83 / 200
〘83〙混浴注意
しおりを挟むアカラギは平然とハルチカの陰部に触れてくるため、「ふッ、あッ、」と声がでてしまい、膝がふるえた。カリヤとの枕席に異様なほど熱中してしまったハルチカは、アカラギによって風呂椅子に坐らされ、躰を洗ってもらう。肌襦袢姿のアカラギは、ハルチカの内股をのぞき込むと、「力を抜いてろ」という。
「あッ、ぁんんッ!」
ツプッと体内に指が挿入され、内腔をさぐるアカラギは、トロッとした体液を掻きだした。腰が痺れるような感覚に、思わず「ひん、ひん」泣いてしまうと、アカラギに苦笑された。
「おまえも大概だな。そんなに気持ちよかったのか。」
「……ち、ちが! これは、哥さんが……! あぅッ!?」
アカラギは、グッと、深いところへ二本の指を挿れてきた。ズキッとした痛みを感じたハルチカは、「やァッ!」と、反射的に叫んだ。
「い、痛い……ッ、哥さん! そこ……は……痛いよ……。なにするの……?」
「よく覚えておけ。今後、枕席で、これ以上は挿入させるなよ。傷ついて、出血してからでは遅い。おまえの性感帯は比較的浅いところにある。もう少し頭を使え。」
「……うぅッ、そんなこと、云われなくても、おれだって、ちゃんと考えて……、ひッ!? う、うわ! 指、痛い……ッ!」
グリッと内奥を刺激され、ハルチカはアカラギの肩を摑み、ガクガクと全身の筋肉が引きつけのような痙攣を起こした。実際、アカラギは深部の少し手前をとらえていたが、二本指をひろげるように動かすため、快感より苦痛を伴った。
「ご、ごめんな……さ……い……ッ、哥さ……ん……、ゆ、赦して……、指、はやく抜いてぇ……!」
アカラギは性教育の指導として、わざとハルチカに苦痛をあたえ、安全領域を学習させた。痛みを感じても、ハルチカの欲望は変わらない。にわかに勃ちあがろうとする陰部を、アカラギはもう片方の手を使い、やさしく宥めた。ようやく指を引き抜かれた瞬間、ハルチカは前のめりに倒れたが、哥の躰が受けとめてくれた。
「……ハァハァッ、……うッ、うぇえッ、に、哥さんの、ばかぁ……、」
「これくらいで泣くな。」
「……うぅッ、な、泣きやんだら、いっしょにお風呂、はいってくれる?」
「上級男娼が甘えるなよ。」
「だって、おれ……、おれは……、」
ハルチカを泣かせてしまったアカラギは、しかたないとばかり、肌襦袢を脱いで裸身になると、青年を抱きあげて湯船に浸かった。しばらく、疲れきった身体をあたためていたハルチカは、気持ちがおちつくと、涙を指ではらい、かたわらのアカラギを見つめた。哥の顔は、誰にも似ていない。カリヤは、哥と類似した感覚をあたえてくる男だが、ハルチカは、改めてアカラギの存在に惹かれた。
「なんで、哥さんって、そんなに……、」
完璧なのか。ことばの途中で息をのんだハルチカは、口唇を重ねてきたアカラギと舌を絡め合った。枕席でのカリヤは、いちども口唇を奪わなかったが、アカラギは、ハルチカの熱視線が求めるものを理解して、気息を合わせてくる。
「んんッ、にぃさ……ん、……ふッ、んッ、んァッ!」
湯船の下で、互いの下半身を密着させて長い口づけにおよぶ。立ちのぼる湯気のように、ふたりの欲望も昇天した。ヌプッと、待っていた感触を得たハルチカは「あァんッ!」と身悶えた。今夜は週末である。アカラギの性教育が開始され、ハルチカは挿入された陰茎の尖端がたどりつく先に、ゾクゾクと腰をふるわせた。先程の指よりも深くアカラギの男根を受けいれたいと思ってしまうハルチカは、絶対領域の最奥まで導いた。
✓つづく
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説



男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる