その結末は俺が許さない!!

 人間50年、長く生きれば納得がいかない結末や、自分の意思で選ぶ事が出来ない選択肢に涙する事くらいある。

 未来を、過去を変える事が出来るならば・・・・・誰もが一度は願う夢物語。

 俺は十分苦しんだ、人生もそろそろ幕でいいよな?
 駅のプラットホームで、これからどうしようかと悩んでいると、自分と同じ淀んだ目をした少女が目の前を通り過ぎた。

 「まもなく、1番線を電車が通過します。危険ですから、黄色い線から身を乗り出す事の無い様お気を付けください」

 その少女は歩みを止めない
・・・・もしかしてコレ、あかんやつじゃ?
 財布の中身だって一食分も残って無い、守る物も未来への希望もどこかに置き忘れた。
 最後くらいは自分で決断して、自分で変えてみたい!

 走り出すと同時に一瞬、遠い過去が頭を通り過ぎていった。
 あの時にどうして、一歩踏み出せなかったんだろうか?
 ホームから路線に踏み出し、落下寸前だった少女を、強引に引き寄せ・・・入れ替わる時に告げた

「その結末は俺が許さない!!」

 自己満足なの分かっていたが、路線に落下しながら俺は、人生で一番満足していたのだ。


「なんだソレ?つまんねぇ人生だなぁ!おい」

 意識が戻った時に初めて聞かされたのは、そんな罵倒の言葉だった。

 「俺はハッピーエンド専門なんだ、お前は・・・アレだ、もう少しがんばりましょうって奴だな」

 全周囲見渡す限り真っ白な空間で、唯一目の前に浮かんでいる、豆電球くらいの小さな光が語りかけてくる。
 
 「まぁ、パッとしない人生だったけど、最後に逆転ホームラン?飛んだのはお前だったけどな!」

 「だからよぉ!その結末は俺も許せねぇなぁ!おい!!」

 ここから人生がもう一度・・・・廻り始めた
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