想紅(おもいくれない)

笹椰かな

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やりたい盛りの恋人

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そう考えたら心の中がぐちゃぐちゃに乱れて、私の羞恥心は限界に達してしまった。
「もうだめ!」
 そう叫びながら、慌ててスカートを下ろす。私の痴女じみた行為は、結局五秒くらいしか保たなかった。
 たった数秒間だとしても、兄さんにアソコを見られてしまったことが恥ずかしくて、私はスカートを押さえたまま動けなくなってしまった。自分から見せたくせにこんな風になってしまうなんて、端から見たらきっと馬鹿にしか見えない。
 そんな女子中学生の繊細な気持ちなんてお構いなしの従兄さんは、空気の読めない発言をした。
「椿、もっと見たい。お前のマ×コをもう少しだけ見せてくれ」
 マ×コ。その言葉を聞いて、ただでさえ熱を宿している顔が余計に熱くなってしまった。
「やだ……やだ……もうだめ……恥ずかしい……」
 目に涙が滲んでくるのを感じながら、首を左右に振って拒絶すると、従兄さんの吐き出す息がまた荒くなった。
 それを聞いて、このまま襲われてしまうんじゃないかと不安になった私は、目線を上げて恐る恐る従兄さんを見た。そうして愕然とした。何故なら、従兄さんの穿いているチノパンの中心が膨らんでいたからだ。
「いやっ!」
 思わず叫びながら後ずさると、足がもつれて後ろにあるベッドの上に倒れてしまった。慌てて起き上がろうとしているうちに、いつの間にか従兄さんが目の前まで来ていた。
 襲われるーー頭の中が恐怖でいっぱいになった私は、思わず泣きながら叫んだ。
「襲わないでっ! ひどいことしないでっ!」
 すると従兄さんは、困ったような声を出した。
「襲わないから、落ち着いてくれ」
「でも、股のところが……膨らんで……」
「好きな女のマ×コを見たら、男は自然とこうなるしかない。生理現象だ」
「やだ……」
「お前のクリトリスを弄った時だって、こうなってたんだぞ。今更だ」
 知りたくなかった事実を知らされて、私はどうしていいのかわからなくなった。男の人が興奮すると勃起しちゃうのは知識として知っていたけれど、実際にそれを見ると複雑な気分になる。
「男の人って、怖い」
 私は上半身を起こしながら、思ったことを口に出してしまっていた。
「俺のことが怖くなったか?」
「うん……」
 正直に頷くと、従兄さんは少し寂しそうな顔をした。もう、すぐそういう顔するんだから。良心が痛むじゃない。
「キスをしたり、身体を触られたりするのも嫌になったか?」
 さっきの会話の後にそういうことをストレートに訊いてくるところが、従兄さんらしかった。スケベすぎる。
「従兄さんのドスケベ」
「すまない。でも、俺にとっては死活問題なんだ」
 そんなことが死活問題になるわけないじゃない。……でも、ちょっとだけ嬉しいと思ってしまった。私って、やっぱり変態なのかもしれない。だって、従兄さんの言葉に簡単にほだされてるんだもん。
「キ、キスされたり、触られたりするだけなら、大丈夫だよ」
 私が小さな声音でそう答えると、従兄さんってば「なら、今キスしてもいいか?」なんて言ってきた。調子に乗りすぎ。
「今はだめ! それに、さっきしたばかりじゃない」
「し足りない。もっとしたいんだ」
 そう話す従兄さんの股間はまだ膨らんでいる。……セックスできない代わりに、キスしたいの?
 それにしても、今日の従兄さんはいつにも増してスケベだし押しが強い。もしかして、今日は普段よりも性欲が高まっているのだろうか。二人きりで部屋の中にいるから、変な気分になっちゃったのかな?
 もしそうだとしても、だめなものはだめ。だってキスされたら……また気持ちよくなっちゃうかもしれないから。そうなったら、またアソコが濡れちゃう。そんなの、だめ。
「だめ。我慢して」
 そう言ったのに、従兄さんが身体を寄せてきた。そのまま私の両肩を掴んでから、顔を近付けてキスをしようとしてくる。
「やだっ、変態っ!」
 罵倒しながら、私は思い切り顔を背けた。すると、耳や首筋に温かくてぬめっとしたものが這い回り始めた。すぐにその正体が舌だと気付く。
「ひゃうっ!」
 肩を竦めながらくすぐったさに悲鳴を上げると、今度は頬や首筋に繰り返しキスをされた。ちゅっ、ちゅっ、という音が耳元で響く。くすぐったくて、背筋がぞくぞくしてきてしまう。
「くすぐったい……やめて……」
 震える声で制止を求めたら、素直にキスが止んだ。だけど、代わりに掴まれている肩を強く後ろに押されて、上半身をベッドの上に倒されてしまった。ーー今度こそ襲われる!
「いやぁっ!」
 恐怖で叫んだ私に向かって、覆い被さってきた従兄さんが囁いた。「大丈夫、キスするだけだ」
 キスだけでもだめーーそう抗議する間もなく強引に唇を塞がれた。すぐに厚い舌が唇の間から入り込んできて、口内で暴れ回り始める。
「ンンンンッ!」
 やだっ。口の中、まためちゃくちゃにされてるっ。だめっ、だめっ! そう思って何度も抗議の声を出したけど、全部間抜けな「ンンンン」という音にしかならない。
 ちゅっ、ちゅっと音を立てて唇を吸われた後、従兄さんの口から繰り返し唾液が流し込まれてきた。それを思わず飲み込んでしまいながら、私はどうしようもなく興奮していた。
 従兄さんの唾液、飲まされてる……。いっぱい飲んじゃってる……。
 気付いた時にはアソコから粘液が一気に溢れ出ていた。クリトリスも勃起して、ぴくぴくと脈打っている。
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