上 下
14 / 108

後輩の家で…

しおりを挟む
~伊代視点~ 


  
 みなさんお気づきでしょうか?雑魚先輩…いえ、大好きな先輩と一緒に私はツ◯スターをする為に私の自宅へと向かっているのですが… 私の言葉をスルーした先輩にお気づきですか?私はこう言いましたよ…。 

「ななな、何を言ってるんですか、このざ~こ先輩はっ!?私が勝ったらアレですよ、アレ……先輩の童貞を私がもらってあげますよ!わ、私もその…た、溜まって…ますしね!わ、私の性処理の道具になってもらいますよっ!?」 

 私はそう言ったんですよっ!?先輩の童貞を私がもらってあげると!いつもの先輩ならもっと食いついてくる筈なんですっ! 

『マジかっ!?』 

『またまたあ~どうせくれないんだろ?』 

『それ、俺が絶対に負けたいって思うやつや~ん…』 

『た、溜まってる?溜まってるって…マジかっ!?』 

『ししししし、仕方ないから俺が相手に…な、なってやろうか?』


 ──などなど。そんな風に言ってくる筈なんです!それか…似たような事を言ってくると予想していたんです!! それなのに…平然とした様子で… 

「…分かった。良いだろう!勝負の場へ案内してくれ…」 

 そんな風にキリッっとした表情で言ってくるなんて…。カッコ良かったですけど…♡で、でも…穴開きのショーツには反応したのに…。

 とにかく何かがおかしいんですよ!?先輩に何かがあったに違いありません! も、もしかして…私が嫌いだとか?あ、ありうる…。私ってこの通り、素直に…なれないから…。やっぱり嫌ですかね?ざ~こざ~こって先輩を煽る後輩なんて……。 

 生意気としか…思われないかな? 

「伊代はどうしたんだ?少し暗い顔をしてないか?」 

「な、何でもないですよ…雑魚先輩」 

 また…雑魚って言っちゃった…。馬鹿だなぁ~私…。 

「何でもなくはないんじゃないか?もしかして…勝負が嫌とか?」 

 そういうところ…そういうところですよ…先輩?女性に対しての恐怖心なんて殆どなくて…それどころか、関係を持ちたいって必死で…。でも…こんな私にも…誰に対してもですが…優しくて…。 

「そんな訳ありません!そ、そう言いながら私の胸でも見てるんじゃないですか?雑魚先輩はっ!?」 

 私は先輩の事を考えていたのを悟られたくなくて…また…そんな事を言ってしまう…。ううっ…私の馬鹿っ…。 

「み、見てないがっ!?」 

 あっ……ふふっ…見てはいたんですね?今日はちょっと大胆にキャミソールだし?胸元が見えてるしね…。この服装に決めた自分とゲームセンターに行った自分を褒めてあげたいです。 

「し、仕方がないなぁ~。雑魚先輩は女の子と手なんか握った事ないでしょうし?嫌なんですけど…ものすご~くしょうがなくなんですけど…私が雑魚先輩と手を繋いであげますよ…ほらっ、雑魚先輩…手っ…」 

 手を差し出すと先輩は握り返してくれた…。大きな手が私の指に絡み合い……… 

「せっ…(んぱいっ…)!?」 

「んっ?どうかしたか?」 

「何でもありません~~~」 

 私は恋人繋ぎをになってる事を指摘しようとして…止めた…。先輩は…馬鹿だから無意識に恋人繋ぎしてるとは思ってもいなんだろうなぁ…。それに…意識されていないんだろうし…。それを思うと少し悲しくなっちゃう…。 

 でも…手を繋いでいると自然と何だか頬がニヤけてきてしまう。せめて…家に着くまでは…絶対に離してあげませんからね…先輩♡ 




♢ 


 あれ…今更ながらに思ったけど…何か忘れてないか?黒歴史を広められない様に勝負を受けたのはいいんだけど…何だか大事な事を忘れている気がするんだけど…気のせいだろうか? とにかく俺は伊代に連れられ伊代の家へ。手を繋いであげると言われた時は正直ドキドキしてしまったぞ。ふっ…態度には出さなかったけどな。狼狽えるとまた揶揄われそうだし、なにより真冬と詩織との事で俺の経験値が上がった賜物だろうな。 

「ここが私の部屋です!部屋の中で待っていて下さい。飲み物を準備してきますので!雑魚先輩はくれぐれも…くれぐれもタンスの中を覗かない様にしてくださいね?絶対ですよ?フリではないですからね?」 

「覗かねぇーよ!?何で2回言ったっ!?流石にそんな事しねぇーぞ!?」 

「まあ、いいです。とにかく中で大人しく待ってて下さいね、雑魚先輩?」 

「…ああ」 

 部屋のドアを開け、部屋の中へ足を踏み入れる。同時に女の子部屋っていう感じの独特な甘い香り…。部屋の中を見渡すと女の子らしくところどころヌイグルミが飾られており、机にベッド…それにタンスが置かれているのが視界に入ってきた。 

 俺はちょこんと部屋の中央辺りに腰を下ろした。そこでようやく思い出しのだ。 

『…女の子の部屋に上がり込む意味分かってんのっ?しかも年頃も年頃の女の子の部屋だよ?そんな場所に泊まるんだよ?』 

 詩織が言ったその言葉を…。泊まりはしないけど、コレってそういう事になるのかっ!?いやいやいや…あの伊代だぞ?勝負するだけに決まってるよな?でも…俺が勝負に負けたら…ゴクッ……や、ヤるの…か?本当に?で、でも…童貞は…好意を持っている女性に捧げようと決め──


 “ガチャッ──” 


「──雑魚先輩!タンスは開けてないでしょうね?」

 “ビクッ!” 

「ひゃ…ひゃい…何もしていま…あがっ─」 

 開いた口が塞がらないとはこの事を言うのだろう…。突然部屋のドアが開き、伊代の声にビックリしたわけではない…。 俺が驚いたのは… 

「どうしました…雑魚先輩?あっ…もしかして…雑魚先輩には刺激が強すぎましたかね?や~い、ざ~こざ~こ♡」 

 伊代のその姿に驚いたんだ。 なにせ…伊代はスクール水着を着用していたのだから………。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女貞操逆転世界で、自己肯定感低めのお人好し男が、自分も周りも幸せにするお話

カムラ
ファンタジー
※下の方に感想を送る際の注意事項などがございます! お気に入り登録は積極的にしていただけると嬉しいです! ーーーーーーーーーーーーーーーーーー あらすじ    学生時代、冤罪によってセクハラの罪を着せられ、肩身の狭い人生を送ってきた30歳の男、大野真人(おおのまさと)。  ある日仕事を終え、1人暮らしのアパートに戻り眠りについた。  そこで不思議な夢を見たと思ったら、目を覚ますと全く知らない場所だった。  混乱していると部屋の扉が開き、そこには目を見張るほどの美女がいて…!?  これは自己肯定感が低いお人好し男が、転生した男女貞操逆転世界で幸せになるお話。 ※本番はまぁまぁ先ですが、#6くらいから結構Hな描写が増えます。 割とガッツリ性描写は書いてますので、苦手な方は気をつけて! ♡つきの話は性描写ありです! ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 誤字報告、明らかな矛盾点、良かったよ!、続きが気になる! みたいな感想は大歓迎です! どんどん送ってください! 逆に、否定的な感想は書かないようにお願いします。 受け取り手によって変わりそうな箇所などは報告しなくて大丈夫です!(言い回しとか、言葉の意味の違いとか) 作者のモチベを上げてくれるような感想お待ちしております!

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...