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第121話〈会いたい気持ち〉
しおりを挟む時系列は数日前にもどり、恭介に抱かれたジルヴァンはひとりで目を醒ました。
「……キョースケ、おらぬのか?」
寝台から起きあがると、下腹部の違和感に顔をしかめる。
「ああ、そうか……。おれは、キョースケと……、」
受け身のジルヴァンには、体内を圧迫された痛みが残されていた。とくにおしりの穴がビリビリとして、なんとも微妙な感覚である。
「……うっ、これは性交痛というやつなのか? ……ふっ、キョースケの男根は立派だったからな。……はいらなかったらどうしようかとヒヤヒヤしたぞ。は、ははっ、」
ジルヴァンはボスッと腹這いになると、瞼をとじて恭介との共寝をふり返る。カラダのあちこちにキスをされ、乳首を吸われ、男性器を咥えられた挙げ句、体内に指を挿入されている。その間、自分はただ股をひらいているのが精一杯だった。すべては恭介を信頼しての従順な態度であったが、思い返すほど血の気が引いた。
「うわ……、うわわ……っ、おれは、なんということをキョースケと……っ、……ぐわあぁぁぁ……っ、」
互いに合意の上で実行された共寝だが、ジルヴァンの心臓は今更ながらバクバクと激しく高鳴った。恭介の男根に体内領域を突かれて悦がる自身の淫らな一面に羞恥して、頭がガンガン痛くなる。
「……キョースケ、……キョースケぇ。」
すぐにでも会って話がしたいと思う反面、どんな顔をして相手の目をみればよいのかわからなかった。
「われは……、われを、このようなみじめな姿にしておいて、なぜ、貴様はいないのだ……キョースケよ……。もっと、われのそばにいてくれ……。」
いたたまれない気持ちのジルヴァンは、しばらく瞼をとじていたが、寝台のシーツが汚れているため、着替えをすませると女官を呼んで新しく用意させた。ふたりの女官は、情人と共寝をした後始末を黙々と始める。王族が身分の低い人間と戯れる行為は、暗黙の了解で認知されていた。ゆえに、不必要な会話は発生せず、女官たちはテキパキと室内の清掃まで終わらせると、「失礼しました」と云って退出した。
再び、ひとりきりになったジルヴァンは、小さくため息を吐くと、恭介から贈られた琥珀の指環を熱心に見つめた。〔第60話参照〕
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