男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

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第二章

Side ミミ①

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 それは私にとって。1度目は運命の出会いは私が迷子になった時。2度目は…





 私が迷子になった時に一緒にお母さんを探してくれたのは貴族だと思う女の子と同じく貴族だと思う男の子。名前はエリエールちゃんとエル君。

 のちにエリエールちゃんの本当の名前はティアちゃんという事が分かり、この国のお姫様だった事も分かった。それを私はすぐに知る事になる。

 私はティア殿下が住まれわれているこの王都に住んでいるのでその時は本当にすぐに訪れた。それはティア殿下の生誕祭の翌日の事だ。




「ミミ、今日は絶対にママの手を離しては駄目よ?」

「うん」

「…ホントに分かってる?」

「もちろんだよ、お母しゃん!」

「また迷子になったら大変なんだからね?お母さんどれ程心配したか…」

「うん…でも…」

「んっ? どうしたのミミ?」

「迷子ににゃったら、またあの男の子と女の子に会える?」

「迷子になっても絶対に会えないからね?おかしな事は考えないでね?」

「は~い」


 そんな事を言いながら、お母さんと私は買い物へと町へと出掛けて行ったの。その日はティア殿下の生誕祭の翌日という事もあり、王都にはたくさんの人でまだ賑わっていたの。当日はもっとたくさんの人が居たらしい。隣のおばちゃんがそう言っていたのを今も覚えてる。

 そんな町中を人波をかき分ける様に歩きながら必要な物を買い揃えていると、その途中で見たことある女の子の姿を見掛けた。

「あっ!エリエールちゃんだっ!」

「あっ、こら、ミミっ!」

 私はお母さんの手を離しエリエールちゃんの元へ。もちろん後からこの件は怒られちゃったけどね。

「…えっ? ミミちゃん!?」

 エリエールちゃんは少し驚いた表情をしていた。こうしてすぐに会う事になるとは思っていなかったと後から聞いた。本当に偶然ってあるんだね。

「この間はありがとう!」

「ううん、気にしないで」

 お礼を伝えているとお母さんもこちらへと駆け寄ってくる。

「あっ…この間の…」

 お母さんがそう言った瞬間…2人の女の人がお母さんの腕を掴み動きを止めて何かを言っているのが見えた。

「その女性はここに居るミミちゃんのお母さんですから大丈夫ですよ」

 エリエールちゃんがそう言うとお母さんの腕を掴んでいた2人の女性がお母さんから離れる。いつものお母さんと違い、顔色が悪いような気が…。

「…少し場所を変えましょうか。少しお話したい事が出来たのですが…ここでは…」





 私とお母さんはティアちゃんとある宿の一室へとやって来た。お母さんはずっと浮かない顔している。

「ねぇねぇ、エリエールちゃん」

「こ、これ、ミミ」

「構いません」

「す、すいません、うちの娘が。ティア殿下」

 最初はお母さんが言った事が分からなかった。すると、エリエールちゃんが、

「ごめんなさい ミミちゃん!」

「どうして謝るの?エリエールちゃん」

「私は…私の名前はエリエールじゃないから」

「えっ?」

「本当の名前はティアなの」

「それって…お姫様の」

「ミミ…この方はこの国のお姫様…ティア・レインローズ殿下であらせられるの」

「エリエールちゃんが…エリエールちゃんじゃなくて…ティア殿下?」

「本当にごめんなさい。騙すつもりじゃなかったんだけど…本当の名前を言えなくて…」

「そっかぁ…じゃあこれからは…ティア…殿下って呼ばないと…」

「待って、ミミちゃん。私と…私と友達になってティアって呼んで欲しいの」

「勿論…だけど…えっ…と、いいの…ですか?」

 いいのかな?お母さんは頭抱えてるみたいだけど。護衛の人達は…なんか温かい目で見てるみたい。

「公式の場ではない限り、2人で居る時は敬語もいらないからね?」

「うん。分かった。ティアちゃん!」

「ふふっ 良かったぁ~。ミミちゃんを騙してた感じになったから、友達になって貰えないかなぁ~って心配しっちゃった。これから宜しくね、ミミちゃん♪」

「宜しくね、ティアちゃん♪」



 こうして私達は友達になったの。それからちょくちょくティアちゃんは時間がある時には私の家へとやって来て、一緒に遊ぶようになったんだ。お母さんは平民の家にお姫様が来るということで胃が痛いとか言ってるけど、ティアちゃんはそんなの気にしないよ?大人にしか分からない何かがあるのかな?


 そして、ティアちゃんと友達になって暫く経った後、私の二度目の運命の出会いが待っていたの。



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