86 / 140
第四章
レイラに想いを伝える
しおりを挟む
ミリアと結ばれた後、俺の寝所にはティアとミリアが交互に訪れる様になっていた。そんなある日…
「ティア」
「んっ?な~に、エル」
「今日の夜の事なんだけど…」
「…なるほど…了解。今日はエルの元には行かない様にするね?」
「…まだ何も言ってないんだけど?」
「エルの事なら分かるよ?」
ティアには全てお見通しというわけね。隠し事は出来そうにないな。まあ、する気はないんだけど…。
「その代わり…」
「うん?」
「今…キスして欲しいな」
その可愛い要望にお応えして軽く唇を合わせる。
「次の夜は…いっぱい愛してね?」
「了解」
その日の夜は一人で眠りについた。そして次の日の朝早くの事。まだ外は薄暗いなか俺の部屋にそぉ~っと、やって来た女性が…。
「…エル様…今日も血をもらいますね?」
小声でそう呟き、俺が横になっているベッドへと近付いて来たのはレイラだ。
「いいよ」
俺は上半身を起こし、そうレイラに伝える。
「お、起こしてしまいましたかっ!?ご、ごめんなさい、エル様っ!」
「謝らなくていいからね?昨日は早めに眠りについたんだよ。レイラが俺の血を貰いに来たら起きようと思って」
「…ええっと…私を…待ってたという事でしょうか?」
「そうだよ。とりあえず先に血をどうぞ?」
「ひゃ、ひゃい…し、失礼します」
俺の太ももに跨がる様に腰を下ろし、カプッと可愛く俺の首筋へと噛み付いて血を啜る。吸血族にとって無くてはならない一日一回の血の摂取をする為だ。レイラの母親であるカミラさんも屋敷の人達、もしくは俺から血をもらって摂取している。レイラだけは毎日俺から直接摂取している。摂取する血の量はごく少量だし問題ない…。
まあ、問題があるとすれば、血を吸った後にレイラはその余韻に浸りながら色っぽい声を出して甘噛を繰り返してくる事だろう。
「んっ…はむっ…はむっ…エリュしゃま♡エリュしゃま♡ はむっはむっ…」
後から聞いた話になるんだけど、愛する人から血を直接啜るのは、性欲を爆発的に高める効果があるとの事だった。
それを裏付けるかの様にレイラは俺の太ももに何とは敢えて言わないが擦り付けてくる。するとどうなるかと言うとその部分が湿って濡れて来たのだ。いち早く俺はそれに気付いて、少し遅れて我に返ったレイラも気付いた。その事に気付いたレイラは顔をゆでダコの様に真っ赤に染め上げ…
「ももももも、申し訳ありません!わ、わたし…にゃにゃにゃにゃ、にゃんて事を…」
慌てて飛び退こうとするレイラを抱き締めて落ち着ついてと俺は言った。抱き締められた事にもパニクっていたものの、やがてレイラは落ち着きを取り戻して俺の背にそぉ~っと腕を回してきた。
「あ、あの…エル様?」
「うん?」
「こ、こいつ主人の太ももで何してんの?とか…え、エッチな女だな?とか…その…お、思いませんでしたか?」
恐る恐るレイラはそう言葉を切り出した。
「思ってないよ」
レイラの言葉に、そう言葉を返す。
「で、では…そにょお…あの…私は何で…エル様に抱き締められてるのでしょうか?これは夢ですか?もしかして恥ずかしい所を見られて…私は都合の良い夢を見てるのでしょうか?」
「夢じゃないよ」
「え、ええっと…でしたら…」
「レイラ…」
「は、はい!?」
「俺の3人目の婚約者になって欲しい」
「……………えっ?」
「嫌?」
「えっ?えっ?えっ!?ゆ…め?」
「これでもかなり勇気を振り絞って言ってるんだよ? ああ…ごめん…これをまず言って無かったね…好きだよ、レイラ。だから俺の婚約者になって欲しい」
「ぁっ…ほ、ホント…に?」
「うん」
レイラの瞳から涙が流れ始めた。でもそれは嫌とかそういう涙じゃなくて…
「は、はい…ぐすっ…な、なります!婚約者になります!エル様の婚約者に…ううっ…私をして下ざい……ずっと…ずっと…お慕いしておりばした…うぇぇ~ん…」
泣いて喜んでくれるレイラを優しく慰めて、レイラが落ち着いた後、俺とレイラは体を重ねたのだった。そして…行為が終わった後、一悶着ある事を俺はこの時まだ知らないのだった。
「ティア」
「んっ?な~に、エル」
「今日の夜の事なんだけど…」
「…なるほど…了解。今日はエルの元には行かない様にするね?」
「…まだ何も言ってないんだけど?」
「エルの事なら分かるよ?」
ティアには全てお見通しというわけね。隠し事は出来そうにないな。まあ、する気はないんだけど…。
「その代わり…」
「うん?」
「今…キスして欲しいな」
その可愛い要望にお応えして軽く唇を合わせる。
「次の夜は…いっぱい愛してね?」
「了解」
その日の夜は一人で眠りについた。そして次の日の朝早くの事。まだ外は薄暗いなか俺の部屋にそぉ~っと、やって来た女性が…。
「…エル様…今日も血をもらいますね?」
小声でそう呟き、俺が横になっているベッドへと近付いて来たのはレイラだ。
「いいよ」
俺は上半身を起こし、そうレイラに伝える。
「お、起こしてしまいましたかっ!?ご、ごめんなさい、エル様っ!」
「謝らなくていいからね?昨日は早めに眠りについたんだよ。レイラが俺の血を貰いに来たら起きようと思って」
「…ええっと…私を…待ってたという事でしょうか?」
「そうだよ。とりあえず先に血をどうぞ?」
「ひゃ、ひゃい…し、失礼します」
俺の太ももに跨がる様に腰を下ろし、カプッと可愛く俺の首筋へと噛み付いて血を啜る。吸血族にとって無くてはならない一日一回の血の摂取をする為だ。レイラの母親であるカミラさんも屋敷の人達、もしくは俺から血をもらって摂取している。レイラだけは毎日俺から直接摂取している。摂取する血の量はごく少量だし問題ない…。
まあ、問題があるとすれば、血を吸った後にレイラはその余韻に浸りながら色っぽい声を出して甘噛を繰り返してくる事だろう。
「んっ…はむっ…はむっ…エリュしゃま♡エリュしゃま♡ はむっはむっ…」
後から聞いた話になるんだけど、愛する人から血を直接啜るのは、性欲を爆発的に高める効果があるとの事だった。
それを裏付けるかの様にレイラは俺の太ももに何とは敢えて言わないが擦り付けてくる。するとどうなるかと言うとその部分が湿って濡れて来たのだ。いち早く俺はそれに気付いて、少し遅れて我に返ったレイラも気付いた。その事に気付いたレイラは顔をゆでダコの様に真っ赤に染め上げ…
「ももももも、申し訳ありません!わ、わたし…にゃにゃにゃにゃ、にゃんて事を…」
慌てて飛び退こうとするレイラを抱き締めて落ち着ついてと俺は言った。抱き締められた事にもパニクっていたものの、やがてレイラは落ち着きを取り戻して俺の背にそぉ~っと腕を回してきた。
「あ、あの…エル様?」
「うん?」
「こ、こいつ主人の太ももで何してんの?とか…え、エッチな女だな?とか…その…お、思いませんでしたか?」
恐る恐るレイラはそう言葉を切り出した。
「思ってないよ」
レイラの言葉に、そう言葉を返す。
「で、では…そにょお…あの…私は何で…エル様に抱き締められてるのでしょうか?これは夢ですか?もしかして恥ずかしい所を見られて…私は都合の良い夢を見てるのでしょうか?」
「夢じゃないよ」
「え、ええっと…でしたら…」
「レイラ…」
「は、はい!?」
「俺の3人目の婚約者になって欲しい」
「……………えっ?」
「嫌?」
「えっ?えっ?えっ!?ゆ…め?」
「これでもかなり勇気を振り絞って言ってるんだよ? ああ…ごめん…これをまず言って無かったね…好きだよ、レイラ。だから俺の婚約者になって欲しい」
「ぁっ…ほ、ホント…に?」
「うん」
レイラの瞳から涙が流れ始めた。でもそれは嫌とかそういう涙じゃなくて…
「は、はい…ぐすっ…な、なります!婚約者になります!エル様の婚約者に…ううっ…私をして下ざい……ずっと…ずっと…お慕いしておりばした…うぇぇ~ん…」
泣いて喜んでくれるレイラを優しく慰めて、レイラが落ち着いた後、俺とレイラは体を重ねたのだった。そして…行為が終わった後、一悶着ある事を俺はこの時まだ知らないのだった。
250
お気に入りに追加
1,599
あなたにおすすめの小説
転生したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる