貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

文字の大きさ
上 下
19 / 108

駄菓子屋②

しおりを挟む
「──そんな訳でさぁ~。実質4人…いや、5人か…。真冬に詩織に先生でしょっ♪それからルナ先輩にアリシア先輩まで♪これってモテ期だよな?モテ期でしょっ!?間違いないっしょっ!?なあなあ、ばっちゃんっ!そう思うだろっ!?思うよなぁ~!」
 

 俺は学校帰りに聖域へと訪れていた。ばっちゃんに話を聞いて貰う為だ。初めてのモテ期で自慢したいというのもあるんだけどな。 

「ああ~ん?あんだってぇ~?」 

「いや、だから…俺のモテ期がようやく来たよなって話だよっ!?」 

「んなこたぁ~どうでもいいから駄菓子を買いなっ?」 

「いや、ここは俺の聖域よ?そりゃあ…勿論お菓子は買うけどさぁ~」 

「俺の精子がどうしたってぇ?」 

「いや、精子じゃねぇよっ!?聖域だよ、聖域!」 

「わたしゃあの中が聖域とっ!?んじゃあ…足を開くから勝手に注いどくれっ…」 

「だから違ぇーよっ!?足を閉じてくれっ!オムツを外すんじゃないよっ!?好意を伝えてくれた女性がいるのに何で今更ばっちゃんに童貞を捧げないといけないんだよっ!?」 

「チッ…」 

「えっ?舌打ちっ!?舌打ちしたろ?どっちかというと舌打ちするの俺じゃねっ!?」 

「んで…今日は何買うんだい?」 

「聞いてねぇー!このばっちゃん、人の話を全く聞いてねぇーよっ!?まあ、とりあえず日本一長~いチ◯コ棒をくれる?」 

「あいよ、400万だね」 

「はい、40円!」 

「ゼロが1個足りないよっ?」 

「ボッタくろうとしないでくれる?」 

「ヒッヒッヒッ…」 

「笑って誤魔化すなよな、ばっちゃん…」 

「それにしても…一気に5人もかい?」 

「ちゃっかり聞いてんじゃんかっ!?」 

「客商売だよ?耳と口は商人の武器だわさ」 

「だわさなんて久し振りに聞いたわ」 

「イッヒッヒ…そうかい?」 

「うん」 

 ばっちゃんとそんな話をしていると… 

「あんたっ…また来たわけっ?」 

 うわっ…この声…。この嫌な感じは…。 恐る恐る声の方に視線を向けると…嗚呼…やっぱり居るよ…。俺の聖域をおびかす存在が…。 

「ふんっ!何か言いなさいよっ?それとも童貞拗らせすぎて言葉も喋れなくなったわけぇ?」 


 その存在は駄菓子屋の入口で仁王立ちしながらそんな辛辣な言葉を俺に向けてきた。 俺と同じ年齢で黒髪のツインテール…。まあ、彼女もまた超が付く程の美少女なのだがこんな感じで非常に口が悪い…。俺の天敵だ。 

「おかえり、冷菓れいか」 

「ただいま、おばあちゃん」 

 名前通り、冷たい息や言葉を発する事が出来る女の子だ…。 

「ちょっとぉ!?何言ってるわけぇ!?冷たい息なんて出せる訳ないでしょっ!?あんた、本当に馬鹿なのっ!?」 

「…心を読むんじゃねぇよ」 

「あんたが勝手に口に出したんでしょうがっ!?」 

 やべっ…口に出てたか?気をつけないと倍以上になって返ってくるからな…。くわばらくわばら…。 

「冷菓…これでも客だよ?」 

「ばっちゃんも何気に酷いけどな?あっ!それと腹減ったからお湯をくれる?ブ◯メンのとんこつ味を食べたいから…。はい、50円ね」 

「はいよっ!ちょっと待ってなっ?お湯沸かしてくっから」 

「ちょっ!?ばっちゃん!?どこに行くのさっ!?お湯なんていつもそこの電気ポットに用意してるべっ!?」 

「電気ポットが壊れちまってねぇ…とにかくわたしゃあがお湯を沸かしてる間は冷菓があんたの相手をしてくれるさっ」 

「ちょっと!?おばあちゃん!?」 

「ちょっとは俺のセリフでは…?」 

「うっさいっ!あんたは黙ってなさいよっ!」 

「とにかく…頼んだよ、冷菓?」 

「んもぅ~ おばあちゃんったら…」 

 ばっちゃんは俺達2人を尻目にすごすごと店の奥へ…。くっ…冷菓と2人になるとは…。こんな事ならブ◯メン頼むんじゃなかった…。でも、うまいし喰いたいし…仕方ないか…。ばっちゃんが戻ってくるまで静かにしてればいいか。 


「「……………………………………」」 


 マジで気まずいのだが? 

「──で、あんたは今日は何の話をしに来たのよ?」 

「いえ…特には…」 

「は、はぁーっ!?そんな訳ないでしょっ!?あんたがここに来る時はだいたい愚痴とかじゃないのっ!?馬鹿にしてんのっ!?話をわざわざ振ってあげてるんだから、あたしに感謝して話しなさいよねっ!?」 

 うぜぇ~…マジうぜぇ…。何でいつも俺はこうガミガミガミ言われないといけないのだろうか?俺が何かしたか?俺が童貞だからか?くっ…馬鹿にすんなよ?もうすぐ童貞と別れてやるんだからねっ!?

 たぶん…その日は近い筈だ…。

 「…分かった分かった。話すから…そうガミガミ言うの止めてくれっ…。そんなにガミガミうるさかったら美人が台無しなんじゃないのか…?」 

「ふぇっ!?ふぁっ!?わ、私が美人なのは…そのあの…あ、当たり前でしょっ!?わ、分かりきった事は言わないでくれりゅっ!?」 

「へいへい…」 

「は、早く言いなさいよっ!し、仕方ないから…この私が聞いてあげるわ」 

「仕方なくなら聞かなくてもいいんだぞ?」 

「馬鹿なのっ!?聞くって言ってるんだからとっとと話なさいよっ!?」 

「実はかくかくしかじかで…」

「あたしを馬鹿にしてるのっ!?かくかくしかじかって言われても分かるわけないでしよっ!?」 

「そりゃあ…そうだな。実は…自慢じゃないけども…5人から告白されてな?」 


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」 

「どうした?目が点になってんぞっ?」 

「ななななな、なってないわよっ!?」 

「んっ?目にゴミでも入ったのか?」 

「…な、何で…そんな事言うのよっ?」 

 冷菓は自分で気がついていないのか? 

「…ったく…しょうがないな…痛いのか?」 

 俺はハンカチを取り出し、冷菓の頬に添える…。 

「…んなっ!?」 

「ほら、動くなって…涙が出るほど痛いんだろ?」 

「…い、痛く…ないし…泣いてないっ…」 

「そんな事言っても…出てるんだから仕方ないだろ?大人しくしとけ」 

「なんで…急にっ…そんな事にっ…ううっ…」 

 何で急に涙が出て来たのかって?だから目にゴミが入ったんだろうに…。 

「ほら、お湯…って、あんたはわたしゃあの可愛い孫娘を泣かせてるんじゃないよ!?」 

「泣かせてねぇーよ!?目にゴミが入ったみたいだからハンカチあててんだよっ!?見て分かるだろ、ばっちゃん!?」 

 全く…とんだ濡れ衣を着せられたもんだよ。今度この聖域に来る時は…冷菓が居ない時間帯を見計らって来ないとな…。ブ◯メンにお湯をしっかりと入れてもらい、自宅への帰り道に歩きながら美味しく頂いたぜ?行儀は悪いけどな…。ちゃんと食べた後のゴミは自宅でほかしたからな?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...