ずつ位の着飾られた女性達が椅子に座ったまま、一斉にいらっしゃいませと言って、とびきりの笑顔をこちらに向けてくる。そしてその声を聞きつけたと思われる女性の店員が店の奥から絨毯の上を急ぎ足でこちらへとやって来たのだった。
「これはこれは、ランス様。ようこそ、おいで下さいました」
「こっちはエル。知ってるよね?」
「当然存じ上げております。ようこそ、いらっしゃってくれました、エル様。わたくしはこの奴隷商を営むアムと申します。以後お見知り置きを」
「どうも…」
奴隷商に連れて来られるとは聞いてないぞ、ランス?これティアに怒られないか?怒られたら恨むぞ?
「アム。頼んでいた奴隷はどうなった?」
ランスの奴…奴隷を購入するのかよ。リーンさんは知ってるんだよな?流石に内緒では買わないよな…。不安だ…。
「はい、準備出来ております」
「見せてもらおうか?そのおっぱいの性能とやらを…」
なんだよ、おっぱいの性能って?大きさか?また大きさなのか?それとも張りか?形か?
「はい、お任せ下さいませ。今からその奴隷に準備させて参りますのでこの者達と自由にお話されてお待ち下さいませ。お気に召す奴隷がいましたらその奴隷も宜しくお願いしますね」
アムさんはそう言って店の奥へと消える。奴隷の女性達がここぞとばかりに話掛けてくる。ランスは…相変わらず胸から女性を見ているようだ。
「どうだい、エル。君も奴隷を買ったら?人手はいくらあってもいいんじゃないかい?」
まあ、確かにそれはあるんだけど…ウーシェンが居るし、ウーシェンが人手もかき集めてくれるしな。女性達にふと視線を向けると一際小さな女性が目につく。頭の耳と尻尾の形からして…牛を女人化した様な子供?
俺はその子の元へ。なんとなく気になったんだ。
「名前を聞いても?」
「ウルだよぅ~」
のほほ~んとした口調。身長は多分140センチ位かな?髪型はボブ。色は鮮やかな黒と白のツートンカラー。
「ウルちゃんはどうしてここに?」
「ええっとぅ~ 忘れちゃったよぅ~」
「…そっかあ」
もしかしたら辛い事があってここに来たのかも知れない…。
「エル、その子を買うのかい?」
「……」
「胸は……ないみたいだね」
「お前は胸ばかり見るんじゃないよ!?」
「何を言ってるの?おっぱいこそ至宝だよ?この世の全てだよ?」
「お前の場合は巨乳専なだけだろ?」
「巨乳…専…だって!?な、何かとてもいい言葉だね?」
「…(何を言っても無駄か)」
そんな馬鹿話をしていると、店の奥からアムさんが女性を一人連れて来た。なるほどな。あんなカップを持つ女性は見た事ないぞという感じの大人の女性だ。
「むほぅぅ!?」
ランスよ。なんだか出てはいけない言葉が出ていると思うぞ?なんならお前以外のこの場に居るみんなひいてる気がするぞ?
「え、エル様はどうされますか?」
そんな空気を変えたかったのかアムさんが口を開く。
「俺は……そうですね。この子をお願い出来ますか?」
「! 承知しました。では、ウル。店の奥へ」
「はいぃ~」
そしてアムさんがウルを連れて店の奥へ向かった後、店のドアが開き当然の様に奴が現れたのだった。
「エルが王都に滞在しているんだから、今のうちに男同士出掛けようよ。また、暫く会えなくなるだろうしね」
その言葉にそれもそうだなと思い、ティア達に許可を貰って出掛ける事になった。
「ランス…分かっているとは思うけど、くれぐれもエルに迷惑かけないようにね?」
「僕が迷惑掛ける前提なのは何故っ!?」
「リーンさんから聞いてるわよ?身重のリーンさんを放って娼館に行き浸っていたそうじゃない?」
「な、何故っ それをっ!?」
「くすくす…さぁ、何故かしら?」
そりゃあ、ティアとリーンさんが手紙のやり取りをしているらしいし、それは当然だろうな。ランスはその事を知らなかったのか。
それに何やら妊活隊にランスを入隊させる動きがあると聞いた事もあるしな。
「ば、バレてるなら仕方がないね。娼館に行くのにはちゃんと理由があるのだよ」
「どうせつまらない理由でしょっ?」
「次世代のパイドルを…「エル、早くこの変態を連れて行ってくれる?お腹の中の子に聴こえたら大変だから…」……」
「あ、ああ、了解。なるべく早く帰ってくるから」
「うん、待ってる ちゅっ♡」
ティアに行って来ますのキスをしていると、ミリア達もキスをせがむのでみんなと唇を交わしてからランスを引き連れ、泊まっている宿を後にした。
♢
「それで…どこに行くんだ?」
「とりあえず付いて来てよ、エル」
王都の大通りをランスと他愛ない話をしながら歩いていると、途中から大通りを外れ路地へと入り路地裏へと抜ける。この通りは初めて来たなと思っていると一件の大きめの建物の前でランスが足を止めた。
「着いたよ、エル」
「ここは?」
「まあ、中に入れば分かるよ」
そのままランスに連れられる様に店の中へ。中に入ると店内の中央には赤い絨毯が敷かれていて、その絨毯の左右に十人ずつ位の着飾られた女性達が椅子に座ったまま、一斉にいらっしゃいませと言って、とびきりの笑顔をこちらに向けてくる。そしてその声を聞きつけたと思われる女性の店員が店の奥から絨毯の上を急ぎ足でこちらへとやって来たのだった。
「これはこれは、ランス様。ようこそ、おいで下さいました」
「こっちはエル。知ってるよね?」
「当然存じ上げております。ようこそ、いらっしゃってくれました、エル様。わたくしはこの奴隷商を営むアムと申します。以後お見知り置きを」
「どうも…」
奴隷商に連れて来られるとは聞いてないぞ、ランス?これティアに怒られないか?怒られたら恨むぞ?
「アム。頼んでいた奴隷はどうなった?」
ランスの奴…奴隷を購入するのかよ。リーンさんは知ってるんだよな?流石に内緒では買わないよな…。不安だ…。
「はい、準備出来ております」
「見せてもらおうか?そのおっぱいの性能とやらを…」
なんだよ、おっぱいの性能って?大きさか?また大きさなのか?それとも張りか?形か?
「はい、お任せ下さいませ。今からその奴隷に準備させて参りますのでこの者達と自由にお話されてお待ち下さいませ。お気に召す奴隷がいましたらその奴隷も宜しくお願いしますね」
アムさんはそう言って店の奥へと消える。奴隷の女性達がここぞとばかりに話掛けてくる。ランスは…相変わらず胸から女性を見ているようだ。
「どうだい、エル。君も奴隷を買ったら?人手はいくらあってもいいんじゃないかい?」
まあ、確かにそれはあるんだけど…ウーシェンが居るし、ウーシェンが人手もかき集めてくれるしな。女性達にふと視線を向けると一際小さな女性が目につく。頭の耳と尻尾の形からして…牛を女人化した様な子供?
俺はその子の元へ。なんとなく気になったんだ。
「名前を聞いても?」
「ウルだよぅ~」
のほほ~んとした口調。身長は多分140センチ位かな?髪型はボブ。色は鮮やかな黒と白のツートンカラー。
「ウルちゃんはどうしてここに?」
「ええっとぅ~ 忘れちゃったよぅ~」
「…そっかあ」
もしかしたら辛い事があってここに来たのかも知れない…。
「エル、その子を買うのかい?」
「……」
「胸は……ないみたいだね」
「お前は胸ばかり見るんじゃないよ!?」
「何を言ってるの?おっぱいこそ至宝だよ?この世の全てだよ?」
「お前の場合は巨乳専なだけだろ?」
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「…(何を言っても無駄か)」
そんな馬鹿話をしていると、店の奥からアムさんが女性を一人連れて来た。なるほどな。あんなカップを持つ女性は見た事ないぞという感じの大人の女性だ。
「むほぅぅ!?」
ランスよ。なんだか出てはいけない言葉が出ていると思うぞ?なんならお前以外のこの場に居るみんなひいてる気がするぞ?
「え、エル様はどうされますか?」
そんな空気を変えたかったのかアムさんが口を開く。
「俺は……そうですね。この子をお願い出来ますか?」
「! 承知しました。では、ウル。店の奥へ」
「はいぃ~」
そしてアムさんがウルを連れて店の奥へ向かった後、店のドアが開き当然の様に奴が現れたのだった。
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