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駄菓子屋⑤
しおりを挟む「──でさぁ、最近は冷菓がデレてくれて、デレを多く魅せてくれるんだよっ♪
「…喋りたいなら、あんたはまず──「駄菓子を買いなっ!だろ?ばっちゃん!」…なんだい。分かってるじゃないか」
「そりゃあ…俺は常連も常連だしな!ばっちゃんの口癖も分かるし、駄菓子は勿論買うに決まってるだろうに。俺がここに来て駄菓子を買わなかった事なんてないだろ?」
「あたしゃあの毛穴の数まで分かってるってっ!?しかもあたしゃあのお尻に二つホクロがあるのも知ってるってっ!?あんたはなんて変態なんだいっ!?」
「一言も言ってねぇーよっ!?しかも知りたくなかった情報をしれっと教えるんじゃねぇーよ!?そんなのじっちゃんだけが知ってればいいだろうに…」
「イッヒッヒッ…そうかい?あたしゃあのホクロの位置を思いがけずに知れて嬉しいじゃろ?お尻に可愛く二つもあるんじゃぞっ?片方の尻に一つずつ」
「嬉しくないわっ!?だからそんな詳細はいらないんだって!?まあ…冷菓のそういうのなら嬉しいけどな?とりあえず…今日は暑いからガリ◯リ君の……定番も定番!ソーダ味にするわっ!はい、ばっちゃん!60円!」
「はいよ!確かに頂いたよ!ヒッヒッヒッ♪それにしても…あんたはホントにここが好きだねぇ?何度も言ったけど…あたしゃあが目当てなんじゃないだろうね?」
「ここは…俺にとっての聖域だからな。まあ、ばっちゃんも俺にとっては掛け替えない大切な人なのは間違いないぜ?」
「っ…たく…あんたは…そういう言葉は冷菓達に言ってやんな?」
「当然言ってるよ?」
「…まあ、そこまで言われたら悪い気はしないし、あたしゃあもこの胸を使って出してやるくらいはしてあげるけどね?」
胸をむんずと掴みアピールするばっちゃん。そんなアピールいらないんだよ?
「いやいや…それは遠慮するわ」
「馬鹿かいっ!?じっちゃまなんて泣いて喜ぶというのに…」
「それ、ばっちゃんに搾り取られて泣いてるだけなんじゃあ…」
「…あんただけお菓子類の料金倍にしようかね?イッヒッヒッ…」
「それはないよっ!?ばっちゃん!?あっ…ガリ◯リ君は食べ終わったから…今度は…これっ!雪◯大福にするわっ!」
「はいよ!百円だよ?」
「ほい、百万円!」
「まいどっ!確かに受け取ったよ!」
「寒い時にコタツに入って食べる雪◯大福も堪らんけど、夏でも食べたくなるんだよな、コレっ♪」
「ホント…あんたはお菓子全般好きだねぇ」
「だからいつも言ってるじゃん!俺にとってここは聖域だって!」
「…イッヒッヒッ…そうかい…それは駄菓子屋冥利に尽きるねぇ~」
そう言って嬉しそうに笑うばっちゃん。いやぁ…ホント…駄菓子最高!ばっちゃんが駄菓子屋を経営してくれていて…本当に良かったよ。
「──うぐっ…」
「…ばっちゃん…?」
座って話していたばっちゃんが突然心臓を押さえながら前のめりにうずくまる形になった。
「ばっちゃんっ!!!」
俺はばっちゃんに慌てて駆け寄る!ばっちゃん…嘘だろっ!?止めてくれよ?ばっちゃん!ばっちゃん!ばっちゃん!!
「まだまだ死にゃあしねぇーよ?あたしゃあは」
何事もなかったかのようにそんな事を言いながら元の体制になるばっちゃん。
「それは一番やっちゃっあいけない冗談だからな!?このくそったればっちゃんがっ!」
「誰がくそったればっちゃんだいっ!?ただのお茶目なアメリカンジョークじゃろうがっ!?」
「ばっちゃんがしたら冗談にならねぇーだろっ!?」
「相変わらず失礼だねっ!?あたしゃあみたいな美魔女に向かって言う言葉じゃあないんじゃよ!!」
「自分で美魔女ってそこまで言うのかよっ!?」
「言うさねっ!」
「…早◯優」
「北◯佑」
「「醤油、ラー油、アイラブユー♡んっ、んっ、んっ、んんっ~!仲直りっ♡」」
俺とばっちゃんは言葉に合わせて有名なコントの一幕を演じる。
「──って、違ぁぁぁーう」
「相変わらずあんたはノリがいいねぇ?」
「…ばっちゃんがノリがいいだけだからな?」
俺はそう言いながらばっちゃんを抱き抱える事に。
「──って…あんた何してんだいっ!?何気にお姫様抱っこなんて初めての体験であたしゃあ…恥ずかしいのじゃがっ!?このままワンナイトカーニバルかいっ!?ふっふぅ~」
「ある意味そうなるかも」
「…はへっ!?」
♢
ばっちゃんを抱き抱えたまま、俺が向かったのは病院だ。念の為っていうやつだ。こういう時って本当に心臓を押さえている場合もあって…翌日亡くなったとかそういう話はよくある話だ。
「ドキッっとした、あたしゃあの心臓を返すんじゃぞい!?」
「ばっちゃんが変な事言うからだろっ!?だから…それに…俺は…心配で…」
「…ふん」
「まあまあ…二人とも…とにかく検査の結果ですが──」
ばっちゃんが精密検査を受けてから担当の先生に呼ばれた俺とばっちゃんは固唾を飲む。固唾を飲むのは俺だけだけどな。ばっちゃんは平然としてるし。
「──健康そのものですね…。どこにも異常は見当たりません。後、百年は生きると言われても不思議ではないでしょう…」
「だから冗談じゃと言ったじゃろうがい!」
「何度も言うけど俺は心配だったんだよっ!?」
「それにしても…年齢を感じさせぬお若い肌…」
「何だい?先生?若さの秘訣かい?」
「そんなわけないだろ?」
「ええ。その通りです」
「えっ?先生ホントに聞いてるよっ!?」
「若さの秘訣は…ヤる事さね!」
結局ソレかいっ!?
「なるほど…」
納得するんじゃねえよ、先生…。 まあ、とにかく…ばっちゃんが健康で良かったよ。
それにしても…ばっちゃんって…まさか…
「…喋りたいなら、あんたはまず──「駄菓子を買いなっ!だろ?ばっちゃん!」…なんだい。分かってるじゃないか」
「そりゃあ…俺は常連も常連だしな!ばっちゃんの口癖も分かるし、駄菓子は勿論買うに決まってるだろうに。俺がここに来て駄菓子を買わなかった事なんてないだろ?」
「あたしゃあの毛穴の数まで分かってるってっ!?しかもあたしゃあのお尻に二つホクロがあるのも知ってるってっ!?あんたはなんて変態なんだいっ!?」
「一言も言ってねぇーよっ!?しかも知りたくなかった情報をしれっと教えるんじゃねぇーよ!?そんなのじっちゃんだけが知ってればいいだろうに…」
「イッヒッヒッ…そうかい?あたしゃあのホクロの位置を思いがけずに知れて嬉しいじゃろ?お尻に可愛く二つもあるんじゃぞっ?片方の尻に一つずつ」
「嬉しくないわっ!?だからそんな詳細はいらないんだって!?まあ…冷菓のそういうのなら嬉しいけどな?とりあえず…今日は暑いからガリ◯リ君の……定番も定番!ソーダ味にするわっ!はい、ばっちゃん!60円!」
「はいよ!確かに頂いたよ!ヒッヒッヒッ♪それにしても…あんたはホントにここが好きだねぇ?何度も言ったけど…あたしゃあが目当てなんじゃないだろうね?」
「ここは…俺にとっての聖域だからな。まあ、ばっちゃんも俺にとっては掛け替えない大切な人なのは間違いないぜ?」
「っ…たく…あんたは…そういう言葉は冷菓達に言ってやんな?」
「当然言ってるよ?」
「…まあ、そこまで言われたら悪い気はしないし、あたしゃあもこの胸を使って出してやるくらいはしてあげるけどね?」
胸をむんずと掴みアピールするばっちゃん。そんなアピールいらないんだよ?
「いやいや…それは遠慮するわ」
「馬鹿かいっ!?じっちゃまなんて泣いて喜ぶというのに…」
「それ、ばっちゃんに搾り取られて泣いてるだけなんじゃあ…」
「…あんただけお菓子類の料金倍にしようかね?イッヒッヒッ…」
「それはないよっ!?ばっちゃん!?あっ…ガリ◯リ君は食べ終わったから…今度は…これっ!雪◯大福にするわっ!」
「はいよ!百円だよ?」
「ほい、百万円!」
「まいどっ!確かに受け取ったよ!」
「寒い時にコタツに入って食べる雪◯大福も堪らんけど、夏でも食べたくなるんだよな、コレっ♪」
「ホント…あんたはお菓子全般好きだねぇ」
「だからいつも言ってるじゃん!俺にとってここは聖域だって!」
「…イッヒッヒッ…そうかい…それは駄菓子屋冥利に尽きるねぇ~」
そう言って嬉しそうに笑うばっちゃん。いやぁ…ホント…駄菓子最高!ばっちゃんが駄菓子屋を経営してくれていて…本当に良かったよ。
「──うぐっ…」
「…ばっちゃん…?」
座って話していたばっちゃんが突然心臓を押さえながら前のめりにうずくまる形になった。
「ばっちゃんっ!!!」
俺はばっちゃんに慌てて駆け寄る!ばっちゃん…嘘だろっ!?止めてくれよ?ばっちゃん!ばっちゃん!ばっちゃん!!
「まだまだ死にゃあしねぇーよ?あたしゃあは」
何事もなかったかのようにそんな事を言いながら元の体制になるばっちゃん。
「それは一番やっちゃっあいけない冗談だからな!?このくそったればっちゃんがっ!」
「誰がくそったればっちゃんだいっ!?ただのお茶目なアメリカンジョークじゃろうがっ!?」
「ばっちゃんがしたら冗談にならねぇーだろっ!?」
「相変わらず失礼だねっ!?あたしゃあみたいな美魔女に向かって言う言葉じゃあないんじゃよ!!」
「自分で美魔女ってそこまで言うのかよっ!?」
「言うさねっ!」
「…早◯優」
「北◯佑」
「「醤油、ラー油、アイラブユー♡んっ、んっ、んっ、んんっ~!仲直りっ♡」」
俺とばっちゃんは言葉に合わせて有名なコントの一幕を演じる。
「──って、違ぁぁぁーう」
「相変わらずあんたはノリがいいねぇ?」
「…ばっちゃんがノリがいいだけだからな?」
俺はそう言いながらばっちゃんを抱き抱える事に。
「──って…あんた何してんだいっ!?何気にお姫様抱っこなんて初めての体験であたしゃあ…恥ずかしいのじゃがっ!?このままワンナイトカーニバルかいっ!?ふっふぅ~」
「ある意味そうなるかも」
「…はへっ!?」
♢
ばっちゃんを抱き抱えたまま、俺が向かったのは病院だ。念の為っていうやつだ。こういう時って本当に心臓を押さえている場合もあって…翌日亡くなったとかそういう話はよくある話だ。
「ドキッっとした、あたしゃあの心臓を返すんじゃぞい!?」
「ばっちゃんが変な事言うからだろっ!?だから…それに…俺は…心配で…」
「…ふん」
「まあまあ…二人とも…とにかく検査の結果ですが──」
ばっちゃんが精密検査を受けてから担当の先生に呼ばれた俺とばっちゃんは固唾を飲む。固唾を飲むのは俺だけだけどな。ばっちゃんは平然としてるし。
「──健康そのものですね…。どこにも異常は見当たりません。後、百年は生きると言われても不思議ではないでしょう…」
「だから冗談じゃと言ったじゃろうがい!」
「何度も言うけど俺は心配だったんだよっ!?」
「それにしても…年齢を感じさせぬお若い肌…」
「何だい?先生?若さの秘訣かい?」
「そんなわけないだろ?」
「ええ。その通りです」
「えっ?先生ホントに聞いてるよっ!?」
「若さの秘訣は…ヤる事さね!」
結局ソレかいっ!?
「なるほど…」
納得するんじゃねえよ、先生…。 まあ、とにかく…ばっちゃんが健康で良かったよ。
それにしても…ばっちゃんって…まさか…
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