青竜のたてがみ

み馬

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第30話

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 ジェイクは、ここまでが限界と判断したが、ロンファのほうで意外な行動にでる。麻布の裾を脇まであげ、「おっぱい、さわる……?」と訊く。ジェイクは一瞬、言葉の意味を理解できず、薄紅色うすべにいろの突起をながめた。

「……おっぱいなら、好きにしていいよ」

 ロンファは、薄い胸板をすり寄せて、挑発的な態度をとる。恋人の要求に応えなければ、男ではない。ジェイクは「フッ」と笑みを浮かべると、赤い乳首を吸った。

「っん、気持ち……いい……」

 素直にがるロンファは、うっとりとした表情で身をゆだねている。背中を支えながら、交互に乳首を吸いつづけていると、やがて、ロンファのほうで降参した。

「……もうダメ、頭が……変になりそう……」

 ジェイクは、ロンファの胸もとを手巾ハンカチで拭くと、麻布シャツなおした。舌で刺激を受けた青年の乳首は硬くなっており、シャツの表面にピンッと張りだしている。服の上から指でつまむと、ロンファは「ぁんっ」と、色っぽい声をらした。

「もしや、乳首攻めが好きなのか?」
「……なんのこと」
「いいや、こっちの話だ。気にするな」

 新たな一面を発見したジェイクは、白い歯を見せて笑った。攻め役タチとして、閨房けいぼうの技術でおとるわけにはいかない。身も心も、ロンファをたせる存在は、ジェイクだけであった。

「今夜、いつもの場所で会おう」

 ロンファは晴れた空を見あげ、小さくうなずいた。ジェイクは「またな」といって、先に戻ってゆく。その広い背中を、いつまでも見つめるロンファは、砂浜で目を覚ましたジョグンの存在を失念しつねんしていた。

「……イテテ。なんだ、いきなり。頭がイテェ。ん? あいつは誰だ?」

 水色の髪と白い肌は、遠目からでも目立つ特徴につき、ジョグンは、ザッと砂浜を蹴りつけ、ロンファの元まで全速力で走り寄った。

「おい、おまえ! 何者だ!?」
「ぼ、ぼくは、ロンファ……」
「ロンファだと!?」

 獲物えものを狩る勢いでロンファの肩をつかむジョグンだが、大股で走ったせいか腰紐こしひもほどけてしまい、地面へ落下した。興奮のあまり、ジョグンの男根はっていた。


✓つづく
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