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駄菓子屋③

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「最近搾り取られ過ぎてまったりと一人発電する時間が取れなくなってしまったんだよ、ばっちゃん」 

「ヒッヒッヒッ…そりゃあ当然さね。女性の性欲を舐めたらおしまいじゃよ?それより話するならお菓子買いな?」 

「当然。駄菓子は買うに決まってんじゃん♪今日は何にすっかっな。ああ、コレにしよう!ばっちゃんコレを3つくれよ!」 

 俺が今日の駄菓子に選んだのはオ◯オンのミニコーラ。コーラ味のラムネ菓子で昔から好きなんだよな。コレも食べだしたら止まらなくてついつい次々に食べてしまうんだよ。 

「はいよ!九十円さねっ」 

「はい、ばっちゃん」 

 俺はちょっとはあるもののお金をばっちゃんに手渡す。 

「それにしても…冷菓は何してんだい?」 

 それなっ!?俺も思ったわっ!?俺が動きづらいのは冷菓が原因なんだよな。俺が駄菓子に顔を出したと同時に素っ気ない挨拶を交わした後から俺の左腕の服の袖を掴んで離さないんだ。 

「べ、別にっ!?何もしてないわよっ!?」 

「服の袖を掴んでるじゃん?」 

「いっ、嫌なのっ!?」 

「嫌じゃないけど…何してんのかなぁ~なんて思ってはいる」 

「い、嫌じゃないなら…その…別にあたしが何しててもいいでしょっ!?」 

 いや…まあ、それは…そうなんだが… 

「嗚呼~っ。なんだい。冷菓はただイチャつきたいだけだったのかい。ヤレヤレだねぇ~」 

「っ!?」 

 そうなのかっ!?なるほどな。どおりで俺の傍から離れないわけなのか…。 

「か、勘違いしないでよねっ!?あ、あんたがっ…他の子の話ばかり…するから…」 

「まったく…わたしゃあの可愛い孫娘を妬かせてんじゃないよ?あんたも気がついてやんなっ?」 

「そ、そうか…。わ、悪いな…その…鈍くて…」 

「…ほ、ホントよっ。それくらいはすぐに…気がつきなさいよねっ!?」 

 そっと…冷菓が俺の服の袖を掴んでいる手に俺の右手を添える…。 

「あっ…」 

「その…なっ?なんでも遠慮せずに言ってくれていいんだぞ?俺はこういうのには疎いからさぁ」 

「…うん」 

「かぁ~~~~~っ ホント、なんだか今日は空気が甘いねぇ~~~っ!甘酸っぱい空気も漂ってる感じだわさっ!冷菓もいい加減その子を部屋に連れ込んて一発ヤっちまえばいいだろうに…」 

「ちょっ!?お、おばあちゃん!?」 

「体も心も合わせてこそ分かる事もあるもんさねっ?わたしゃあなんか今でも現役バリバリよ?現~え~き♪さいきょ~う♪ナンバ~ワ~ン♪ってね」 

「おばあちゃん!!!」 

「おっと…コレ以上言ったら冷菓が怒っちまうね。あたしゃあ奥で休んでるから冷菓、あんたがその小僧の相手をしておくんだよ?ここにいる間はちゃんと駄菓子もその小僧に売るんだよ?」 

 流石商売人だな…ばっちゃん。ばっちゃんが店の奥へと姿を消し…静かな空間が生まれる…。 

「その…さっきの話じゃあないけど…あんたは…あ、あたしと…シたい?」 

「ふぁっ!?べ、別に…その…ゆっくりでも…いいんじゃないか?」 

「…あたし…魅力…ない?」 

 不安そうに俺を見上げる冷菓。俺は顔を寄せて、冷菓の唇に唇を重ねる。 

「…んっ」 

 俺の突然のその行動にビックリしたように一瞬だけ目を見開いた冷菓。でもすぐに目を閉じて…その仕草はまるで熱を確かめるかのよう…。 唇を離すと名残り惜しそうな声が洩れる… 

「あっ…」 

「…その…2回目の…キス…だな」 

「…えっ…あっ……うん…」 

 お互い顔が真っ赤だ。 

「えっ…と…抱きたいか抱きたくないかで言えば抱きたいし…魅力は凄くあるから…」 

「っ~~~」 

「ほら…その…ペースとか…あるだろうし…デートしたりとかも…いいんじゃないかなって…」 

「…あ、あたしと…その…デートしたいって言うなら…えっ…と…付き合ってあげてもいいわよ?」 

 そっぽ向きながら言わなくてもいいだろうにな。まあ、そういうところが冷菓の魅力なんだろうな…。 

「是非」 

「…うん。じゃあ…この後…街に行く?」 

「そうしようか。ばっちゃん、そんなわけで冷菓とデートに行って来ていいかな?」 

「へぇ~。気付いてたのかい?」 

「ちょっ!?おばあちゃん!?い、いつから見てたわけっ!?」 

「「奥に下がったフリしてずっと(じゃな)」」 

「んなっ~~~!?」 

 どうやら冷菓はばっちゃんに気がついてなかったみたいだな。 

「まあ、ゆっくりデートに行ってくるといいさね!」 

「あんがと、ばっちゃん。ほら、冷菓。行こうか」 

「えっ?あっ…うん」 

 その後…冷菓と色々話しながらデートを楽しんだ。まあ、雑貨を一緒に見たり、ゲームセンターに行ったり、ボーリングを楽しんだり…とにかく冷菓とのんびりとした一日を過ごす事が出来て楽しかったのは言うまでもないだろう。
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