貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

二人目

「雑魚せ～んぱいっ♡」 

「んっ？どうした？」 

　大きなお腹を大事に抱えるようにしながら手を添えて俺の元にやって来たのは伊代だ。伊代もそろそろ出産の予定日が近いんだよな。

「伊代は陣痛はまだだよな？」 

「心配ですかっ！？心配なんですねっ♪しょうがないなぁ～雑魚先輩はっ♡もう…私を大好き大好き大好き大好き大好き過ぎてたまらないんですよね！？」 

「それはそうだろう」 

　大好きという言葉を何度も強調しながら言わなくてもその通りだからな？ふっ…昔の俺とは違うんだぞ？ 

「そ、そこは…昔みたいにツッコんでもいいのに…そんなに素直に返されると…照れちゃうじゃないですか…」 

「照れてる伊代は可愛からな」 

「もぅ…♡でも…嬉しいです…豊和先輩がそんな風に言うから…ほら…」 

　俺の手を取り自身の下腹部へといざなう伊代…。 

「私をこんなにした責任…とってくれますよね…♡」 

「そりゃあ…激しくしないけど…責任はとるぞ？」 

「来て下さい…先輩…♡」 

　って…なんだか…いつも違うような… 

「なぁ…伊代」 

「なんですか？このタイミングで焦らすつもりですかっ！？ざ、雑魚先輩はこれだから…」 

「そういうつもりはないんだけど…」 

「はっ！？コレが焦らしプレイっ！？や、やりますね…雑魚先輩の癖に…私を焦らして焦らして…もっと濡れさせるなんて…」 

「そうじゃなくて…破水…じゃあないよな？」 

「…えっ？」 

「予定日は何日か先だし…って…伊代？」 

「…先輩っ…」 

「まさか…」 

「破水しちゃったかも…言われたら痛みも感じるし…テヘっ♡」 

「うぉーい！？テヘっ♡じゃあないんだよっ！？やっぱり破水かっ！？」 

「間違いないかも…？」 

「とにかく落ち着け！」 

「私は落ち着いてますよ！？」 

「こんな時の父さんだ！？」 

　俺は電話を取り出しポチッとな！ 

「…お義父さんをドラ◯もんみたいに…」

「父さんが言ったからいいんだよ！？あっ！？父さん！？」 

『分かってる！車を出せばいいんだろう？』 

「話が早くて助かる！！」 




　まぁ…そんなわけで… 

「おぎゃあー！おぎゃあー！おぎゃあー！」 

　元気な女の子が誕生したんだ。名前はヨヨ。お互いの名前から一文字ずつ取ったんだ。とよの【よ】と、いよの【よ】でヨヨ。漢字で書くと夜々だけどな。とにかく母子ともに健康だ。 

「ありがとう。伊代」 

「はい…先輩」 

　本当にお疲れ様。そして…本当にありがとうな。伊代。