40 / 45
040 戦利品ゲット
しおりを挟むいつのまにか、宝箱が出現していた。
「ブレイクさん、もしかしたら貴重品が入っているかもしれません。開けてみましょうか?」
「ああ。トラップの可能性もあるから、気をつけたほうがいいぞ」
「はい、わかりました」
「さっきの女性は?」
「向こうに大きな岩があったので、それを目印に待機させています。さいわい、どこも怪我はなく、意識もしっかりしていました」
「だとしても、早く迎えに行ったほうがいいかもな。カメレオンは、ダンジョンの中ボスかもしれん。2体同時に出現されたら面倒だ」
カメレオンは体力の数値が高めにつき、致命傷を与えないかぎり、しつこく襲いかかってくる。丸々と太りすぎて走力は低めだが、捕食対象を見つけると、らせん状の舌を素速く伸ばしてくるため、油断は禁物だ。また、ボスにしては、特殊能力の設定が物足りない感じがした。もっと巨大で攻撃力のあるモンスターに出喰わすまえに、NPCを村まで送り届けるべきだろう。
カメレオンジャングルの
特定イベントが発生して
いるのか?
ちがったとしても、
救出対象のNPCを見失ったら
ベストクリア扱いには
ならないだろう……
突然だが、シュリンク(収縮)といって、商品を透明な薄いフィルムで包装する方法がある。いつ頃だったか、本屋に並ぶ書籍のほとんどがこのシュリンクの対象となり、立ち読み客が激減したよな。商品を密封することで汚れ防止などに貢献するいっぽう、あまり強度がないため、意外と簡単に破れてしまう。ゲームの攻略本しかり。百科事典のように分厚くて重い本も、無理やりシュリンクされており、本体の角が歪んでいたりする。新品で購入したものの、家に帰って開けてみると表紙が折れていた……という経験を何度かしたことがある。返品しようにも、レシートをもって店員に状態を確認してもらう際、「神経質な客だな」と思われそうで、いつもあきらめてしまう。
「ブレイクさん、見てください。この戦利品のカタチ、きっと本ですね」
なぜ俺が、シュリンクについて(頭の中で)語っていたかというと、カメレオンを倒したことにより出現した宝箱の中身が、フィルムで密閉された書物っぽいからである。しかも、透明ではなく、まっ黒のビニール袋だ。……戦利品の中には、ありがた迷惑なアイテムも存在する。シュリンクで表紙を隠す必要がある書物とは、怪しい要素しか感じられない。
✓つづく
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる