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愛 玩 人 体〔68〕
しおりを挟むエイジは、ツライと感じた。体内へ三船の男根が挿入された瞬間、激痛が走った。
「ショウゴ、痛い!」
「AZ、力を抜け」
エイジは緊張と興奮のあまり、全身に過度な力がはいり、三船の陰茎は深部へ達することができない。これでは、どちらも苦しいだけである。三船は引き抜く判断をせず、最奥まで無理やり押し込んだ。
「痛いッ、痛いってば!」
きつく体内領域を圧迫されるエイジは、苦悶の表情を浮かべた。本来、最中の不満を利用客へ訴えるのは禁物である。受け身の愛玩人体が辛抱すべき事柄であり、失言の範疇に含まれたが、なにしろ相手が三船につき、エイジは完全に遠慮を失念した。
「……うぅっ、でかすぎる。……信じらんねぇ。すげぇ、キツイ」
「……すまん。しばらく動かないでいるから、少し呼吸を整えてくれ」
三船の顔が近い。胸や腹部など、あちこちの肌が重なり合っている。エイジは膝が慄えるのをがまんして、三船と会話した。
「……ショウゴは、オレなんかとこんなことして、後悔しないのかよ」
「するわけがない」
即答である。エイジは恥ずかしくなり、顔を横向けた。三船の息が頬をすべる。互いにあり得ない時間を共有していたが、身体作用は見事に表面化した。三船は、エイジの膨張した生殖器を指で宥めてやる。
「……ばかだな、ショウゴは。……オレみたいな中古より、新品の愛玩人体が正式に誰でも利用できるようになるまで、待てばよかったのに」
「そうしたら、おれ好みの相手と愉しめると思ったか?」
「だって、そうだろ。ちがうの?」
三船は、数秒ほど悩むフリをした。そんなはずがない。エイジはいつだって、バージルを一途に想うばかりで、周囲の欲望に無頓着すぎる。実際、レインの告白を聞くまで若者の想いに気づかず、保健局のオーエンからも嫉妬されていた。
三船は見た目の威圧感と異なり、意外にも世話上手で、年下には好かれやすい。無精髭を剃った容姿も、なかなか男前である。嫌いな顔ではないが、エイジの好みは他にある。ちなみに、レオンの顔は非常に好みに近い。どことなく雰囲気もバージルと似ており、おそらく、利用客として目の前に現れたら、即座に降伏してしまうだろう。レオンは、試作の愛玩人体を利用できる立場にいたが、少年の裸を見ても、性的な興味を示さなかった。
「……AZ、動いてもいいか」
三船の限界は近い。エイジの負担を考える余裕が、少しずつ失われてゆく。今すぐにでも、容赦なく腰を突きあげたい衝動を必死に抑制していた。エイジは、いよいよ覚悟を決めるしかない。これまでにない大きさを誇る三船の肉塊は、少年の内部で、解放の時を待っている。
「……い、いいけど、ちゃんと手加減しろよな。勢いよくヤられたら、腰の骨が折れるかもしれない」
エイジが真顔で云うので、三船は苦笑した。体格差だけでなく、三船の男根は、エアルを抱いた時よりも肥大している。エイジに対して欲望の自制がきかず、三船自身も内心当惑したが、少年の肌を独占する気分は最高だった。浅ましい感情を悟られないよう、三船は控えめに腰をふり始めたが、早くも愛玩人体から得られる快感に酔い痴れた。
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