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第二章
幕間 王城の地下にて…
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~王城の地下~
王城の地下に、ある目的の為だけに作られた部屋がある。その部屋の中は何とも言えない異臭が漂い、流れたり飛び散った血痕の跡が生々しく残っている…。
そんな…拷問を行う為だけの部屋。
この部屋が使われなくなってどれ位経ったかは定かではない…。そんな部屋へと通じる扉が久方振りに開いた…。そして…
「ギャアアアーーーー!!!」
「あがっ……も…もう…やめっ…」
「ゆる…し…てっ…」
一人…また一人とこの部屋へと連れて来られては拷問にかけられる…。絶えず地下に響くのは懇願という名の痛みからくる絶叫…。
そんな部屋の中に団長のエリンと縛られた騎士団の団員が一人が連れられ入って行く。
「あ、あの…団長、一体何で私は縛られて…しかもこんな所に連れて来られたのですか…?」
「何で連れて来られた…か…。 本当に連れて来られた理由が分からないのか?」
部屋の中は血の匂い等が漂っていて、現在進行系で拷問が目の前で取り行われていた…。
「だ、団長!?じょ、冗談は…止めて…」
「全て調べはついている…」
エリンは剣を抜き団員の眼前へと剣先を突きつけた。
「…エル様を引き渡す手引きをしたうえに仲間の命を奪った罪は重いぞ?」
「っ…!?」
「娘を人質に取られていたとはいえ…やりようはいくらでもあっただろうっ!!」
「…そうですか…そこまで…知られているのですね?」
「陛下直属の影を舐めるなよ?貴様の娘を人質にしていた輩達は既に処理が済んでいる…」
「…娘はっ!娘は無事なのですかっ!?」
「…それを知りたくば貴様が知っている事、貴様が犯した非道を全て答えよっ!」
「…既にご存知だとは思いますが…娘を人質に取られて…エル様が王都に行く際に荷馬車を…あの林道で壊れる様に細工するように言われました…。そして…その際、料理か飲み物に眠り薬を盛るように言われて小瓶を預かりました…」
「…見ただけで貴様はそれが毒だと気付いた筈だろっ!」
「…はい。気付いていました。私は…私はそれが毒だと気付いたうえで…使用しました」
「背中を預け合う仲間から…そんな言葉は聞きたくは無かったな…」
「…私が後、知っている事は遙か北の国のゴールと言う貴族が関わっている事だけです…」
「…それは確かか?」
「雇われた者達の何人かがその名を口にしていたので…間違いないです…」
「…何故っ…何故それが分かった時点で私達に言わなかったっ!?」
「…誰が仲間で誰が敵か…見極められずに分からなかったからですよ…。だから…私は…仲間よりも娘を…選びました…私が知っているのは…以上です…隊長…」
「…そうか………貴様の娘は無事だ…。何か言い遺す事はあるか?」
「…背中を預け合ったみんなに…謝罪を…。どうか…娘を…どうか宜しくお願いします…」
「…分かった」
“―シュッ―! スパッ! ―――ゴッ!ゴロゴロ…”
「エリン団長」
「…なんだ?」
「彼女の娘さんは…既に亡くなっていた事は言わなくても良かったのですか?」
「…犯した罪は消えぬとはいえ……子が…親より先に逝っていたという残酷な事実は…わざわざ伝えなくてもいいだろう…違うか?」
「…そうですね」
この後《のち》、各国の同盟軍が結成され、ゴール公爵は同盟軍にその身柄を拘束される事になる。ゴール公爵はカイラを嵌めた貴族の一人でもあった事が後に判明する。
ゴール公爵は激しい拷問を受けた末、エルを連れ去る様に命じたのは前国王を暗殺して新国王となっていたアンビション国王である事を告げた…。
そして…アンビション王国と共にアンビション1世は歴史の表に現れてからわずか数年で歴史から消える事となった。
それはエルが連れ去られてから数ヶ月後の出来事だった…。
王城の地下に、ある目的の為だけに作られた部屋がある。その部屋の中は何とも言えない異臭が漂い、流れたり飛び散った血痕の跡が生々しく残っている…。
そんな…拷問を行う為だけの部屋。
この部屋が使われなくなってどれ位経ったかは定かではない…。そんな部屋へと通じる扉が久方振りに開いた…。そして…
「ギャアアアーーーー!!!」
「あがっ……も…もう…やめっ…」
「ゆる…し…てっ…」
一人…また一人とこの部屋へと連れて来られては拷問にかけられる…。絶えず地下に響くのは懇願という名の痛みからくる絶叫…。
そんな部屋の中に団長のエリンと縛られた騎士団の団員が一人が連れられ入って行く。
「あ、あの…団長、一体何で私は縛られて…しかもこんな所に連れて来られたのですか…?」
「何で連れて来られた…か…。 本当に連れて来られた理由が分からないのか?」
部屋の中は血の匂い等が漂っていて、現在進行系で拷問が目の前で取り行われていた…。
「だ、団長!?じょ、冗談は…止めて…」
「全て調べはついている…」
エリンは剣を抜き団員の眼前へと剣先を突きつけた。
「…エル様を引き渡す手引きをしたうえに仲間の命を奪った罪は重いぞ?」
「っ…!?」
「娘を人質に取られていたとはいえ…やりようはいくらでもあっただろうっ!!」
「…そうですか…そこまで…知られているのですね?」
「陛下直属の影を舐めるなよ?貴様の娘を人質にしていた輩達は既に処理が済んでいる…」
「…娘はっ!娘は無事なのですかっ!?」
「…それを知りたくば貴様が知っている事、貴様が犯した非道を全て答えよっ!」
「…既にご存知だとは思いますが…娘を人質に取られて…エル様が王都に行く際に荷馬車を…あの林道で壊れる様に細工するように言われました…。そして…その際、料理か飲み物に眠り薬を盛るように言われて小瓶を預かりました…」
「…見ただけで貴様はそれが毒だと気付いた筈だろっ!」
「…はい。気付いていました。私は…私はそれが毒だと気付いたうえで…使用しました」
「背中を預け合う仲間から…そんな言葉は聞きたくは無かったな…」
「…私が後、知っている事は遙か北の国のゴールと言う貴族が関わっている事だけです…」
「…それは確かか?」
「雇われた者達の何人かがその名を口にしていたので…間違いないです…」
「…何故っ…何故それが分かった時点で私達に言わなかったっ!?」
「…誰が仲間で誰が敵か…見極められずに分からなかったからですよ…。だから…私は…仲間よりも娘を…選びました…私が知っているのは…以上です…隊長…」
「…そうか………貴様の娘は無事だ…。何か言い遺す事はあるか?」
「…背中を預け合ったみんなに…謝罪を…。どうか…娘を…どうか宜しくお願いします…」
「…分かった」
“―シュッ―! スパッ! ―――ゴッ!ゴロゴロ…”
「エリン団長」
「…なんだ?」
「彼女の娘さんは…既に亡くなっていた事は言わなくても良かったのですか?」
「…犯した罪は消えぬとはいえ……子が…親より先に逝っていたという残酷な事実は…わざわざ伝えなくてもいいだろう…違うか?」
「…そうですね」
この後《のち》、各国の同盟軍が結成され、ゴール公爵は同盟軍にその身柄を拘束される事になる。ゴール公爵はカイラを嵌めた貴族の一人でもあった事が後に判明する。
ゴール公爵は激しい拷問を受けた末、エルを連れ去る様に命じたのは前国王を暗殺して新国王となっていたアンビション国王である事を告げた…。
そして…アンビション王国と共にアンビション1世は歴史の表に現れてからわずか数年で歴史から消える事となった。
それはエルが連れ去られてから数ヶ月後の出来事だった…。
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