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第一章
Side レイラ
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私の一族は吸血族と呼ばれている。または呪われた一族や吸血鬼とも呼ばれていた。そう呼ばれるのには勿論理由がある。私の先祖が人間の生き血で湯浴みをしていた事と血を吸う相手が死ぬまでその血を吸い続けたりしたことがその要因となる。
今はその血もだいぶ薄れているので少量の生き血と普通の食事があれば生きていける。生き血が必要と言っても人を殺したり、噛み付いたりして手にいれていた血ではない。じゃあ、どうやって生き血を手にいれていたのかも話したいと思う。
まずは私達が住んでいた所はここ、アルタイル領から北にある海の向こうの大陸の遥か北の方にある国の東の領だ。そこで先祖代々侯爵位を授かり、レッドアイ侯爵家として私達は幸せに暮らしていた。
次に私達の一日を説明しようと思います。まず一日の始まりは血を貰うことから始まる。血を買う時は税を払えない人達を優先するようにして血を買っていた。 もっと言うと、うちの国は税の取り立てが厳しかった。そうなると当然払えない人が出てくる為だ。払えない領民達はどうすればいいのか悩みに悩む。 そして、そんな領民達は代々伝わってきた習わしを思い出し行動する。
『困った時は血をレッドアイ侯爵家に血を捧げよ!』
―と、いう事を…。 いつからそんな風に伝わっているのかは定かではない。その習わしの元を辿ると先祖が領民に強制的に命令していた事がどうやら始まりみたいなんだけどソレを知っているのはごく一部の吸血族だけ。
とにかくお互いが持ちつ持たれつの関係を築けていたの。 だからといって大量の血を買い取る訳にもいかない。保管も出来ないし、とれたてじゃないと意味がないからだ。その辺は不便としかいいようがない。
血をもらう時は指をナイフ等で少し傷付けてもらい、出てきた血を白い皿に垂らしてもらう…。 それを私達はその場で摂取していた。新鮮な血を頂くわけ。
そして、当然といえば当然の事だけど、私達レッドアイ侯爵家を化け物として忌み嫌っている公爵家や侯爵家等も存在している。そしてそんな人達によって私達レッドアイ侯爵家は歴史より消えてしまう事になる。
前国王が暗殺され新国王が誕生。それを機にに血を買い取っていたのを利用される形となった。 領民を騙し殺して生き血を奪ってるとか、領民を捕らえ死ぬまで生き血を啜ってるとか…色々な罪をきせられたの。
領民達はそれは違うと言ってくれたのにそれは通じず誰にも聞いてもらえず、助けて貰えなかった。
それでもなんとか私達吸血族は処刑を免れる事が出来た。でも私とお母さんは奴隷に墜とされることになった。他の吸血族の人達がどうなったかは分からない。
お母さんとは別々の奴隷商へと身柄が引き取られる事になった。 私はいくつかの奴隷商をたらい回しになった。力もなく、食い扶持だけ掛かる子供の私はどうやら余計に敬遠されるみたい。どこかでそんな話を耳にした気がする…。
私はただ…お母さんに会いたい…。もう一度お母さんに抱き締めてもらいたい。もう一度お母さんのお料理が食べたい…。そんな想いで心は溢れていた…。
そして…そんななか、私はまた別の国の奴隷商に引き取られる事になった。それはウーシェンという名の女性の奴隷商の人だ。ウーシェンさんはちゃんとした食事を食べさせてくれた。口調が荒い時もあるんだけど、2人っきりの時は奴隷の私にも優しかった。
その理由としては人前では舐められないようにしないとこの商売成り立たないとも言っていた。奴隷の立場からすればウーシェンさんと出会えたのは幸運だったと思う。
ただウーシェンさんの住んでる国は海の向こうの大陸だった為、お母さんとの距離がどんどん離れていく事になる…。二度とお母さんに会えないのではないか…。その事が私から生気を少しずつ奪っていくのを感じていた。
そんな時、ウーシェンさんと、とある村に立ち寄った時に私より年下の子供が私を買いたいと言った。遊び相手が欲しいのだろうか?
その子はなにやらウーシェンさんと取り引きをしてるかの様にも見えた。ただ、その時のその子は私より遥かに年上に感じた。
そんな風に思っていると、何かの取り引きが成立したみたいだった…。 そしてどうやら私はその子に引き取られる事になった。その時の私はまさか男の子だとは思っていなかったんだけどね…。
今はその血もだいぶ薄れているので少量の生き血と普通の食事があれば生きていける。生き血が必要と言っても人を殺したり、噛み付いたりして手にいれていた血ではない。じゃあ、どうやって生き血を手にいれていたのかも話したいと思う。
まずは私達が住んでいた所はここ、アルタイル領から北にある海の向こうの大陸の遥か北の方にある国の東の領だ。そこで先祖代々侯爵位を授かり、レッドアイ侯爵家として私達は幸せに暮らしていた。
次に私達の一日を説明しようと思います。まず一日の始まりは血を貰うことから始まる。血を買う時は税を払えない人達を優先するようにして血を買っていた。 もっと言うと、うちの国は税の取り立てが厳しかった。そうなると当然払えない人が出てくる為だ。払えない領民達はどうすればいいのか悩みに悩む。 そして、そんな領民達は代々伝わってきた習わしを思い出し行動する。
『困った時は血をレッドアイ侯爵家に血を捧げよ!』
―と、いう事を…。 いつからそんな風に伝わっているのかは定かではない。その習わしの元を辿ると先祖が領民に強制的に命令していた事がどうやら始まりみたいなんだけどソレを知っているのはごく一部の吸血族だけ。
とにかくお互いが持ちつ持たれつの関係を築けていたの。 だからといって大量の血を買い取る訳にもいかない。保管も出来ないし、とれたてじゃないと意味がないからだ。その辺は不便としかいいようがない。
血をもらう時は指をナイフ等で少し傷付けてもらい、出てきた血を白い皿に垂らしてもらう…。 それを私達はその場で摂取していた。新鮮な血を頂くわけ。
そして、当然といえば当然の事だけど、私達レッドアイ侯爵家を化け物として忌み嫌っている公爵家や侯爵家等も存在している。そしてそんな人達によって私達レッドアイ侯爵家は歴史より消えてしまう事になる。
前国王が暗殺され新国王が誕生。それを機にに血を買い取っていたのを利用される形となった。 領民を騙し殺して生き血を奪ってるとか、領民を捕らえ死ぬまで生き血を啜ってるとか…色々な罪をきせられたの。
領民達はそれは違うと言ってくれたのにそれは通じず誰にも聞いてもらえず、助けて貰えなかった。
それでもなんとか私達吸血族は処刑を免れる事が出来た。でも私とお母さんは奴隷に墜とされることになった。他の吸血族の人達がどうなったかは分からない。
お母さんとは別々の奴隷商へと身柄が引き取られる事になった。 私はいくつかの奴隷商をたらい回しになった。力もなく、食い扶持だけ掛かる子供の私はどうやら余計に敬遠されるみたい。どこかでそんな話を耳にした気がする…。
私はただ…お母さんに会いたい…。もう一度お母さんに抱き締めてもらいたい。もう一度お母さんのお料理が食べたい…。そんな想いで心は溢れていた…。
そして…そんななか、私はまた別の国の奴隷商に引き取られる事になった。それはウーシェンという名の女性の奴隷商の人だ。ウーシェンさんはちゃんとした食事を食べさせてくれた。口調が荒い時もあるんだけど、2人っきりの時は奴隷の私にも優しかった。
その理由としては人前では舐められないようにしないとこの商売成り立たないとも言っていた。奴隷の立場からすればウーシェンさんと出会えたのは幸運だったと思う。
ただウーシェンさんの住んでる国は海の向こうの大陸だった為、お母さんとの距離がどんどん離れていく事になる…。二度とお母さんに会えないのではないか…。その事が私から生気を少しずつ奪っていくのを感じていた。
そんな時、ウーシェンさんと、とある村に立ち寄った時に私より年下の子供が私を買いたいと言った。遊び相手が欲しいのだろうか?
その子はなにやらウーシェンさんと取り引きをしてるかの様にも見えた。ただ、その時のその子は私より遥かに年上に感じた。
そんな風に思っていると、何かの取り引きが成立したみたいだった…。 そしてどうやら私はその子に引き取られる事になった。その時の私はまさか男の子だとは思っていなかったんだけどね…。
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