貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

文字の大きさ
上 下
27 / 108

体育祭⑤

しおりを挟む
『位置についてっ…』 

 俺はその言葉に走る構えをとる。 

『よ~い…… 【パァァァァンッ!】』 

 スターターピストルの音が鳴ると同時に俺は全速力で走る。 フライングは…ないっ!!完璧なスタートだった。ほんのひと時の間なんだけどトップの座を味わう事が出来た…。まあ、スタートはそんな風にうまくいったんだけど、女子に抜かされていくのは当然言うまでもないよな?

 女子達が速すぎるんだよな…。   

 そんなわけで俺が出場する借り物競争の俺の番が始まったというわけだ。とにかく他の出場選手に抜かされたもののようやくお題の紙が書かれた紙が置かれた場所へと到着。俺を抜かしていった女子達はお題に苦労しているみたいでまだ誰もゴールしていない。 

(チャンスだっ!) 

 俺は紙を手に取り、お題に目を通す……。 

 一度目をゴシゴシ擦ってみる…。見間違いだよな?見間違いであって欲しいなと心に思いながら……。 


 しかし…現実とは非情なものでいくら目をゴシゴシ擦ってみても書かれた文字は変わってくれなかった…。紙のお題はこうだ。 


【脱ぎたてのシミつきおパンチュッ♡※ゴールした後、あなたの手で脱がせる事♡】 


 誰だよ…こんなお題を考えたのは…。モノは流石に分かるよ?アレだろ?前世にあったブ◯セラショップで高値で取り引きされてるアレだよな?着用済みの学生服やらブルマとかやらも扱ってたよな、確か…?なんなら顔写真つきなら値段が高くなかったかっ!? 

 まあ…全部聞いた話だけどな…。

 俺にはとてもとても行く勇気がなかったよ…。勇気を出して中古本屋のアダルトコーナーには行っていたけどな。  
 
 いや…今はそんな事を懐かしんでる場合ではないな?確かにコレならこの世界ではすぐに手に入れられると思う。何故ならば年中発情しているようなものだからだ。問題は誰にお願いするかだよな?ゴールした後、脱がせないといけないしな…。そして誰がそんな状態になっているかが鍵になっていると俺は思う。 

 知り合いをバッ―っと、見渡してみる。母さんは論外。ばっちゃんは…却下…。冷菓はワンチャンイケるかも知れないがさっきの事があるから…却下。ドリル…もとい…ルナ先輩とアリシア先輩は…次の競技に出るのだろう…。その為の準備をしているようなので、次の競技に影響を与えないように却下…。幸子は……まだ濡れているかは怪しいところだな。さっき着替えてたしな。とりあえず保留にしておこう。それに…わ、私…そ、そんなのおぱんちゅにつけてないからと言われそうだな…。 

 真冬と詩織は…視線が熱いな…。

 2人とも間違いなくその状態になっていると俺には分かる…。分かるが…ソレをもらったら間違いなく関係が深く進む予感がある…。 

 勘違いしないでくれよな?俺だって童貞は早く棄てたいんだぞ?しかもこちとらヤリたい盛りなんだぜっ?一時期は確かに欲望に任せて誰でも良いからとか俺の童貞をもらってくれとか思ってたんだけど…最近気付いたんだ…。 

 好きな人と初めての初めての交換ってなんかいいじゃん?って…。憧れだよな?乙女って言うなよ!?そういうシチュエーションに憧れてしまったんだから仕方ないべや?性欲溜まったら特注のオナホールもあるしな…。本物と大差ないって話だし、なんならドリルモデルで童貞は棄ててるじゃんとかは言うなよ? 本物とは違うのだよ…本物とは…。 

 とにかくここまで色々語ってきたわけだが…勝つために決断せねばなるまい。ちなみにここまで僅か数秒の出来事だ。時間の概念とかは気にするな…。とにかく思考を加速させたとでも思ってくれ。 

 そして…俺は覚悟を決めて…真冬と詩織の元へ行く事に…。2人は同じ場所に居るからだ。さて…どっちにするべきなんだろうな。俺の気持ちはまだ決まっていないのに…。優柔不断とでもいうのかな…。情けない事この上ないな…。 

 んっ? 2人が居る場所にもう一人居るな…。表情と何故かモジモジしているのでそういう状態なんだと本能で分かる。安易にソレを告げているようなものだ…。俺は急遽その子にする事にした。スカートだし…脱がせやすいよな? それになにより本人曰く千人切りらしいので脱がせたとしても怒られるくらいで許してはくれるだろうしな。

 そんなわけで… 君に決めたっ!! 

「そんなわけで脱いでくれ」 

「・・・ふぇっ!?」   

「あっ…違った」   

「な、何なんですかっ!?雑魚しぇんぱいはっ!?わ、私をからかいに来たんでしゅかっ!?だ、だから雑魚先輩は雑魚なんですよ~っ」 

「言い方が悪かった。とにかく俺と来てくれ」 

「ふぁ~~~っ!?」 

「お前しか居ないんだ。頼む…」 

「おおおお、お題はっ!?」 

「言えるわけないだろっ」

 真横で真冬と詩織がなにやら話しているが今はスルーだ。 

「しょしょしょしょ、しょんにゃあ…こ、こんな全校生徒の前で私…雑魚先輩に喪失させられちゃうのっ!?」 

「ブツブツ言ってないで、来てくれるか?伊代?」 

「…私で…いいにゃら…」 

 俺は伊代の手を取りゴールへと向かうっ! 

「あわわっわっ!?手っ!?私の手がっ!?」 

 伊代は何やら…走りながらもまだブツブツ言ってるが何とか一位でゴールする事が出来た。伊代よ…本当の勝負はここからなんだぞ?俺の目に間違いはないんだろうが…頼むぞ? 

『さぁー!なんとなんとっ!一位は隼選手!数多の予想を覆したのではないでしょうか!?誰が男性が一位を取ると予想出来たでしょうか!?後はお題があっているかだけで~す!!隼選手、紙に書かれたお題通りの行動をしてください!』 

「伊代…目を瞑ってくれ」 

「しょんな…先輩…その…あの…えっ…と……優しく…お願いしましゅ…♡」 

 ぎゅっと目を瞑り口を尖らす伊代。痛い事はしないから大丈夫だぞ?な~に…俺に変態の名称がつくだけだと思う…。すまないな、伊代。 俺は無我の境地でガバっと伊代のスカートの中に潜り込み… 

「っ~~~!?いきなりそこですかっ!?雑魚先輩!?だ、だから童貞はっ…」 

 バッーっと勢いよく足首までそれを脱がせる。伊代のスカートの中はとてつもなくいい匂いだった事をここに記そうと思う…。尚、あまり見ないように…嘘です。ガッツリと見ています。至近距離から見る事なんてそうそうないので今晩のオカズです。伊代の恥丘は毛も生えてなく綺麗でした…。パイパンというやつですな。 

「………ふぁっ!?にゃっ!?ショーツがっ!?いきなりの立ったまましちゃうのっ!?」 

 何やら伊代が言ってるみたいだが…あいにくスカートの中までその声は届かない。いや、聞こえないように無意識に遮断していたのかも知れないな。俺はそれだけ…集中していたのだろう…。いわば…ゾーンに入っているのかも知れない。そこを脳裏に焼き付ける為に…。 

 とにかく伊代の足首を片方ずつ上げて、それを抜いた。抜いたって言っても自家発電じゃあないぞ?パンツを手にとっただけだ。足首まで下ろしてたからな。

 「頼む…確認してくれ」 

 そして…それを確認する人にお題の紙と一緒に手渡した。 

『っ!?これは…これは見事ゴ~~~~~~ ~ぉぉ~~ルっ!隼選手見事にお題をクリア~っ!!!お題はシミつきおぱんちゅでした!よって!!ここに新たな伝説が刻まれましたっ!!!我が校で始まって以来、借り物競争では男子の一位はありえませんでしたが、それを…それを覆しました!隼選手に大きな拍手をお願いしますっ!!』 


“パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチっ──” 


 まあ、当然の事ながら…伊代には怒られて蹴られてしまったのだった…。プルプル震えながら怒る伊代はなかなか可愛かったの一言だろう。 


「うぅ~~~ 先輩の…ばかっ…」
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

気がついたら無人島!?〜俺が知らない所で神様が勝手に俺の無人島生活を配信していました〜

美鈴
ファンタジー
毎日地球を見守る神様は代わり映えしない退屈な毎日にうんざりしていた。そんな時ふと目に付いたのが、人間がしている動画配信。動画配信に興味が沸いてしまった神様はワシも動画を撮り、編集して、天使達相手に配信すれば面白いんじゃないか?と、思ってしまう。そこから先は流石神様。行動が早かった。そして物語は当の本人達が知らない所で公開されて人気が出てバズっていくのであった…。 カクヨム様でも公開しております!内容が異なる部分もあります。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...