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幕開け
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ソーンside
しまった…うっかりしてたな…。そうじゃん、一番起こりうるアクシデントじゃん…。なんで無意識に排除しちゃってたのかな…。
「どういうことか説明してくれないか、ソーン=エンゲルス。」
怒りを隠さない声色に少しひるむ。
「あぁ…ははっ…。もちろんですよ、リューク=シャンブルクさん。」
目の前の人物、もといリュークさんは僕を目で刺し殺すかの勢いで睨んでいた。そんな僕たちをよそにアルはリュークさんの腕の中で静かに寝息を立てていた。
……そういえばまだ、最強のセキュリティが残ってたんだった…。
でもまぁ、ばれたのがリュークさんでよかったかもな…。きっと全部気付いているだろうし…。
「…なんでこんなことをしたんだ?」
「確かめるためです。アルが属性魔術を使えるかどうか。…実は、リュークさんも知ってたんじゃないですか?アルが属性魔術使えること。」
「は…?」無防備にも図星を突かれたような顔を晒すリュークさん。間違いない、全部気づいてる。
「しかも、共鳴していることにも気付いてるでしょ?」
「どうしてそれを!?」
「…僕、覚醒をしてからというもの魔力の流れが人よりも詳しく見れるようになったんです。それで気付いたんですけど、最近のアル、リュークさんと一緒のものが流れてるんです。…多分なんですけど、アルがリュークさんの魔術に順応できるように流してるんじゃないですか?じゃないと、魔力を流す意図が分からないですもん。」
…まぁ、半分こじつけだ。そもそも今までの経験からアルが魔力を持っていることと共鳴していることはもちろん知っていた。つじつまが合うようにそれっぽいこと言ってみたけど、ちょっと強引だったかな…?
「…。」
「どうなんです?」
「…その通りだ。まさか、共鳴にまで気付くとはな…。」
あぁ、よかった…。ばれてないみたい…。
「まぁ、僕洞察力には自信があるので。…ただそうなると、属性魔術を操る能力があるはずなのに、今や魔術すら思うように使えないってなってるのおかしいと思いませんか?」
「それは俺もずっと疑問に思っていたんだ。」
「僕、考えてみたんですけど…それ使えないようにしているのって呪いなんじゃないでしょうか?」
「呪い…?」
ずっと、今までのアルと何が違うかを考えていた。
魔術も使える、共鳴もしている…。ここまでは前回までと一緒だ。
性格は後天的なもので考慮しないとすれば、今までと唯一違う点…。それこそがアルを大きく変えてしまった原因…。
「アルスの呪いは確か…。」
「『夜の月の光を浴び続けると徐々に体が弱りいずれ死に至る。』です。」
「月の光…。魔術…。…。まさか…!?こいつも俺と同じで…?」
「もし仮にリュークさんの考えていることが本当だとすれば、呪いがあまりにも出来すぎてるんです。魔術の根本を断ち切る呪いなんて、作為を感じませんか?」
「…アルスの魔術を無力化させるために呪いをかけたって言いたいのか?」
「考えすぎかもしれません…。けれど、そう考えると色々とつじつまが合う気がするんです。」
「確かに、そう考えればアルスの魔術の保有量と使用可能量の乖離にも説明がつく…。ん、待てよ…。となると、犯人は…?」
「アルの魔術の仕組みを知っていて、高度な呪いをかけることができ、かつアルの属性魔術を阻止したかった人物。…もっと言えば、小さい頃のアルはルーナ=シューベルトの生まれ変わりだと言われてて、その噂は国を超えてたくさんの人が知っていました。ルーナ=シューベルトの再来を恐れていた人物なんじゃないでしょうか…。」
「と、なると…。…いや、さすがにそれは考えすぎなんじゃないのか…。」
「けど、現状それが一番しっくりする答えなんです…。いずれにせよ用心するに越したことはありません。」
「確かにそうだな…。俺もお前の考えが正しいかどうか色々調べてみる。また、何かわかったら報告する。…だから、もう二度とこんな危ないことはするな。わかったか。」
「それは…。…わかりました。気を付けます…。」
そう言ってリュークさんはアルを抱えたままどこかに行ってしまった。
…もう、ちゃっかり連れて帰ってるんだから…。
しまった…うっかりしてたな…。そうじゃん、一番起こりうるアクシデントじゃん…。なんで無意識に排除しちゃってたのかな…。
「どういうことか説明してくれないか、ソーン=エンゲルス。」
怒りを隠さない声色に少しひるむ。
「あぁ…ははっ…。もちろんですよ、リューク=シャンブルクさん。」
目の前の人物、もといリュークさんは僕を目で刺し殺すかの勢いで睨んでいた。そんな僕たちをよそにアルはリュークさんの腕の中で静かに寝息を立てていた。
……そういえばまだ、最強のセキュリティが残ってたんだった…。
でもまぁ、ばれたのがリュークさんでよかったかもな…。きっと全部気付いているだろうし…。
「…なんでこんなことをしたんだ?」
「確かめるためです。アルが属性魔術を使えるかどうか。…実は、リュークさんも知ってたんじゃないですか?アルが属性魔術使えること。」
「は…?」無防備にも図星を突かれたような顔を晒すリュークさん。間違いない、全部気づいてる。
「しかも、共鳴していることにも気付いてるでしょ?」
「どうしてそれを!?」
「…僕、覚醒をしてからというもの魔力の流れが人よりも詳しく見れるようになったんです。それで気付いたんですけど、最近のアル、リュークさんと一緒のものが流れてるんです。…多分なんですけど、アルがリュークさんの魔術に順応できるように流してるんじゃないですか?じゃないと、魔力を流す意図が分からないですもん。」
…まぁ、半分こじつけだ。そもそも今までの経験からアルが魔力を持っていることと共鳴していることはもちろん知っていた。つじつまが合うようにそれっぽいこと言ってみたけど、ちょっと強引だったかな…?
「…。」
「どうなんです?」
「…その通りだ。まさか、共鳴にまで気付くとはな…。」
あぁ、よかった…。ばれてないみたい…。
「まぁ、僕洞察力には自信があるので。…ただそうなると、属性魔術を操る能力があるはずなのに、今や魔術すら思うように使えないってなってるのおかしいと思いませんか?」
「それは俺もずっと疑問に思っていたんだ。」
「僕、考えてみたんですけど…それ使えないようにしているのって呪いなんじゃないでしょうか?」
「呪い…?」
ずっと、今までのアルと何が違うかを考えていた。
魔術も使える、共鳴もしている…。ここまでは前回までと一緒だ。
性格は後天的なもので考慮しないとすれば、今までと唯一違う点…。それこそがアルを大きく変えてしまった原因…。
「アルスの呪いは確か…。」
「『夜の月の光を浴び続けると徐々に体が弱りいずれ死に至る。』です。」
「月の光…。魔術…。…。まさか…!?こいつも俺と同じで…?」
「もし仮にリュークさんの考えていることが本当だとすれば、呪いがあまりにも出来すぎてるんです。魔術の根本を断ち切る呪いなんて、作為を感じませんか?」
「…アルスの魔術を無力化させるために呪いをかけたって言いたいのか?」
「考えすぎかもしれません…。けれど、そう考えると色々とつじつまが合う気がするんです。」
「確かに、そう考えればアルスの魔術の保有量と使用可能量の乖離にも説明がつく…。ん、待てよ…。となると、犯人は…?」
「アルの魔術の仕組みを知っていて、高度な呪いをかけることができ、かつアルの属性魔術を阻止したかった人物。…もっと言えば、小さい頃のアルはルーナ=シューベルトの生まれ変わりだと言われてて、その噂は国を超えてたくさんの人が知っていました。ルーナ=シューベルトの再来を恐れていた人物なんじゃないでしょうか…。」
「と、なると…。…いや、さすがにそれは考えすぎなんじゃないのか…。」
「けど、現状それが一番しっくりする答えなんです…。いずれにせよ用心するに越したことはありません。」
「確かにそうだな…。俺もお前の考えが正しいかどうか色々調べてみる。また、何かわかったら報告する。…だから、もう二度とこんな危ないことはするな。わかったか。」
「それは…。…わかりました。気を付けます…。」
そう言ってリュークさんはアルを抱えたままどこかに行ってしまった。
…もう、ちゃっかり連れて帰ってるんだから…。
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