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第290話
しおりを挟む「……あっ!? キョースケめ!! いきなりそんなところを……っ! あっ、あぁっ!!」
第6王子の共寝に呼ばれた恭介は、腰紐を解かれる前に、ジルヴァンを寝台へ押し倒すと、絹衣の裾を捲りあげた。前戯もなしに敏感な陰部を指で捉われたジルヴァンは、「はうわっ!!」と、おかしな声さえ出した。
「キ、キョースケ! 少し待たぬか! ……うむっ!?」
口唇を吸われたジルヴァンの腰は、ガクガクと慄えだす。恭介があまりにも積極的に舌を絡めてくるため、息苦しいくらいだ。しかも、同時に手の中で陰茎を擦られ、早くもジルヴァンの内股は濡れた。
「や、やめぬかっ。こらっ、キョースケ!!」
「本当はやめたくないけど、やめることにする。」
「……この馬鹿者めが! なにをそんなに急ぐ必要があるのだ! もっとゆっくりやらぬか!」
「まだ痛いことはしてないだろ?」
「そういう問題ではないのだ! だいたい、衣服を着たままではないかっ。こういう大事な行為をする時は、きちんとした手順と節度をわきまえるべきであろう!!」
「……節度? それは約束できないかもしれない。」
「貴様、吾の云うことが聞けぬと申すかっ!?」
「ジルヴァン、理屈はいいからオレの腰紐を解いてくれないか? ……キミの内部へ挿れたくて、がまんできそうもない。」
恭介は上体を起こすと、ジルヴァンの上膊を掴んで引き寄せた。左右で虹彩の色が異なる美しい双瞳に、恭介自身の顔が映り込む。
「な、なんなのだ、なんだと云うのだ。今宵のキョースケは、いつもより威勢がよすぎるではないか!」
「当然だろ。何ヵ月ぶりの共寝だと思ってるンだ? 早く腰紐を解いてオレのを見てみろよ。」
「なにを見ろと云うのだ、まったく! そこまで云うのならば、今、解いてやる!」
困惑したり憤怒したり表情の変化が忙しないジルヴァンは、情人の欲望が形となってあらわれる部位を見て、ぎょっとなる。
「き、貴様! なんたる大きさだ! それほど膨張させて、どうする気なのだ!? そんなモノ、はいるわけないぞ!!」
「……ひどいな。」
「少しは縮めよ! でなければ、吾は侵入を許可せん!」
「うん? 挿入って表現のほうが興奮するンだけど……。」
「それ以上興奮せんでいいっ。どこまで大胆な情人だ!」
「……好きだろ?」
「な、なに!?」
「オレの身体は、全部ジルヴァンのために在るンだぜ。大きさくらいで怯まないでくれ。キミの体内に這入るよう、ちゃんと指で拡げるから、膝を立ててくれるか?」
「……ぐぬっ、キョースケめぇ!!」
ジルヴァン的にも性交渉は合意につき、云われたとおり膝を立てると股のあいだに恭介の顔がすべり込んできた。陰部の先端を口腔に含まれたジルヴァンは「ぁんっ」と、甘い声を洩らす。結合に必要な部位へ2本の指を添えた恭介は、ゆっくり体内に埋めてゆく。それは受け身だけの感触につき、ジルヴァンは緊張のあまり、ビクッと肩を跳ねた。
「だいぶ狭くなってるな。久しぶりだから仕方ないけど、挿入したら痛みが強いかもしれない。」
「……そ、それでも構わぬ。今宵こそ、吾を存分に満足させるのだ!」
ジルヴァンは腰を軽く浮かせ、受け入れる意思を示した。
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