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第一章
陛下からの手紙
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衝撃的な話を聞いて数日後の事だ。俺はというと普段通りの生活をしている。
『いや、そこはもっと色々と調べろよ』
―と、言うような声が聞こえてきそうなのだが敢えて言おう!
『そこは華麗にスルーさせてくれ!』と…。
だって俺はまだ3歳なんだぜ?あんまり変な行動やらしたらおかしいだろ?現時点でおかしいとは言わないでくれよな?中身は元高校生男子だけど…。あれ…これって、アレじゃね!?某有名アニメの『たったひとつの真実を見抜く、見た目は子供、頭脳は大人!その名は─』の名言が有名な高校生探偵とほぼ同じだよね?
─向こうは俺みたいに転生はしてないけど…。 まあ、冗談はさておき…一つ気付いた事があるんだ…。
『今更かよ!?』とかは言わないで欲しいのだが、先日この屋敷の書庫に行った時の話をさせて欲しい! 貴族の屋敷には結構な確率であると思う。。屋敷を自由に歩けるという事は色々屋敷の中を見てまわれるという事で…発見しました!屋敷の中に書庫を!
何でも母さんのお父さんが生前使っていた部屋らしいのだ…。 最初はアニメとかみたいに書庫に魔法に関する書物でも無いかと期待していたのだが…やっぱりあるわけないよね(涙)
…ここが異世界だと、薄々は思ってきているのだが悲しい事に魔法の世界ではなかった。
まあ、そんな悲しい出来事はさておき、問題は書物に書かれた文字。見た事も無い文字や数字にも関わらず解るのだ…。これはアレだね…。やっぱり転生チートという奴だね。それが分かった事だ。 えっ…大した事じゃないじゃないかって? だから最初に言ったじゃん…。今更かよとかは言わないで欲しい…って。
でもそのお陰で殆んど発展して無い事も分かった。 また、動物の生態系に関して分かった事は現世とそこまで変わらない事も分かった。 ただし…現世では絶滅した筈のマンモス等がこちらの世界にはいる。この地方にはいないみたいだけど…。 最近分かった事はこれ位かな。
また何か分かったら報告するよ。─って、誰に言ってるんだろうな、俺は。
─で、回想は終わりという事で意識を現実へと戻した俺なんだけど…
“ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャ…!”
外から何やらガチャガチャと、音が聞こえてくるんだよね。何事かと二階の窓から外の様子を窺うと、いつの間にか鎧や兜を装着して槍や斧を持ち、腰には剣を携えている人達がこの屋敷を取り囲んでいるではないか…。
「…大変だ…誰かが攻めてきた…?」
まさか…俺を狙って?俺は母さんの元へと急いで向かった…。
♢
─するとなんて事はなかった…。鎧を装着してる人達はみんな女性。しかも王国から派遣された騎士団の人達だった。くっ…恥ずかしい。
俺を狙って?とか、中2病発言迄思ってしまった…。幸いにも心の中で思っていただけなのでギリギリセーフにして欲しい…。
「これはこちらに宜しいでしょうか?」
「はい…こちらにお願いします」
何やら騎士の女性達が家の中へと結構な大きさの木箱を運び込んでいる。それらはミーニャがこちらにとお願いした場所に積み上げられていく。後で聞いた話なんだけど木箱の中身はお金や食物等が入ってたんだって…。何でも男の子を産んだ報奨の品々だそうだ…。
その間、俺と母さんは騎士団の団長さんと話をする事になった。
「はじめに…この度は男児の出産おめでとうございます、マリア様!」
「ありがとう、エリン。ここには私達しかいないのだから堅苦しい形式はいらないわよ?」
「…そういう訳にもいかないと思いますけど…」
母さんと騎士団長のエリンさんという女性とはどうやら知り合いみたいだ。
「もしかしてそちらの御子が?」
「ええ、私の息子のエルよ」
「はじめましてエリン様」
エリンさんに挨拶すると彼女は俺の前にひざまずいた。そしてその口を開いた。
「私に様付けは要りませんよ!?どうぞエリンとお呼び下さいませ!」
流石に呼び捨てはね… 。
「え~と、じゃあ、エリンさん」
「さんもいらないのです、エル様―」
追いすがる様にそう伝えてくるエリンさんに苦笑いしながら困っていると母さんが助け舟の様に話を振ってくれた。
「そういえばエリンは報奨品を持って来ただけなの?」
「いえ、こちらも預かってきております」
エリンさんから母さんに差し出されたのは高そうな封筒みたいなもの。封は蝋の様なモノで固められ、豪華な印鑑みたいなものがそれに刻まれている。とにかく母さんはそれを受け取ると封を切り、早速目を通し始める。
「……そうなのね」
「何と書かれていたのかお聞きしても良いですか、お母様?」
「いつも通りの呼び方でいいからね、エル?それで、手紙に書かれてる事はエルに関係することよ」
「…僕に?」
「陛下に…この国の王様に三年前初めての御子が誕生したの」
「三年前…」
僕と同じ歳か…
「女の子なんだけどね…」
女の子っていうと姫様って事か。一体どんなお姫様なんだろうな?
「─で、顔見せ…簡単に言えば誕生日パーティーが催される為、出席して欲しいということね」
なるほど…誕生日に人を集めて祝うという事か。
「道中の護衛は我々にお任せを」
話を聞く限り、俺達は近い内にどうやら王城へと向かう事になるみたいだ…。お姫様に会うのは楽しみだけど、出来れば男性にも会ってみたいものだ…。
─それから3日後…俺達は王城へと向かった。
『いや、そこはもっと色々と調べろよ』
―と、言うような声が聞こえてきそうなのだが敢えて言おう!
『そこは華麗にスルーさせてくれ!』と…。
だって俺はまだ3歳なんだぜ?あんまり変な行動やらしたらおかしいだろ?現時点でおかしいとは言わないでくれよな?中身は元高校生男子だけど…。あれ…これって、アレじゃね!?某有名アニメの『たったひとつの真実を見抜く、見た目は子供、頭脳は大人!その名は─』の名言が有名な高校生探偵とほぼ同じだよね?
─向こうは俺みたいに転生はしてないけど…。 まあ、冗談はさておき…一つ気付いた事があるんだ…。
『今更かよ!?』とかは言わないで欲しいのだが、先日この屋敷の書庫に行った時の話をさせて欲しい! 貴族の屋敷には結構な確率であると思う。。屋敷を自由に歩けるという事は色々屋敷の中を見てまわれるという事で…発見しました!屋敷の中に書庫を!
何でも母さんのお父さんが生前使っていた部屋らしいのだ…。 最初はアニメとかみたいに書庫に魔法に関する書物でも無いかと期待していたのだが…やっぱりあるわけないよね(涙)
…ここが異世界だと、薄々は思ってきているのだが悲しい事に魔法の世界ではなかった。
まあ、そんな悲しい出来事はさておき、問題は書物に書かれた文字。見た事も無い文字や数字にも関わらず解るのだ…。これはアレだね…。やっぱり転生チートという奴だね。それが分かった事だ。 えっ…大した事じゃないじゃないかって? だから最初に言ったじゃん…。今更かよとかは言わないで欲しい…って。
でもそのお陰で殆んど発展して無い事も分かった。 また、動物の生態系に関して分かった事は現世とそこまで変わらない事も分かった。 ただし…現世では絶滅した筈のマンモス等がこちらの世界にはいる。この地方にはいないみたいだけど…。 最近分かった事はこれ位かな。
また何か分かったら報告するよ。─って、誰に言ってるんだろうな、俺は。
─で、回想は終わりという事で意識を現実へと戻した俺なんだけど…
“ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャ…!”
外から何やらガチャガチャと、音が聞こえてくるんだよね。何事かと二階の窓から外の様子を窺うと、いつの間にか鎧や兜を装着して槍や斧を持ち、腰には剣を携えている人達がこの屋敷を取り囲んでいるではないか…。
「…大変だ…誰かが攻めてきた…?」
まさか…俺を狙って?俺は母さんの元へと急いで向かった…。
♢
─するとなんて事はなかった…。鎧を装着してる人達はみんな女性。しかも王国から派遣された騎士団の人達だった。くっ…恥ずかしい。
俺を狙って?とか、中2病発言迄思ってしまった…。幸いにも心の中で思っていただけなのでギリギリセーフにして欲しい…。
「これはこちらに宜しいでしょうか?」
「はい…こちらにお願いします」
何やら騎士の女性達が家の中へと結構な大きさの木箱を運び込んでいる。それらはミーニャがこちらにとお願いした場所に積み上げられていく。後で聞いた話なんだけど木箱の中身はお金や食物等が入ってたんだって…。何でも男の子を産んだ報奨の品々だそうだ…。
その間、俺と母さんは騎士団の団長さんと話をする事になった。
「はじめに…この度は男児の出産おめでとうございます、マリア様!」
「ありがとう、エリン。ここには私達しかいないのだから堅苦しい形式はいらないわよ?」
「…そういう訳にもいかないと思いますけど…」
母さんと騎士団長のエリンさんという女性とはどうやら知り合いみたいだ。
「もしかしてそちらの御子が?」
「ええ、私の息子のエルよ」
「はじめましてエリン様」
エリンさんに挨拶すると彼女は俺の前にひざまずいた。そしてその口を開いた。
「私に様付けは要りませんよ!?どうぞエリンとお呼び下さいませ!」
流石に呼び捨てはね… 。
「え~と、じゃあ、エリンさん」
「さんもいらないのです、エル様―」
追いすがる様にそう伝えてくるエリンさんに苦笑いしながら困っていると母さんが助け舟の様に話を振ってくれた。
「そういえばエリンは報奨品を持って来ただけなの?」
「いえ、こちらも預かってきております」
エリンさんから母さんに差し出されたのは高そうな封筒みたいなもの。封は蝋の様なモノで固められ、豪華な印鑑みたいなものがそれに刻まれている。とにかく母さんはそれを受け取ると封を切り、早速目を通し始める。
「……そうなのね」
「何と書かれていたのかお聞きしても良いですか、お母様?」
「いつも通りの呼び方でいいからね、エル?それで、手紙に書かれてる事はエルに関係することよ」
「…僕に?」
「陛下に…この国の王様に三年前初めての御子が誕生したの」
「三年前…」
僕と同じ歳か…
「女の子なんだけどね…」
女の子っていうと姫様って事か。一体どんなお姫様なんだろうな?
「─で、顔見せ…簡単に言えば誕生日パーティーが催される為、出席して欲しいということね」
なるほど…誕生日に人を集めて祝うという事か。
「道中の護衛は我々にお任せを」
話を聞く限り、俺達は近い内にどうやら王城へと向かう事になるみたいだ…。お姫様に会うのは楽しみだけど、出来れば男性にも会ってみたいものだ…。
─それから3日後…俺達は王城へと向かった。
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