男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

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第三章

相対した者

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「エル様を急いで奥様の元に!!」

「ん…任せて。超急ぐ!」

「エル様を揺らさないように気を付けるアル」

「エル様エル様…本当に良かった…」

「さぁ、吹雪いているのですよ?話は後に。ティア殿下も急ぎお戻り下さいませ。そしてエル様をどうか宜しくお願いします」

「ええ。勿論です」

「メイド長はどうするアル?」

「私はの方も宜しくお願いね?」

「任せるアル」

 そして急ぎエルを抱えて船へと戻って行くティアやレーティ達。

「あなたはどこに行くつもりなのですか?」

「…気付いてたし?」

「勿論ですよ。メイドの嗜みという奴ですね。まあ、そんな事よりももう一度お聞きしましょうか。あなたはどこに行くつもりなのですか?」

「あ~しは…あ~たと戦ったから…」

「エル様に何も言わずに消えるつもりだったのですか?それとも死ぬつもりでしたか?」

「っ……あ~しはっ…」

「もう間もなく船が出航します。さぁ、

「…はっ?」

「早くしなさい?エル様を待たせるつもりですか?」

「いや…でも、あ~しは…敵で…」

「あなたが居なければ…エル様は…生きてはいなかったかも知れません。いえ、生きていなかったでしょう。まあ、私個人の意見を言わせて貰えるなら、捕らえた敵の娘を逃がしたり、人の急所を攻撃出来ないの女性は敵とは言えませんね?」

「な、なんで知ってるし!?」

「どこかの娘さんが肌の色なんかを覚えていたとは言いませんけどね?それにエル様が俺の大切な人と言ったんです。それだけで十分でしょう?あなたも聞いてたんでしょう?」

「っ!?」

「さあ、無駄話は止めて、とっとと行きますよ?それとも…エル様がお嫌いで?」
「そんな訳ないしっ!!大好きっしょっ!!!」

「それでは行きましょうか。これから色々と教えて差し上げます。メイドの嗜みをね?」

「…んっ」

 そして、マリンと言う名の少女と共に船へと戻る。そんな道すがら私はついつい余計な事を口走ってしまう。


「それにしても…エル様は一体何人の女性を堕とすおつもりなのでしょうか?私を含めて…。それにいい子とはいえ、敵だった者迄虜にしているとは…」

「あ~たもエルが好きし?」

「…今のは忘れなさい?それと、これからはあ~たじゃなくてメイド長と呼ぶように」

「了解しょっ! で、誰が好きっしょっ?」

「余計な事を口走ってしまいましたね、私とした事が…」

「誰し?誰しっ?」

「まあ、そうですね。関わった者みんなと言えばみんなでしょうね。ですが…エル様を深く愛しているに絞るとすれば…奥様に私、レーティにリンリン、レイラにカミラさん、ミリア殿下にハートネス女王様。それからミミさんに…ティア殿下。ウーシェン殿もでしょうね」

「多すぎしょっ!?」

「そしてマリンもでしょう?」

「うっ…確かにそうしょっ」

「まあ…でも…エル様なら全員幸せにして下さるでしょう」

「それも…そうしょっ。エルのエルも元気みたいだし、何人いても心配ないし」

「……………………………………ちょっと待ちなさい?」

「…えっ?」

「船に着いたらそれはもう…それはもう詳しく、隅々迄その辺の話をしてもらいます。いいですね?」

「あ…はいしっ」


 そしてはマリンから島での半年間の出来事をそれはもう詳しく聞いたのでした。興味本位で聞いた訳じゃあないですよ?エル様の為になるからこそ聞いたのです。ええ、全くもってその通りです。これもメイドの嗜みですね。
 
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