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第187話〈雄同士の性行為〉
しおりを挟むコスモポリテスに明確な四季はなく、自然領域に立ち並ぶ樹木の葉が赤やオレンジ色に変わり始めると、洞窟には秋風が吹き込むようになった。
ひと月足らずで完治したウルは、リゼルの稽古に付き合って、洞窟の外で活発に動きまわっていた。
「……あのね、ゼニス。リゼルとウルを見ていると、なんだか兄弟みたいに思えちゃうの。……変かな?」
「いや。そんなことはないさ。」
「そう? えへへ、よかった。」
寝床で縫い物をするシリルは、近くで剣の手入れをするゼニスの横顔を、じっと見つめた。リゼルとの暮らしは平穏そのもので、ウルが生活に関与するようになってからも、ゼニスは沈着冷静な態度を崩さない。監視塔での職に長く就いていたせいか、常に周囲を警戒し、動作の中につけこむ余地は見られなかった。
「……ねぇ、ゼニス。」
「なんだ?」
シリルはウルのために新しい衣服を作る手をやすめ、ゼニスを寝床へ誘った。
「今なら、ふたりきりだよ。……久しぶりに性交しようよ。」
「したいのか?」
「うん。ぼく、ゼニスとしたい……。」
シリルはワンピースの裾を捲ると、積極的に股をひらいて見せた。ゼニスの視線が下半身へ落とされると、それだけでシリルの背中はゾクゾクと興奮を覚えた。
「早くきて、……ゼニスぅ、」
シリルに要求されたゼニスは、剣の手入れを途中でやめ、帯巻きをゆるめて近づいた。まずは細い肩を引き寄せて口づけをする。そのまま寝床へ横になると、ワンピースを鎖骨のあたりまで持ちあげた。
「んんっ、……ゼニスぅ!」
小さな胸の突起を吸われたシリルは、「ひゃんっ」と、おかしな声をあげてしまった。
「どうした?」
「ほえ? べ、べつにどうもしないよ……?」
ゼニスの顔が近い。意志の強さがわかる藍色の双瞳で見つめられたシリルは「はわわっ」と当惑し、視線を泳がせた。乳頭を吸われる感覚は、身体作用を確実に煽ってゆく。
「んっ、ぁんっ、そこばっかり、やだぁっ。」
硬くなった一物を放置されるシリルは、ゼニスの太い欲望の肉塊へ指を絡めた。
「……すごい、大きくて、熱くなってるぅ。……ぼく、これが欲しいよぅ、」
「やけに急かすんだな。まずは、開口部の準備をしてからだ。」
「……うっ、あっ? あんっ!!」
ゼニスはシリルの陰茎に指を這わせると、もう片方の手で体内領域を拡げた。
「やぁっ! そんなに擦ったら出ちゃうよ~!!」
「シリル。何度も云うが、がまんする必要はない。」
「だってぇ、恥ずかしいんだもん~……、」
「ふっ。それも今更だがな。」
ゼニスの指にクチュクチュと摩擦されるシリルは、ドピュッと精液を飛ばしてしまう。それが潤滑膜の役目となり、ゼニスの太い男根をすんなり内部へ導いた。
「あぁぁっ! ゼニスがぁ、はいってくるぅ!」
「シリル、少し落ちつけ。」
「そんなの無理だよ~、あっ、うぅ~っ!」
「痛そうだな、」
思わず腰を引き抜こうとするゼニスだが、「やめないで!」と、シリルに抱きつかれた。
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