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「ハッピーハロウィン♪さあ、何も言わずにボクに付いてきてくれないとイタズラするからね?」 

 どうやら葵は俺をどこかへと連れ出してから個別ハロウィンを楽しみたいようだ。 当然俺の答えは── 

「勿論付いて行くよ」 

「それは良かったよ。断られたらどうしうかと思っていたからね」 

「断るわけないだろ?」 

「ふふっ…そうだね。とにかく行こうか」 

 葵が俺に向かって手を差し出してくる。普段デートの時でも葵は手を繋いだりはしない。もしかしたらみんなにあてられたのかも知れないな。俺は葵の手を取りしっかりと恋人繋ぎに絡ませる。するとちょっと照れたような表情を魅せてくれる葵。 可愛いな。 

「じゃ、じゃあ…行こうか」 

「おう!」 

♢ 

 家を出てまずは駅に向かい新幹線に乗り込んだ。どうやら向かう先は遠場のようだな。 

「豊和は駅弁、何にする?」 

「う~ん…そうだなぁ…牛◯しにしようかな」 

「ああ、それね。それ美味しいよね」 「もし悩んでるなら…葵は別のものを買って半分ずつするか?」 

「それはいいね!流石豊和だよ!そうしようかな」 

 半分ずつ食べるのもまた醍醐味だよな。少なくとも二つの弁当の味を確かめられるしな。それになんといっても恋人ならではの食べさせあいが楽しめるしな。葵はなかなかそういうのは恥ずかしがってるのかしないしな。 

「ほら、葵…あ~ん」 

「うぇっ!?あ~ん…って…」 

「たまにはいいだろう?」 

「急に言われても…心の準備がだね…」 

「ほら、あ~ん」 

「あっ…あ~ん…」 

 やっぱりいいよな。こういうの…。先日幸子にあ~んってしてみたら別のところに食いつかれたしな…。あれは大変だった…。全て吸い付かされると思ったしな…。 おっと…今は葵との時間だったな。葵もプルプル震えながらもあ~んしてくれてまったりとした時間を新幹線で過ごす事ができた。 

 




 そして…着いた場所は… 

「ここは…」 

「テレビで見た事はあるよね?」 

「ああ、うん」 

「前から来てみたかったんだよね」 

「なあ、葵」 

「うん?どうしたの?」 

「ここのテーマパーク…名前がおかしくないか?」 

「? おかしいところはないみたいだけど…どこかおかしいの?」 

「いや…気の所為だったわ」 

「そう? じゃあそろそろ中へ入ろうか」 

「…うん」 

 テーマパークへと二人足を踏み入れる。俺がさっき悩んでいたというか気になったのは前世の記憶があるからだろうな。テーマパークの名前が紛らわしいんだよ。紛らわしいというかおかしい?とにかく俺はそう思っただけなんだけどな。ちなみにだが、テーマパークの名前はユニーク・セ◯クス・ジャパン。 

 ちゃんとアトラクションというか…そういうのがあるのかとてつもなく不安だ。そしてその不安は見事に的中する事になる。事ある事にテーマパークの名前に関係する事ばかりのアトラクションの数々。ジェットコースターに繋がりながら乗るとか危ないだろうよっ!?えっ?安全面はとにかく大丈夫?それなら安心か…。全然安心じゃねぇーよ!? まあ、とにかくだ。そんな感じで葵とテーマパークでやりまくる事になったわけだ。まあ、たまにはいいかと思ってしまうあたり、俺もこの世界に馴染んできたということだろうな。
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