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駄菓子屋⑥
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ばっちゃんを念の為に病院に連れて行った翌日…。俺はまた駄菓子屋へと足を運ぶことにした。学校はちょっとサボってしまったんだけどな。みんなはサボっちゃあ駄目だぞ?オイラとの大事な約束だ!
「…ばっちゃん」
「んんっ?──って、あんたかい…。あんた、今日は学校の筈じゃろ?もしかしてサボりかい?まあ、ここにいるつもりなら駄菓子でも買ってゆっくりしていきな」
「…そこは学校に行けとは言わないのかよっ!?ばっちゃん!?」
「なんだい。言って欲しいのかい?」
「いや…そういうわけじゃあないけど…」
「なら…言うんじゃないよ。まあ、サボりたいと思う日も…たまにはそういう日もあるさね」
「まあ、そんなわけでさぁ…ばっちゃん」
「何がそんなわけなのかは分からんが何だい?」
「久しぶりにメ◯ルスラッグやろうぜ?」
「何じゃとっ!?」
ばっちゃんの経営するこの駄菓子屋の店先には色々な種類のゲームが置いてある。突然だが有◯課長のゲームセンター◯◯を観た事はないか?その番組の企画でたまに行くならこんなゲームセンターという企画があるんだけど、その企画を観た人は分かると思う。まあ、駄菓子屋さんにもよるんだけど、店先にはゲーム機が置いてあって…メ◯ルスラッグはその中でも定番も定番。よく見かけるゲームだと思う。個人的な感想だけどな。
とにかくだ。それにばっちゃんを久しぶりに一緒にプレイしようと誘ったというわけだ。余談だが…ばっちゃんのメ◯ルスラッグの腕前はピカイチなんだぜ?二人でシリーズを制覇した事もあるんだ。
♢
「ほら…何やってんだい!?左から敵が来るじゃろ!?弾幕薄いよっ!?何やってんだい!?」
「分かってるって……ほら、こっちは片付いたぜ?」
「いつもより反応が遅いわい!」
「…そうかな?」
「何か言いたい事でもあるのかい?」
「…何で?」
「あんたは大事な話をする時はいつもメ◯スラやりながら話すじゃろ?普通に話しなと思わないでもないけどね…」
「ああ…なるほど…」
流石はばっちゃん。付き合い長いしな。
「ほら!ボス戦だよっ!話は聞いてやるけど…集中しなよ?」
「分かってるって…」
カチャカチャっとボタンを押す音とゲームの効果音が響くなか…俺は大事な話を切り出した。ホントはばっちゃんはソレを聞かれたたくないのかもと思ったんだけど…聞いた方がいいような気もしたから…一晩悩んでからこうして話をしにきたんだ。
「…ばっちゃん」
「なんじゃい!?ほらっ!上を狙いな!左からも敵が来るよいっ!!」
「ばっちゃんって…前世の記憶が絶対あるよな?いわゆる転生者だろ?転生者って分かる?」
「ほら、そこっ!撃ちなっ!今じゃよっ!!よし…とりあえず三面はクリアだね…それであんだって?わたしゃあ…あんたが言うとこの転生者じゃが…ソレが何じゃ?あんたと同じじゃろ?」
「いやいや…サラっという事じゃなくね!?しかも俺も同じ転生者って気付いてたのかよっ!?」
「気付かないでかっ!?あんたは鈍すぎるんじゃよ!転生者じゃなきゃあ、どこの世界に昭和や平成やらの向こうの日本のネタなんかを喋る人間が居るってんだい?ほらっ!四面始まってるじゃろっ!!手を動かせ!手をっ!」
「分かってるよ!こっちは…クリア!右から来るぞ、ばっちゃん!」
「知ってるよい!ほら、シャキシャキ進むよっ!ちなみにじゃが…じッ様も転生者じゃぞいっ?」
「はぁっ!?」
じっちゃん…会った事ないけど…じっちゃんも転生者じゃったのかい!?んっ?驚き過ぎてばっちゃんの口調になっちまったぞ!?
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁーっ!四面のボスも楽勝ぅぅぅ!!!さぁー!五面じゃぞい!んで…前世からわたしゃあ達は夫婦さね。夫婦で…まあ、駄菓子屋を経営しておったんじゃよ…。まあ…時代の波とともに…駄菓子屋も廃れていったがのぅ…」
「まじでっ!?」
「…あんたの前世での名前は〇〇〇〇〇じゃろ?」
「…えっ?」
「…日本のネタを抜きにしても…一目でわたしゃあは分かったわい。わたしゃあ等の駄菓子屋にずっと…ずっと通ってくれていたのはお前さんだけだったしのぅ…。それこそ…わたしゃあ等が亡くなる寸前まで通ってくれておったしのぅ…お前さんは分からなかったかい?」
「…〇〇〇〇の駄菓子屋のばっちゃん達なの?」
「やれやれ…ようやく気がついたのかい?」
「顔も違うのに…」
「馬鹿だねぇ…魂を見るんだよ…。魂を…」
「見えるかぁっ!?」
とにかく…そんな事って…あるんだな…。前世で…家の近所にあった駄菓子屋のばっちゃん達だったなんて…鮮明に思い返せるよ。
…ばっちゃんが今言ったように…周りの駄菓子屋が一軒…また一軒と減っていくなか…ばっちゃん達は亡くなるその時まで駄菓子屋を開いていた。当然だけど…俺は毎日のようにばっちゃん達の駄菓子屋に通っていた。俺の前世での聖域。今世でも聖域なんだけどな…。
「ほらっ!五面が始まってるじゃろうがっ!集中しなっ!」
「うぉーい!?今…思い返して感動しているところだっただろ!?涙ぐんでるところだっただろっ!?雰囲気台無しだよっ!?」
「終わった事をグチグチ言ってんじゃないよっ!そんな小さな事に拘るからあんたは童貞が長かったんだよい!ほらほらっ、上だよっ!上っ!」
「そこまで言うかっ!?」
「言うだわさっ!」
「まあ…とにかく…ばっちゃん」
「…あんだい?」
「ここでも…この世界でも…駄菓子屋を開いてくれて…ありがとうな…」
「ふん…あんたの為じゃないよ…駄菓子屋を愛してくれる者の為さね…。それが例え一人であったとしてもねっ…ほら、そんな事よりもボスだよ、ボス!気合入れなっ!」
そして…俺達はメ◯スラを見事にクリア。俺とばっちゃんのコンビネーションに敵は居ない。 まあ…前世の縁がここでもまた結ばれるとは思っていなかった。神様が居るんなら…いや、こういう世界に転生させてくれたんだ。神様はいるよな? 神様…ありがとう…ばっちゃん達と…また巡り合わせてくれて…
「…ばっちゃん」
「んんっ?──って、あんたかい…。あんた、今日は学校の筈じゃろ?もしかしてサボりかい?まあ、ここにいるつもりなら駄菓子でも買ってゆっくりしていきな」
「…そこは学校に行けとは言わないのかよっ!?ばっちゃん!?」
「なんだい。言って欲しいのかい?」
「いや…そういうわけじゃあないけど…」
「なら…言うんじゃないよ。まあ、サボりたいと思う日も…たまにはそういう日もあるさね」
「まあ、そんなわけでさぁ…ばっちゃん」
「何がそんなわけなのかは分からんが何だい?」
「久しぶりにメ◯ルスラッグやろうぜ?」
「何じゃとっ!?」
ばっちゃんの経営するこの駄菓子屋の店先には色々な種類のゲームが置いてある。突然だが有◯課長のゲームセンター◯◯を観た事はないか?その番組の企画でたまに行くならこんなゲームセンターという企画があるんだけど、その企画を観た人は分かると思う。まあ、駄菓子屋さんにもよるんだけど、店先にはゲーム機が置いてあって…メ◯ルスラッグはその中でも定番も定番。よく見かけるゲームだと思う。個人的な感想だけどな。
とにかくだ。それにばっちゃんを久しぶりに一緒にプレイしようと誘ったというわけだ。余談だが…ばっちゃんのメ◯ルスラッグの腕前はピカイチなんだぜ?二人でシリーズを制覇した事もあるんだ。
♢
「ほら…何やってんだい!?左から敵が来るじゃろ!?弾幕薄いよっ!?何やってんだい!?」
「分かってるって……ほら、こっちは片付いたぜ?」
「いつもより反応が遅いわい!」
「…そうかな?」
「何か言いたい事でもあるのかい?」
「…何で?」
「あんたは大事な話をする時はいつもメ◯スラやりながら話すじゃろ?普通に話しなと思わないでもないけどね…」
「ああ…なるほど…」
流石はばっちゃん。付き合い長いしな。
「ほら!ボス戦だよっ!話は聞いてやるけど…集中しなよ?」
「分かってるって…」
カチャカチャっとボタンを押す音とゲームの効果音が響くなか…俺は大事な話を切り出した。ホントはばっちゃんはソレを聞かれたたくないのかもと思ったんだけど…聞いた方がいいような気もしたから…一晩悩んでからこうして話をしにきたんだ。
「…ばっちゃん」
「なんじゃい!?ほらっ!上を狙いな!左からも敵が来るよいっ!!」
「ばっちゃんって…前世の記憶が絶対あるよな?いわゆる転生者だろ?転生者って分かる?」
「ほら、そこっ!撃ちなっ!今じゃよっ!!よし…とりあえず三面はクリアだね…それであんだって?わたしゃあ…あんたが言うとこの転生者じゃが…ソレが何じゃ?あんたと同じじゃろ?」
「いやいや…サラっという事じゃなくね!?しかも俺も同じ転生者って気付いてたのかよっ!?」
「気付かないでかっ!?あんたは鈍すぎるんじゃよ!転生者じゃなきゃあ、どこの世界に昭和や平成やらの向こうの日本のネタなんかを喋る人間が居るってんだい?ほらっ!四面始まってるじゃろっ!!手を動かせ!手をっ!」
「分かってるよ!こっちは…クリア!右から来るぞ、ばっちゃん!」
「知ってるよい!ほら、シャキシャキ進むよっ!ちなみにじゃが…じッ様も転生者じゃぞいっ?」
「はぁっ!?」
じっちゃん…会った事ないけど…じっちゃんも転生者じゃったのかい!?んっ?驚き過ぎてばっちゃんの口調になっちまったぞ!?
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁーっ!四面のボスも楽勝ぅぅぅ!!!さぁー!五面じゃぞい!んで…前世からわたしゃあ達は夫婦さね。夫婦で…まあ、駄菓子屋を経営しておったんじゃよ…。まあ…時代の波とともに…駄菓子屋も廃れていったがのぅ…」
「まじでっ!?」
「…あんたの前世での名前は〇〇〇〇〇じゃろ?」
「…えっ?」
「…日本のネタを抜きにしても…一目でわたしゃあは分かったわい。わたしゃあ等の駄菓子屋にずっと…ずっと通ってくれていたのはお前さんだけだったしのぅ…。それこそ…わたしゃあ等が亡くなる寸前まで通ってくれておったしのぅ…お前さんは分からなかったかい?」
「…〇〇〇〇の駄菓子屋のばっちゃん達なの?」
「やれやれ…ようやく気がついたのかい?」
「顔も違うのに…」
「馬鹿だねぇ…魂を見るんだよ…。魂を…」
「見えるかぁっ!?」
とにかく…そんな事って…あるんだな…。前世で…家の近所にあった駄菓子屋のばっちゃん達だったなんて…鮮明に思い返せるよ。
…ばっちゃんが今言ったように…周りの駄菓子屋が一軒…また一軒と減っていくなか…ばっちゃん達は亡くなるその時まで駄菓子屋を開いていた。当然だけど…俺は毎日のようにばっちゃん達の駄菓子屋に通っていた。俺の前世での聖域。今世でも聖域なんだけどな…。
「ほらっ!五面が始まってるじゃろうがっ!集中しなっ!」
「うぉーい!?今…思い返して感動しているところだっただろ!?涙ぐんでるところだっただろっ!?雰囲気台無しだよっ!?」
「終わった事をグチグチ言ってんじゃないよっ!そんな小さな事に拘るからあんたは童貞が長かったんだよい!ほらほらっ、上だよっ!上っ!」
「そこまで言うかっ!?」
「言うだわさっ!」
「まあ…とにかく…ばっちゃん」
「…あんだい?」
「ここでも…この世界でも…駄菓子屋を開いてくれて…ありがとうな…」
「ふん…あんたの為じゃないよ…駄菓子屋を愛してくれる者の為さね…。それが例え一人であったとしてもねっ…ほら、そんな事よりもボスだよ、ボス!気合入れなっ!」
そして…俺達はメ◯スラを見事にクリア。俺とばっちゃんのコンビネーションに敵は居ない。 まあ…前世の縁がここでもまた結ばれるとは思っていなかった。神様が居るんなら…いや、こういう世界に転生させてくれたんだ。神様はいるよな? 神様…ありがとう…ばっちゃん達と…また巡り合わせてくれて…
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