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出産
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いつも通りの日常。その日が近い事も分かっていた。もっと言うと気がけていたつもりだった。
「…っ!?」
「んっ? どうかしたのか真冬?」
「…お兄ちゃん」
お腹に手をあてがう真冬…
「もしかしてっ!?」
「うん…陣痛が始まったみたい…」
えらいこっちゃっ!?慌てふためいてしまう俺。俺の意見だけど、男ってこういう時慌ててしまうよな!?前もってその日が来る事も分かっててもこうなるよなっ!?こういう時って逆に女性の方が冷静じゃないか?真冬はそうだった。
「とりあえず…お父さんを呼んでくれる?」
「おっ、おう!すっ、すぐに呼んでくる」
父さんが実家でスタンバっててくれてるんだった。陣痛が始まったら呼べよって言われてるんだった。とりあえず速攻で父さんに電話する事に。
「あっ、父さんっ!?生まれる!?」
『落ち着け!父さんは生まれてるからな?とりあえず言いたい事は分かったし、すぐに行くから待ってろ』
流石経験者だな。落ち着いてるわ。俺は父さんが来るまでの間、真冬の傍で真冬を気がける事に。前もって病院に行く準備は済ませておいてよかったわ。本当に…。まあ、母さんから聞いてそうしたんだけどな。
♢
どのくらいの時間待っただろうか。こんなにも長いと不安やらなんやらが一斉に押し寄せてくるようなそんな感じ…。待合室で父さんと二人そんな時間を過ごしていた。不意に父さんが俺に声を掛ける。俺のそんな不安やらを察して気がけてくれたんだろう。
「…そんなに心配するな。まあ、気持ちは分かるけどな。俺もお前が生まれた時はそういう感じだったし」
「父さん」
「なによりお前が思っている以上に女性は強いぞ?男なら耐えられん痛みっていうしな」
それは耳にした事がある。男なら耐えられないってよく聞くよな。まあ、信じるしかないし、信じるしか出来ないんだけどな。
「ほら…生まれたようだぞ」
父さんが首をクイッとした方向に視線を向けると看護婦さんがこちらへと向かってくる。
「生まれましたよ!奥様も元気ですよ!今、お子さんに授乳中です」
その言葉を聞くと同時に良かったという気持ちと嬉しさが込み上げてくる。
「さあ、行ってこい。父さんはもうしばらくしてから行くから」
俺は父さんに了承の返事をすると同時に駆け出して…看護婦さんから怒られてしまう。まあ、病院の中は駆けたらいけないわな。まあ、とにかく真冬の元へと向かう。
♢
「真冬っ」
「お兄ちゃん」
病室に着いた時、真冬は赤ちゃんを抱き抱えて授乳中だった。その光景というか母性溢れるその姿というか…とにかく真冬と赤ちゃんに目を、心を奪われてしまう。
「お疲れ様…それと…ありがとうな」
「うん♪私とお兄ちゃんの子供だよ♪ものすごい勢いでおっぱいを飲んでるよ!まるでお兄ちゃんみたいだね♡」
後半の余計な言葉はいらないんだぞ?この雰囲気を壊すんじゃないよ、全く…。
「ホント可愛いな」
「当然だよ!私とお兄ちゃんの子供だもん。あっ…飲み終えたみたい」
ゲップを出してそのまま真冬に優しく抱き抱えられる我が子。ふと視線が我が子の股間へと向かう。
「っ!? 男の子かっ!?」
性別は内緒だったからな。この瞬間にようやく分かったわけだ。俺と同じものがぶら下がっているしな。
「まだまだまだお兄ちゃんに比べると小さいけどね」
「そういうのは言わなくていいんだよ」
まだ赤ちゃんだし小さいのは当たり前だろうに。
「てへっ♪」
まあ、真冬の笑い方が可愛いからいいけどな。 とにかくこうして俺の子供が生まれたわけだな。最初の子は男の子。名前は和真。安直だけど俺達の名前の漢字から一文字ずつ取ったんだ。いい名前だろ?しかもとっても可愛いんだぜ?婿にはやらんって言いたくなるくらいだ。
そんなわけでここから嫁さん達の出産ラッシュッが始まるんだ。
「…っ!?」
「んっ? どうかしたのか真冬?」
「…お兄ちゃん」
お腹に手をあてがう真冬…
「もしかしてっ!?」
「うん…陣痛が始まったみたい…」
えらいこっちゃっ!?慌てふためいてしまう俺。俺の意見だけど、男ってこういう時慌ててしまうよな!?前もってその日が来る事も分かっててもこうなるよなっ!?こういう時って逆に女性の方が冷静じゃないか?真冬はそうだった。
「とりあえず…お父さんを呼んでくれる?」
「おっ、おう!すっ、すぐに呼んでくる」
父さんが実家でスタンバっててくれてるんだった。陣痛が始まったら呼べよって言われてるんだった。とりあえず速攻で父さんに電話する事に。
「あっ、父さんっ!?生まれる!?」
『落ち着け!父さんは生まれてるからな?とりあえず言いたい事は分かったし、すぐに行くから待ってろ』
流石経験者だな。落ち着いてるわ。俺は父さんが来るまでの間、真冬の傍で真冬を気がける事に。前もって病院に行く準備は済ませておいてよかったわ。本当に…。まあ、母さんから聞いてそうしたんだけどな。
♢
どのくらいの時間待っただろうか。こんなにも長いと不安やらなんやらが一斉に押し寄せてくるようなそんな感じ…。待合室で父さんと二人そんな時間を過ごしていた。不意に父さんが俺に声を掛ける。俺のそんな不安やらを察して気がけてくれたんだろう。
「…そんなに心配するな。まあ、気持ちは分かるけどな。俺もお前が生まれた時はそういう感じだったし」
「父さん」
「なによりお前が思っている以上に女性は強いぞ?男なら耐えられん痛みっていうしな」
それは耳にした事がある。男なら耐えられないってよく聞くよな。まあ、信じるしかないし、信じるしか出来ないんだけどな。
「ほら…生まれたようだぞ」
父さんが首をクイッとした方向に視線を向けると看護婦さんがこちらへと向かってくる。
「生まれましたよ!奥様も元気ですよ!今、お子さんに授乳中です」
その言葉を聞くと同時に良かったという気持ちと嬉しさが込み上げてくる。
「さあ、行ってこい。父さんはもうしばらくしてから行くから」
俺は父さんに了承の返事をすると同時に駆け出して…看護婦さんから怒られてしまう。まあ、病院の中は駆けたらいけないわな。まあ、とにかく真冬の元へと向かう。
♢
「真冬っ」
「お兄ちゃん」
病室に着いた時、真冬は赤ちゃんを抱き抱えて授乳中だった。その光景というか母性溢れるその姿というか…とにかく真冬と赤ちゃんに目を、心を奪われてしまう。
「お疲れ様…それと…ありがとうな」
「うん♪私とお兄ちゃんの子供だよ♪ものすごい勢いでおっぱいを飲んでるよ!まるでお兄ちゃんみたいだね♡」
後半の余計な言葉はいらないんだぞ?この雰囲気を壊すんじゃないよ、全く…。
「ホント可愛いな」
「当然だよ!私とお兄ちゃんの子供だもん。あっ…飲み終えたみたい」
ゲップを出してそのまま真冬に優しく抱き抱えられる我が子。ふと視線が我が子の股間へと向かう。
「っ!? 男の子かっ!?」
性別は内緒だったからな。この瞬間にようやく分かったわけだ。俺と同じものがぶら下がっているしな。
「まだまだまだお兄ちゃんに比べると小さいけどね」
「そういうのは言わなくていいんだよ」
まだ赤ちゃんだし小さいのは当たり前だろうに。
「てへっ♪」
まあ、真冬の笑い方が可愛いからいいけどな。 とにかくこうして俺の子供が生まれたわけだな。最初の子は男の子。名前は和真。安直だけど俺達の名前の漢字から一文字ずつ取ったんだ。いい名前だろ?しかもとっても可愛いんだぜ?婿にはやらんって言いたくなるくらいだ。
そんなわけでここから嫁さん達の出産ラッシュッが始まるんだ。
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