貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

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秘密

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 膝をついてお腹を擦る俊哉。それを見下ろすように立つ葵。2人のそんな様子がどことなくライバルの相対感を醸し出していてカッコよく見えてしまう。 

「おまっ…!?ほ、本気で殴るんじゃねぇーよっ!?マジでアバラが持っていかれたと思っちまったぞっ!?」 

「ボクは悪くない。俊哉が余計な事を言おうとしたからだよ?」 

「はっ!?お前まさか…まだ言ってないのかよっ!?だって事をっ!?」  


「っ!? わ、悪い?」 

「えっ…いつまで拗らせてんだよっ!?いつまで黙っているつもりなんだよっ!?」 

「…うるさい。もう一発いっとく?」 

「ひっ!?か、勘弁してくれ」  

 2人何か言ってるみたいだが…こっちまで聞こえてこない。俺はそんな2人に近付いていく。 

「それにしても葵はいいセンスしてるな?パンチにキレと重みがあったぞ?」 

「そ、そうかい?」 

「いや、照れてるんじゃねぇーよ?豊和も何を褒めてるんだよっ!?俺は殴られてんだけどっ!?」   

「どうせ、俊哉が何か言ったんだろ?」 

「そ、そうなんだよ。俊哉は一言多いからさぁ。豊和はボクの事を良く分かってるね?」 

「そりゃあな。付き合い長いしな?」 
 
「だ、だよねっ…♪」 

「…全然分かってねぇーよ」 

 俊哉が何か呟くように言ってやがる。余程パンチが効いたんだろうな…。南無阿── 

「心の中でお経を唱えんなっ!?俺は生きてるからなっ!?」 

「とにかく…改めて久し振りだね。2人とも」 

「いや、唐突にいかにも今、会ったように話変えんなよなっ!?殴らて久し振りもクソもないからな、葵っ!?」 

「…細かい事は気にしないでくれると助かるかな」 

「全然細かくねぇーよっ!?それに誰も助からねぇよ!!」 

「いや、ホント…久し振りに俊哉と葵の掛け合い見せてもらったけど…やっぱいいよな!面白ぇーよ!」 

「そ、そうかい?」 

「…俺は全く面白くないけどな?」 

「おっと…忘れるところだった。挨拶代わりにっ…」 

「「?」」 

 男友達が集まったならコレをやらないとな?前世で流行ってたんだぜ?俺は俊哉の股間に左手を、葵の股間に右手を添えて──

「友だチ◯ポだぁーーーっ!!!」 

「なっ…なななっ…」 

「──ったく…豊和のそのノリ…どこからくるんだよ…。葵が驚いてんぞ?」 

「馬鹿っ。男同士の挨拶…だろっ?俊哉のは相変わらずというよりフニャチンだが…葵のは…まだまだ小さいみたいだな?な~に、気にする事はないぜ?大きくな~れ!大きくな~れ!って祈りながら自家発電すれば大きくなるからなっ?」

  俺はすかさずサムズアップ! 

「自家発電するのはお前だけだからな?」 

「んっ?葵はどうした?固まってるが…ビックリさせ過ぎてしまったか?」 

「えっ!?いや…急に…その…急に…さ、触られたから…豊和が言うように…その…び、ビックリして…」   

「ああ、悪い。俺だけ触るのもアレだな。手を貸してくれ…」 

「…はっ?」   

 俺は有無を言わせず葵の手を取り、俺の股間へと手を添えさせるっ。ほれ、ニギニギしてみろ?ニギニギだっ!うん。それでいいんだ。 

「俺の大きくなったろ?いつも鍛えてんだぜっ?いつでも童貞捨てられるようにな?」 

「こ、これが…豊和…のっ…うぅっ…!?」 

「ど、どうしたっ!?」 

 葵が急に鼻に手を添え、その場に膝をついた…。 

「お前のせいだよ、お前の…」 

 俊哉は何をブツブツ言ってるんだ!?葵が急に膝をついたんだぞっ!? 

「…だ、大丈夫…だよ、ボクは…。ちょっと…立ち眩みがしただけさっ!」 

「葵…お前鼻血が出てるぞっ!?ちょっと…待ってろ?」   

「ふぁっ!?」   

 俺はハンカチを取り出し、葵の鼻に添えてやる。顔が真っ赤になってるところを見ると…久し振りに俺達に会えて…興奮してしまったんだろうな?葵のやつ…友達少ないみたいだからな。 

「違う違う…。お前のせいだよ、お前の。お前ホント容赦ねぇな?知らないから当然か?お前が葵に鼻血を出させてんだぞっ?」 

「俊哉?ブツブツ言ってないでお前も葵を心配しろよ?」 

「いや、葵は大丈夫だと思うぞ?ある意味興奮してるだけだろうから…」 

「いやいや、大丈夫じゃねぇーだろ?」 

「と、俊哉…あ、後で…憶えてなよ?ボクの渾身のボディーブローが炸裂するからね?」 

「お前…豊和にハンカチを添えてもらった状態でよくそんな強がれるな?豊和のをニギニギして興奮しただけだろうにっ」

 「にゃにを~っ!?ばっ!?馬鹿にゃ事をっ!?」 

「ホント…俊哉と葵は仲がいいんだか…悪いんだか…あっ!?」 

「ど、どうしたの?」 

 葵が心配そうに聞いてくる。 

「俊哉っ!急に腹が痛くなってきたからちょっと葵の事を頼むなっ?」 

「あっ…おいっ?」 

 俺は俊哉の返事を待たずにトイレに駆け込む事に。しかもこんな緊急時に限ってトイレって誰か入ってて困るんだよなっ!?俺は一度だけドアをトントンと軽く叩き、待ってますと知らせる。そして入っている人がトイレから出て来るのをお尻を押さえながら待つのだった…。 

 頼むから早く出てきてくれよなっ!?早く出てきてくれないと悲惨な事になっちまうぞっ? 





♢ 


「それにしても…鼻血出してる場合じゃないんじゃねぇの…葵?」 

「…どういう意味?」 

「お前…確か詩織と同じ女子校だったよな?」 

「詩織って…五条詩織の事かい?」 

「そうそう、その詩織」 

「同じクラスだし、確か…中学生の時に俊哉達と一緒に居たのを見た事があるよね…?それがどうかしたの?」 

「一応…お前とも友達だから教えておいてやるけど…告白したらしいぞ?」 

「………はあっ?誰が誰に?」 

「詩織が豊和にに決まってんだろ?」 

「いやいや…ちょっと待って?詩織って子は俊哉の事が…」 

「それ、豊和から聞いたんだろ?間違った情報だからな?とにかくすでに告白していて、この間は結ばれる手前だったらしいぞ?キスして舌入れてやったって嬉しそうに言ってたし」 

「はっ、はぁっ!?!?!?ちょっ!?情報量が多すぎるっ!?えっ?ボクは?ボクはどうすればいいのっ!?」 

「まずは男じゃない事から伝えないとマズイんじゃないか?知らんけどっ…」 

「し、知らんけどっ…ってどういう事だい!?ボク達友達だよねっ!?どうにかしてくれっ!?」 

「いやだね」 

「どうして!?」 

「お前が俺を殴ったからだよ…。ほら、謝れば協力してやらんこともないぞ?」 

「ほぅ…ボクに謝れと?」   

「おいっ!?構えんなっ!?拳を下ろせ!協力してやっから…なっ?なっ?」 

「くっ…ゲームしている場合じゃなかったか…」 

「それは当たり前だろうに?」 

 俺がトイレに行ってる間にそんなやり取りがあった事を俺は知らない…。 

「くっ…あと一切れがなかなか出やがらねぇ~。ふぬぬぬっ…」

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