男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

文字の大きさ
上 下
69 / 140
第四章

殿下がメイド!?

しおりを挟む
「きょ、今日からごしゅっ、ご主人様のお世話をする事になった…メイドのティアラです…し、下の世話迄何でもお申し付け下さいましぇっ」

「何してんのティア?」

 今日から新しいお付きのメイドが来るという事、それに伴い俺に挨拶に来るという事で自室で待機してたんだけど現れたのはメイド服に身を包んだティアだった。この国のお姫様にメイドさせるなんて不敬じゃない!?誰の案だよ?

「わ、私はティアではありません!ティアラです。宜しくお願いします」

「いやいや…無理があるでしょっ?」

 どこからどう見てもティアなんだけどな?顔は恥ずかしさのせいかリンゴの様に真っ赤に染まっている。恥ずかしいのならそんな格好しなければいいのに…。視線もいまだにあまり合わせてくれないしな…。

「なぁ、ティア?」

「ティ、ティアラです!?私はティアラでしゅよ!?」

「俺がティアを見間違える訳ないじゃん?」

「……ふぇっ!?そ、それって…何で…」

「何でって…そりゃあ…大切な人を見間違えるなんてしないよ?」

 よっぽど瓜二つの双子とかならともかく、そうそうそっくりさんなんて居ないだろうし…。あっ、でも世の中には自分に似た人が3人は居るとかなんとか聞いた事はあるけどどうなんだろうな…。まあ、それでもティアを間違えはしないだろう…。長年の付き合いだしな…。

「大切!?大切って言ったにゃっ!?あわわっ…それって…そういう意味!?そういう意味で捉えていい!?で、でも、エルの言う事だし、鵜呑みにしてたらクララさんにまた突っ込まれそうだし、お母様にもダメ出しされそうだし、でもでも、少しは意識してくれてるよね?ここで最終手段の漢方薬を飲ませてみる?まだ早いかな?早いよね?」

 何をブツブツ言ってるんだティアは?もう少し大きな声で言ってくれないと聞き取れないんだけどな?

「新人の挨拶は終わったし?」

「エル様。新人のメイドが何やらブツブツ言ってはおりますがお気になさらない様に…」

「ちょっ!?ティアの扱いそれでいいの!?」

「そういう命令し…」
「です」

 マリンもレイラもそう答えると言う事は…陛下かクララさん辺りからの指示ということ?何の為にメイドなんて…。

「と、とにかく今日から宜しくね、エル?」

「えっ…ああ、うん」

 ティアからの挨拶に戸惑いながらも返事を返すと…

「あちゃ~しょっ」

「…これは…仕方ありません」

「えっ?えっ?何!?」

 マリンとレイラが突然ティアを壁際へと連れて行く。一体どうしたんだ!?

「ティアっち…壁に手をつくっしょっ?」

「えっ!?何でっ!?」

「メイド風情がご主人様を呼び捨てにしてはいけません。よって…心苦しいですが陛下からの命令通り罰を与えねばなりません。壁に手をついてお尻をこちらに…」

「あっ!?(私…さっき…エルを呼び捨てに…)は、はい…申し訳ありません…」

 罰!?罰って言ったよね!?それも陛下から!?あの親馬鹿の陛下がそんな指示をっ!?

「ふ、2人共待っ…」

 俺は慌ててそれを止めようと3人に駆け寄り…

「では…やるし」

 くっ…間に合わないか!?

“スッ…スルッ…ペロン…”

 俺の視界には綺麗な桃…

「「…えっ?」」

 俺とティアの声がハモる…。

 一瞬何が起こったのか分からなかった。ここで何が起きたのか改めて思い返してみるとしよう。ティアは壁に手をつき、こちらにお尻を突き出した状態でマリンに動きを封じられている。そこで俺が止めに入ろうとしたが間に合わず…レイラがティアのスカートをたくし上げ、たくし上げると同時に純白の白いショーツに手を掛け、足元迄一気に引き摺りおろす…。俺の視界にはティアの綺麗なお尻とピタリと閉じられた…

「みみみみ、見ないでぇ~!?エリュ~~!?   
 」

 部屋の中にティアのそんな叫びがこだました。罰って一体…?脱がせる必要があったか?パンティ~丸見えならぬ全て丸見え…。

「…うっ…」

「エル!?」
「エル様!?」
「エルっ!?」

 マリンとレイラは俺の様子がおかしい事にいち早く気が付いて慌ててこちらへと駆け寄りって来る。ティアも俺の様子がおかしい事に気が付いて足元迄脱ぎ下ろされていたショーツを慌てて上げている。そんなティアが色っぽく感じてしまい余計にアレが吹き出した…。

 俺は床へと座らさせられ頭をやや前に倒され鼻をつままれる。

「エル!ち、血が出てるしっ!?」
「一体何故!?エル様しっかりして下さい!」
「急にどうしたの!?病気!?」

 そう鼻血が出てしまったのだ。今までこんな事なかったのに…。まぁ、この世界がこういうのに疎くて良かったよ…。ティアのアレを見て鼻血を出したなんて知られたらどんな顔すればいいのか分からないし、マリンとレイラにも何も言われるか…。

「ん…3人共心配ない。エル様はティアの下半身を見て興奮して鼻血を出しただけ…」

「「「…えっ?」」」

「いやいや言うんじゃないよレーティ!?いつから居たのさっ!?」

「んっ…最初から、ブイッ!」

 ピースしてドヤ顔している場合かっ!?

「エル…後で聞きたい事あるし…」

「エル様…私もです…」

「えええええ、えりゅが私のを見て…」

 
 鼻血が止まったら何だか怖いな…。色々聞かれるだろうしな?何て言おうかな…。憂鬱だ。暫く一人になりたいな…。そんな風に思った今日此の頃だ。

「ん、万事オッケー!」

「オッケーじゃないからねっ!?」
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第七部開始】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界でスローライフを満喫する為に

美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます! 【※毎日18時更新中】 タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です! ※カクヨム様にも投稿しております ※イラストはAIアートイラストを使用

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

処理中です...