曙花町男娼夜鷹坂

み馬

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〘83〙混浴注意

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 アカラギは平然とハルチカの陰部にれてくるため、「ふッ、あッ、」と声がでてしまい、ひざがふるえた。カリヤとの枕席に異様なほど熱中してしまったハルチカは、アカラギによって風呂椅子バスチェアに坐らされ、躰を洗ってもらう。肌襦袢じゅばん姿のアカラギは、ハルチカの内股をのぞき込むと、「力を抜いてろ」という。

「あッ、ぁんんッ!」

 ツプッと体内に指が挿入され、内腔をさぐるアカラギは、トロッとした体液を掻きだした。腰が痺れるような感覚に、思わず「ひん、ひん」泣いてしまうと、アカラギに苦笑された。

「おまえも大概だな。そんなに気持ちよかったのか。」

「……ち、ちが! これは、にいさんが……! あぅッ!?」

 アカラギは、グッと、深いところへ二本の指をれてきた。ズキッとした痛みを感じたハルチカは、「やァッ!」と、反射的に叫んだ。

「い、痛い……ッ、哥さん! そこ……は……痛いよ……。なにするの……?」

「よく覚えておけ。今後、枕席で、これ以上は挿入させるなよ。傷ついて、出血してからでは遅い。おまえの性感帯は比較的浅いところにある。もう少し頭を使え。」

「……うぅッ、そんなこと、云われなくても、おれだって、ちゃんと考えて……、ひッ!? う、うわ! 指、痛い……ッ!」

 グリッと内奥を刺激され、ハルチカはアカラギの肩を摑み、ガクガクと全身の筋肉が引きつけのような痙攣を起こした。実際、アカラギは深部の少し手前をとらえていたが、二本指をひろげるように動かすため、快感より苦痛を伴った。

「ご、ごめんな……さ……い……ッ、哥さ……ん……、ゆ、赦して……、指、はやく抜いてぇ……!」

 アカラギは性教育の指導として、わざとハルチカに苦痛をあたえ、安全領域を学習させた。痛みを感じても、ハルチカの欲望は変わらない。にわかに勃ちあがろうとする陰部を、アカラギはもう片方の手を使い、やさしくなだめた。ようやく指を引き抜かれた瞬間、ハルチカは前のめりに倒れたが、あにの躰が受けとめてくれた。

「……ハァハァッ、……うッ、うぇえッ、に、哥さんの、ばかぁ……、」

「これくらいで泣くな。」

「……うぅッ、な、泣きやんだら、いっしょにお風呂、はいってくれる?」

「上級男娼が甘えるなよ。」

「だって、おれ……、おれは……、」

 ハルチカを泣かせてしまったアカラギは、しかたないとばかり、肌襦袢を脱いで裸身になると、青年を抱きあげて湯船に浸かった。しばらく、疲れきった身体をあたためていたハルチカは、気持ちがおちつくと、涙を指ではらい、かたわらのアカラギを見つめた。あにの顔は、誰にも似ていない。カリヤは、哥と類似した感覚をあたえてくる男だが、ハルチカは、改めてアカラギの存在に惹かれた。


「なんで、にいさんって、そんなに……、」


 完璧なのか。ことばの途中で息をのんだハルチカは、口唇くちびるを重ねてきたアカラギと舌を絡め合った。枕席でのカリヤは、いちども口唇を奪わなかったが、アカラギは、ハルチカの熱視線が求めるものを理解して、気息を合わせてくる。

「んんッ、にぃさ……ん、……ふッ、んッ、んァッ!」

 湯船の下で、互いの下半身を密着させて長い口づけにおよぶ。立ちのぼる湯気のように、ふたりの欲望も昇天した。ヌプッと、待っていた感触を得たハルチカは「あァんッ!」と身悶えた。今夜は週末である。アカラギの性教育が開始され、ハルチカは挿入された陰茎の尖端がたどりつく先に、ゾクゾクと腰をふるわせた。先程の指よりも深くアカラギの男根を受けいれたいと思ってしまうハルチカは、絶対領域の最奥まで導いた。


✓つづく
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