上 下
77 / 108

修学旅行②

しおりを挟む
「…大変な目にあったな」 

 休憩場…早い話ラブホテルだな。とにかく行為を終えてラブホテルを出て、ふと出て来た言葉がそれだった。 

「大変な目って何っ!?そんなに!?」 

「…一人だけ短時間で三回は十分したと思うかな…後のみんなは一回ずつかな…」 

 うん。イチの言う通りだと俺も思う。まだ見て回る途中だしな?夜ならまだしも…。 

「幸子は少し性欲を抑えないといけないんじゃあないか?先生なんか見ているだけだったぞ?まあ、先生は自分で遠慮したからだけども…」 

「…俺もそう思う」 

 新菜と俊哉もどうやら同じ意見らしい。 

「…た、たった三回で満足しろと?」 

 絶望した表情を魅せる幸子。誰だよ…天使を穢してエッチな悪魔に変えたのは… 

「豊和だと思うかな」 
「私もそう思うぞ?」 
「俺もそう思う」 

 えっ…と…やっぱり俺かなぁ…?俺しかいないか?いや…たぶん…幸子の前世はエロゲのヒロインじゃあないかな?そしたら辻褄があうだろ?眠っていた本能(隠されていた性欲)がセックスを経験した事により解き放たれたみたいな…? 

 まあ、それはおいておくとしても…みんなして心を読むんじゃないよ。 

「と、とにかく…短時間で三回は十分だからな?」 

「足りないのっ!!」 

「時と場合は考えような?」 

「むぅ~~~」

「頬を膨らませて不満ですアピールは可愛いが…そういうのは夜にしような?」 

「…もう…分かったよ。善処…する………よ…」 

「…そうしてくれると助かる。まだ色々な場所を見て回る予定だしな」 


 不満が残ってる幸子はひとまず触れないようにして観光を再会することにしたんだ。





♢ 

「カッコいいお兄ちゃ~ん!ありがと~う!」 

「おう。今度からは迷子にならないようにな?」 

「うん!」 

 母親と5歳くらいの女の子がその場を立ち去って行く。母親は何度もペコペコと頭を下げ、女の子は姿が見えなくなるまで手を振っていた。勿論俺は英語で喋っているぞ? 

「…さて…どうすっかな?自分も迷子だとは流石に言えないしな…」 

 俺は一人呟く。まあ、早い話俺は迷子になってしまったわけだ。最初から説明すると、5人で色々な場所を見て回っていたんだ。当然人通りが多いところにも行ったわけだ。そこで迷子と思わしき泣いている女の子が視界に入ったので慌ててその子の元へと駆け寄って行き…その時にみんなとはぐれてしまったんだよな…。

 で、そんなこんなで女の子の母親を無事に見つける事が出来たのはいいがどうしようかということで今に至るというわけだな。 今夜泊まる予定のホテルの名前くらい聞いておけば良かったなと思う。はぐれるとは思わなかったし、あんなに人が多いとも思わなかったしな。次に向かう場所もどこだったか完璧に忘れてしまっているし…携帯を落としたのもまずかったな。 

「お困りデスカ?」 

 途方に暮れそうだった俺にそんな風に女性の声が耳に入ってきた。 

「はい、ちょっと迷ってしまったみたいで」 

 俺は声がした方に振り返りながらそう口にした。視界に入ってきたのは金髪の女性の姿。歳は俺と同じくらいか少し歳上くらいだろうか。外国の女性って大人っぽく見えるからハッキリとは言えないのだが、それくらいだと思った。 

「お~ それは大変だったデ~ス。どこに向かう予定だったデ~ス?」 

「ああ…実はそれも分からなくて…」 

「ホ~ワイ…?記憶喪失デ~スカッ!?」 

 俺はとにかく事情を話す事に…。迷子になった女の子を見つけた事とか、その為に迷子になった事とかをとりあえず話する事にしたんだ。 

「それは…偉いデ~ス!中々出来る事じゃあないデ~ス!ついでに言えば、その話を聞いて母性本能がヤラれそうデ~ス!!ドコとは言いませんが濡れ濡れデ~ス!!!」 

 いやいや…母性本能ってなんだよ?そういうので母性本能ってヤラれるのか?それとちょっと聞き取れなかった言葉もあるし、そこら辺はよく分からないがとりあえず本能で色々とスルーする事にする。 

「とにかくワタシに付いてくるといいデ~ス!」 

 とりあえず…付いてこいと言ってるみたいだし、ここに居てもしょうがないし、悪い人じゃあなさそうだし、付いていってみるか。みんなは知らない人に付いて行ったら絶対に駄目だぞ?俺との約束だな?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

処理中です...