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第160話〈両性具有の受胎〉
しおりを挟むシリルの月経が始まって、約14日後のことである。体内領域で排卵が起こり、着床部位への精子の速やかな移動により、妊娠の可能性が高まった。
「……あ、あれ? カラダが熱くなってきた。……ねぇ、ゼニス。ぼく、発情するかも、」
北緯の自然領域へ到着したゼニスは、森の奥地に天然の洞窟を見つけた。安全な場所であることを確認した後、そこでシリルとの生殖行為に備えた。集めた葉っぱの上に敷いた布を寝床にしていたシリルは、ワンピースを脱いで裸身になる。
「ほら、ゼニス。……ぼくのおっぱい、膨らんできたぁ。……ハァ、ハァ。……あ、熱い……カラダが熱いよぅ!!」
「シリル、落ちつけ。深呼吸しろ。」
時刻は日暮れだが、ゼニスは焚火に砂をかけて洞窟内を薄暗くすると、剣を地面に置いて帯巻きを外した。シリルの両膝を立たせて股をひらくと、粘着性のある分泌液が前からもうしろからも溢れていた。
「もう、こんなに濡れているのか。」
「や……ぁっ、ゼニスぅ……、そんなところ見ないでよぅ。は、はやく頂戴ぃ……!」
「……ふっ。まるで魔性だな。」
すでに、いつでも交接できる状態のシリルは、腰を浮かせてゼニスの興奮を煽った。「はぁ、はぅん」と、無意識に発する呼吸音さえ、相手の身体作用を助長させるもので、ゼニスの男根は、すぐさま肥大して凝固した。
「……シリル、いいか。最後に訊くぞ。おれとの子を宿して、本当に後悔しないか?」
「うん、ゼニスがいい……。ぼくは、ゼニスの赤ちゃんを産みたいよ……。」
「それなら、呉れてやる。おまえにおれの全てをな。」
「……ゼ……ニ……スぅ、」
シリルの意識はぼんやりとしてきたが、ゼニスは性交渉を実行することにした。活性物質の放出により、甘いにおいが漂っている。洞窟の入口へ視線を向け、異常がないか確認した。なるべく体重を載せないよう覆い被さると、腰を密着させた。挿入する前に、口唇を重ね合う。シリルは手脚の力を抜いて、ゼニスに身を委ねた。驚いたことに、ゼニスの太い陰茎はすんなりと内部へ受け入れられ、むしろ、雄の生殖器を逃すまいとして、シリルの筋肉がギュウッと絞めつけてきた。
「……くっ!?」
陰部をきつく捉えられたゼニスは思わず顔をしかめたが、子胤を託すには、最奥に当たる薄い膜を破る必要があった。おそらく、人間でいうところの処女膜のような細胞組織で、割ってはいる瞬間、激しい痛みを伴うのはシリルのほうである。むろん、その点を承知しているシリルは、双瞳をうるませて「きてぇ……!」と、訴える。互いに苦しい状況だが、このままでは生殖行為は成立しない。ゼニスはシリルの盛りあがった乳房へ指で触れると、桃色の突起へ吸いついた。必要以上に時間をかけては何が起こるかわからないため、シリルの肩を抱き寄せると、腰を強く突きあげた。
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