恭介の受難と異世界の住人

み馬

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第343話〈無知のヴェール〉

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 さすがに、側近候補生から仕える主人を指名できるとは思えない。そこで恭介は、ジルヴァンに直接たずねることにした。前回の共寝では緊迫した時が流れたものの、今回は呼び出しに応じて恭介が寝間ベッドルームに姿をあらわすと、ジルヴァンのほうから抱きついてきた。

「よく来た、キョースケ!」
「ああ、こんなに早く呼んでもらえて嬉しいよ。」
「そうかそうか!」
接吻キスしてもいいか?」
「うむ、許す。」

 扉を背にして抱き合い、深い口づけを交わす。もはや、恋人同士の時間をへだてるものは何もない。義兄ルシオンの動向には今後も注意が必要だが、すべてを打ち明けてジルヴァンとより親密な関係を築きあげた恭介は、少しの自信と勇気を胸に、どんなことが起きても乗り越えてみせると心に誓った。

(……しあわせだな。オレは今、すごく幸せを感じる。……そうだ、アミィとレッドはどうしているだろう。ザイールとボルグさんも、うまくいくといいンだけど。ああ、ユスラとシグルトもだな。みんな、それぞれの幸せを手に入れて欲しいと思う。オレだけが、こうも充実してたら気が引けるからな……。シリルくんとゼニスさんのふたりは、オレなんかが心配しなくても、きっと幸せに暮らしているはずだ……)

「うわっ、キョースケ!?」
「ははっ、キミは軽いな。」
「む、むぅ、そうなのか?」
「ああ。すごく。こうして、ずっと抱きあげていたいくらいだ。キミの体温は安心する。」
「……キョースケ、」

 恭介はジルヴァンをお姫様抱っこして寝台へ移動すると、まずは共寝に集中した。カラダを通じ合うとき、マグナの授業内容が頭に浮かんでしまった恭介は、思わず吹きそうになった。欲望の肉塊かたまりで体内領域の深部を突くと、ジルヴァンは「はぁんっ!」と、なまめかしい声をあげた。

「キョースケめぇ……! き、貴様きさまのものが、いつもより大きいのではないか!?」
「そうか? いつもこんなモンだろ。」
「いや、ちがう。ちがうぞ! この感覚はなんなのだ!?」
「痛いのか?」
「い、痛くはないが……、」
「なら、続けるぞ。」
「あっ、こら! 少し待て!! ひっ!? あぁっ!!」

 色々と吹っ切れたようすの恭介から積極的に腰を振られ、ジルヴァンは「あんあん」と身悶みもだえた。互いの肉体を熟知してきたせいか、刺激と快楽をより感じやすくなっていた。恭介はジルヴァンと激しい性交セックスをして、極上の時間を過ごした。何度でも高ぶる胸の昂揚感は、果てるところを知らない。恭介もジルヴァンも、乱れた呼吸が整うまで、寝台で横になった。

「……キョースケよ。」
「なんだ?」
「この前の話だが……、」
「オレが日本人だって話か?」
「うむ。……いつか、われを連れて行ってくれぬか。」
「日本へか?」
「そうだ。貴様が生まれた国を、見てまわりたい。どうすれば、それが可能になるのだ?」
「どうすれば、か……。正直なところ、まったくわからないな。今は、帰りたくないとさえ思う自分がいるしよ。オレは、キミがいるコスモポリテスで生きていく。そう決めたんだ。」
「キョースケ、無理をしていないか?」
「そう見えたなら誤解釈だよ。オレは最高に幸せを感じている。」
「幸せとな?」
「うん? ジルヴァンは幸せじゃないのか?」

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