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第228話
しおりを挟む「ジルヴァン……?」
久しぶりに肌を合わせることになった恭介とジルヴァンは、寝台の上で裸身になっていた。
「キ、キョースケよ。今宵は吾が、貴様を良くしてやろう。」
ジルヴァンは恥ずかしそうに上体を起こすと、恭介の股へ顔を近づけようとした。
(……まさか、口でオレの男根を?)
「ち、ちょっと待て、ジルヴァン。」
「む……、なぜ止めるのだ?」
「いや、さすがにマズイだろ。」
「なにがマズイのだ。」
「キミは王子なんだぜ。いくら情人とはいえ、キミにそんなことさせたら気が引ける……。」
「……キョースケは、吾に触れて欲しくないのか?」
「うん? 別にそういうわけじゃねぇけど……。」
「ならば遠慮することはない。いつも貴様に任せてばかりいるからな。吾とて、キョースケを気持ちよくさせたいのだ。」
恭介の男根に指を絡めたジルヴァンは、弱く擦り始めた。
(本気かよ、ジルヴァン……!)
控え目な手つきがもどかしく感じたが、恭介の興奮は煽られ、硬く張りつめて肥大する。陰茎を何度もすりあげられて暴走寸前となった恭介は、待ち切れないとばかり、ジルヴァンの肩を押し倒した。
「キョースケ? まだ途中ではないのか……?」
「もう充分だよ。……これ以上は、がまんできない。」
「……んんっ!?」
深い口づけを受けたジルヴァンは、咽喉の奥をふるわせた。互いの一物は先走り、すでに濡れている。下半身を押しつけて上下に振ると、クチュクチュと卑猥な音が立つ。
「あっ? や、やめよ、キョースケ! するなら、ちゃんと挿れるのだ……!」
「……あ、ああ、わかった。……このまま続けていいんだな?」
「う、うむ……。」
ジルヴァンは静かに膝をひらくと、恭介を体内へ導いた。指を使わずいきなり先端を押し込まれた受け身の王子は、「くぅっ!?」と云って、背中を丸めた。恭介の首筋に抱きつくと、腹底を欲望の肉塊で貫かれる痛みに耐えた。
「あっ、あぁっ、キョースケぇ!!」
「ジルヴァン……、もっと力を抜いてくれ……。」
「ふっ、んんっ!」
恭介は軽く腰を振り、ジルヴァンの体内へ完全に性器を埋め込むと、胸の突起を口腔に含み、舌で刺激した。
「はっ、あぁっ!! キョースケぇ!!」
「……おい、大丈夫か? 少し落ちつけ、ジルヴァン。」
「くっ、キョースケこそ……、どこを触っている……!」
ジルヴァンの男根に指を這わせながら恭介は、くすッと笑う。
「痛いか?」
「……す、少し。……だが、そのようなこと、いちいち聞くでないわ!」
「キミの限界ならわかってるつもりだけど、今夜は、その先を越えてみたいからさ。」
「な、なに?」
「オレの前には道が見える。それを越えない限り、キミには近づけないと思っている。」
「き、貴様は何を申しているのだ。……キョースケは今、吾とひとつになっているではないか……、」
「ああ、そうだな。オレの身も心も全部、キミが手に入れてくれ。」
「キョースケ? ……あっ!?」
突然、ギシギシと寝台を軋ませながら腰を振られたジルヴァンは身悶えた。これまでに経験したことのない刺激に苦悶の表情を浮かべたが、恭介は間を置かずに突いてくる。
「ひっ!? やぁっ!! キョースケぇ……!!」
痛みだけでなく、きちんと快感を捉えて目の前がチカチカするジルヴァンは、恭介に身を委ねて力を抜いた瞬間、ズンッと最奥に先端が当たり、「くぁっ!?」と叫んでしまった。
「キョースケ!! そこは……っ、そんなところまで……っ!?」
「せっかくキミが導いてくれた場所なんだ。オレが向かってくるのを、恐がらないでくれ……。ようやく、キミのいちばん深いところにオレの欲望が達した。最高の気分だ……。」
「ば、ばかものめ……が……、」
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