貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

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新菜

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 真冬との擬似ハロウィンを楽しんだ翌日…俺の元にやって来たのは新菜だ。その姿はトレードマークともいえるいつものジャージ姿ではなく、デキる家庭教師といった感じの服装に身を包んでいる。 普段からその姿ならビシッとしていて、いいのにと思ってしまうな。 

「うん?どうした?はは~ん…私のこの姿に惚れ直したんだろう?」

「だね」 

「…肯定されると…流石に私でも照れてしまうぞ?」 

 新菜は俺がそういう事を言うと前から照れていたぞ?そりゃあ昔に比べると耐性はついているみたいだけどな。まあ、新菜に限らず照れてくれる女性ってなんかいいよな。その仕草だったり、表情だったり…そこでしか得られない栄養素みたいなものがあるよな。 

「と、とにかくだ。今日は私とハロウィンを楽しもうじゃないか」 

「勿論。それでどんな風に過ごすんだ?新菜も真冬みたいに色々考えてるんだよな?」 

「当然だ。では…ここの席についてくれ」 

 新菜が言った通りの場所へと席につく。目の前の机にはなにやら勉強道具が並べられている。 えっ…と…何するんだ?勉強…ではないよな? 

「さて…では、始めようではないか」 

 俺が疑問を口にする前に新菜がそう口を開いた。マジで勉強なのか?以前も言った事があるがこう見えても人生二回目という事もあり、勉強はデキるのだが? 

「まずはこの問題を解いてみろ」 

「えっ…ああ」 

 とりあえず新菜に言われるがまま、その問題へと視線を向ける。ハロウィンだよな?ハロウィンが全く機能してないよな?なんならハロウィンのハの字もないよな?唯一仮装というかコスプレというかいつもと服装が違うくらいだよな?そう思ってしまうのは仕方ないよな?おっと…とにかく集中してみるか。 
 
「ええと…なになに…新菜こと私が性に関心を持ったのはいつか答えよ……」 

 んっ?疲れているのか?なんだかとんでもない問題が出されているような気がするな。一度目を閉じて…ゆっくり開いてからもう一度問題を読んでみる…。うん、間違いなくそう書かれているな…。 

「…新菜?」 

「どうした?愛する私の事が分からんか?」 

 いやいや…愛しているけど…そんな事聞いた事ないのだが!?無茶振りが過ぎないか?彼女というか愛する女性のそういうのって前もって聞いておかないといけなかったのだろうか?誰か教えてくれると助かる…。 

 と、とにかく…何も答えないのはマズイよな?とりあえず思考をフルに回転させてみるか。性に興味をもつなら思春期くらいか?ならば…中学生くらいか?しかし…この世界ならもう少し早いかも知れないな?登り棒を使って性に興味を持つのもそれくらいだよな?ならば登り棒を初めて使った時か!? 

「…登り棒を初めて使った時だと思う」 

「ファイナルアンサー?」  
 
 どこかで聞いた台詞だな。 

「…ファイナルアンサー」 

 頷きながら答える。暫し沈黙が流れた後に新菜が口を開いた。果たして… 

「正解だ!流石は私の豊和だな。私が性に興味を持ったのは登り棒にどことは言わんがあそこが擦れた時だ」  
 
 いやいや…言ってるからな?どことは言わないと言いながら、あそことかガッツリ言ってるからな!?   

「では、続いての問題だ」 

「まだやるんだな」 

「当然だ!」 

 俺は続いての問題に視線を向ける。なになに… 
 
「…黄道十二星座の一つで、オリオン座の左斜め上に位置する星座は?か…」 

 二問目は真面目な問題だな?戸惑いながらも記憶を掘り起こす。何だったっけな?確か… 

「…双子座だったよな」 

「ふっ…流石だ」 

「おっ…あってたみたいで安心したよ」 

「さて…答えは双子座だったわけだが…」 

「?」 

「一つの卵子に二つ精子が入ったらどうなる?」 
 
「そりゃあ…双子が…」 

 んっ?もしかしてそういう事か? 

「もしかして新菜…」 

「ふっふっふっ…流石だな。気がついたか?」 

「お腹の子供は双子なのか?」 

「そうだ!まあ、ビックリさせようかと思って擬似ハロウィンを利用して伝えただけなんだがな?私はハロウィンってぶっちゃけ何をすればいいか知らんしな」 
  
 そっかぁ…双子かぁ…これまた嬉しい事を教えてくれたもんだな。とんだサプライズってやつだな。とにかく新菜を抱き寄せて優しく抱き締める。 

「ふふっ…そんなに嬉しいのか?」 

「当然だろうに…」 

「…そっかぁ…。なら…ハロウィンらしいこともしておくか…こほん…双子とともに私を愛してくれなきゃ…イタズラしちゃうぞっ?」 

 その言葉には当然全力で応える所存だ。ちょっとハロウィンって感じじゃあないけど、新菜とそんな二人の時間を楽しんだって感じだ。双子の性別も今から楽しみだな。そっちはまだ妊娠しているみんな内緒にしているし、またサプライズでも考えてるのかも知れないと思った俺だった。
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