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それは初めての

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「コングラッチュレーション♡」 

「うん?」 

 ああ…撮影が終わった事か。俺は真冬を抱きしめてお礼を伝えた…。  

「ありがとうな。真冬が応援してくれたお陰で無事撮影も終了したよ」 

「違うよ?」 

「違う?」 

「それもおめでとうなんだけど…違うの…出来ちゃったのっ♡」 

「んっ?何がっ?」 

 出来ちゃった?何がっ? 

「もう…お兄ちゃんは鈍いんだから…」 

 抱きしめていた真冬が離れ人差し指を立てて、苦笑しながらそんな事を口にする。その仕草は個人的に大好きです。 

「お兄ちゃんとの愛の結晶だよっ♡」 

「結晶……」 

 結晶…愛の結晶…?んっ?愛の結晶って…それに出来ちゃったって…まさか… 

「ま、まさか…赤ちゃん…かっ?」 

「正解っ!」 

 満面の笑みでそう答える真冬…。ホントに…俺の赤ちゃんが…。この時、俺の脳裏が瞬時に思考の加速を開始した。 経済面は問題なし。映画の出演料やら印税が入ってくる。それ以前にもバ◯ブのモデル等の収入もある。この世界の男性としては破格な収入だろう。頭は前世の記憶もあるので問題ない。学歴はこれからだがそれも問題ない。よって、仕事も問題ないだろう。真冬の事を愛しているので愛している女性との子供は正直に言って嬉しい。

 前も言ったと思うんだけどこの世界の女性は妊娠したいと思ったら妊娠する事が出来る。それに女性が優遇されてる世界なので学歴もどうとでもなる。望めば飛び級も出来るしな。体も当然だけど問題ない。それだけ女性は優れている…。 

 後は籍を入れるだけだな。結婚式はこの世界では殆ど行われていないしな。女性の方がハーレム作ってるし…。 

 よって、真冬は最初からそのつもりだったということだな。問題は…あるか?いや、ないな。 

「真冬…ありがとうな。正直に言ってめちゃくちゃ嬉しい」 

 前世でも経験した事がないほどに喜びが沸き上がってくる。

「うん!私が最初にお兄ちゃんの子供を産むと決めていたから♡」 

「…真冬」

 俺はもう一度真冬を抱きしめる。真冬をしっかりと堪能してから、しばらくしてリビングへと二人で移動する。リビングでは父さんと母さんがいて、真冬からすでにその事を聞いていたんだろう。豪華な食事で迎えてくれた。そして俺達を祝福してくれたんだ。 

「ホントに良かったわね、真冬、豊和」 

「うん♪お母さん!私、とっても幸せっ♡」 

「ありがとう、母さん」 

「あらあら♪ホントに真冬は幸せそうね♪」 

「うん♪」 

「ホント良かったな、二人とも」 

「お父さんもありがとう!」 

「父さんもありがとうな」 

「それにしても真冬とはな」 

 んっ…?真冬もとはな?それって…他にも居るっていうことだよな…? 

「父さん?今の言葉はどういう意味?」 

「ああ。ママも子供が欲しくなったそうだ。んで、デキた!以上っ!」 

「…はっ?」 

「な~に、豊和?そんなに驚いて?」 

「いや…母さんも…妊娠した…?」 

「そうだけど、何?」 

「いやいや…それって…弟か妹が出来るって事だよなっ!?」 

「ええ、そうね♪」 

 マジかっ!?まさか…母さんも妊娠しているとは…。毎日ヤッてるのは知ってたけども…それにしても驚いたな…。まあ、とにかくおめでたいってやつだな…。 

「母さん、父さんおめでとう」 

「「ありがとう」」 

 その日は少し遅くまで家族で幸せを満喫したって感じだな。幸せを噛み締めたとも言えるだろう。 そして翌日、学校へと向かい幸子とイチと話していると先生がいつものように入ってくる。みんなが席に着いたところで…こら、幸子は先生が来てるんだから、俺のズボンの中に手を入れて弄らないように?分かった!分かってるから!この後、連れ込み教室だろ? 

「は~~~い!注目っ!」 

 先生の言葉にみんなが耳を傾けて視線を向ける。ほら、幸子も先生の話に集中するように…。 

「今日は報告がある!先生な?妊娠しちまったぞ?はい、拍手っ!」 


“パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ──” 

 はっ?先生も妊娠? 

「お前の子だ!隼っ♡」 

「ええ~~~~~っ!?今言う事っ!?」 

 思わずツッコんでしまったわっ!?せめて二人っきりの時に言おうよ、先生…。いや、まあ、真冬が妊娠した時点で流石に察せたけどな?先生はたぶん妊娠するだろうと…。歳上だしな。 

「なので…しばらくは手や口、それとイチャイチャで我慢するようにな?」 

 それも二人っきりの時に聞かせて欲しかったよ…。まあ、とにかく真冬と先生…いや、新菜が妊娠した。だからせめてアレだけは用意しておこうと心に決める俺であった。
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