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幕開け
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夏休み気分が抜けきらないうちに休み明けのテストが始まってしまい、勉強に追われる日々が続いていた。こんなことなら、もう少し前から復習しておくべきだった…なんてことを考えながら今日も皆と談話室で歴史学の単語を頭に叩き込む。
「……やっぱり、集中できないわね…。」またまたリーンが聞こえるかどうかの微妙な声量で呟く。
護衛の人たちは今日も今日とて無表情で僕たちのそばにいてくれて、謎の圧とともに談話室に変な緊張感をもたらしてくれる。
今日だけでなく終始こんな感じなもんだから、授業で少し仲良くなったような子たちも、僕の周囲から発せられる異様なオーラに気圧されて挨拶もそこそこにどこかに行ってしまう…。
あぁ、せっかくもっと仲良くなれると思っていたのに…。
「あぁー!だめだ!!集中力切れた。なぁなぁ外行かね?気分転換しようぜ。」
「それ賛成!飲み物買いに行かない?」
「いいね!テオ君も行こうよ!」
「あぁ…、僕はいいや!4人で行ってきてよ!」
「あら、一緒に行かなくて大丈夫?」
「うん、大丈夫!誘ってくれてありがとうね。」
テオ君、まだ勉強するのかな…。集中力がすごいな…。
無事に飲み物を手にした僕たちは、戻って勉強をまだしたくないという暗黙の了解のもと辺りをぶらぶらとしていた。
何も考えず歩いていると、向こう側から2つの人影が近づいてくるのが見えた。
「おや、久しぶりだね。夏祭り以来かな?」
「てか、本当に護衛されてんだな、お前…。」
にこやかな笑みを浮かべたカルロ殿下と、ニヤついた顔をしたメルロス殿下だった。
「どれどれ…、ケビンにマイク…マシューにジェイコブに…そっちはジョージか?久しぶりだな…!」
メルロス殿下が僕の護衛達に挨拶をしていく。メルロス殿下が何か面白いことを言ったのか、皆大きな声で笑っていた。
えー!笑ってるところ初めて見た!それにしても、メルロス殿下護衛の人達と仲よすぎないか…。
「すまないな。メルロス、強そうなやつを見つけるとすぐに仲良くなりたがるんだ。」
「…へぇ~、そうなんですね…。」びっくりした。今、心読まれたのかと思った…。
…まぁ、でも何となくそうなんだろうなとは思ってたよ。ロストさんと仲良いし、闘技会でも入賞したような人たちとも、初対面だろうが関係なしに話しかけてたもん。…ちょっと、うらやましかったな…。
「リリーシュがね、君の護衛の話が出たとき『15人じゃ足りない!30人用意しろ!いや、むしろ俺が行く!』とか言ってたんだよ。気持ち悪いね。」
カルロ殿下、依然としてにこにこしてるけど、目が笑ってない…。怖いな…。
「そういえばアルス君、アランが今どこにいるか分かるかい?」
先ほどとは打って変わって朗らかに聞いてくる殿下。
「お兄ちゃんですか?談話室にいなかったので、多分生徒会室にいると思います。」
「そうか、ありがとう。」
「お兄ちゃんに何か用事ですか?」
「あぁ、うん。ちょっとね、渡すものがあって…。」
渡すもの…。なんだろう…。
あ、もしかして夏祭りのカップルリングだったりして!カルロ殿下、祭りで会った後、指輪売ってるほうに行ってたし!
僕はカルロ殿下には見えないように自分のつけている指輪をなでる。
僕も、買っておけばよかったな…。ソーン君もカイルさんに渡すだろうし…。
そこで、ソーン君をちらと見る。
……あれ、ソーン君指輪…薬指につけてる…。ゆるくないのかな?え、でも、買った時2人とも大きすぎて親指でもちょっと緩かったよな…。
もしかして、新しいやつなのかな?別に買ってたやつカイルさんとつけてるのかな…?いいなぁ…。
あれ、じゃあ僕と買ったやつは今どこにあるんだろう…。
「……やっぱり、集中できないわね…。」またまたリーンが聞こえるかどうかの微妙な声量で呟く。
護衛の人たちは今日も今日とて無表情で僕たちのそばにいてくれて、謎の圧とともに談話室に変な緊張感をもたらしてくれる。
今日だけでなく終始こんな感じなもんだから、授業で少し仲良くなったような子たちも、僕の周囲から発せられる異様なオーラに気圧されて挨拶もそこそこにどこかに行ってしまう…。
あぁ、せっかくもっと仲良くなれると思っていたのに…。
「あぁー!だめだ!!集中力切れた。なぁなぁ外行かね?気分転換しようぜ。」
「それ賛成!飲み物買いに行かない?」
「いいね!テオ君も行こうよ!」
「あぁ…、僕はいいや!4人で行ってきてよ!」
「あら、一緒に行かなくて大丈夫?」
「うん、大丈夫!誘ってくれてありがとうね。」
テオ君、まだ勉強するのかな…。集中力がすごいな…。
無事に飲み物を手にした僕たちは、戻って勉強をまだしたくないという暗黙の了解のもと辺りをぶらぶらとしていた。
何も考えず歩いていると、向こう側から2つの人影が近づいてくるのが見えた。
「おや、久しぶりだね。夏祭り以来かな?」
「てか、本当に護衛されてんだな、お前…。」
にこやかな笑みを浮かべたカルロ殿下と、ニヤついた顔をしたメルロス殿下だった。
「どれどれ…、ケビンにマイク…マシューにジェイコブに…そっちはジョージか?久しぶりだな…!」
メルロス殿下が僕の護衛達に挨拶をしていく。メルロス殿下が何か面白いことを言ったのか、皆大きな声で笑っていた。
えー!笑ってるところ初めて見た!それにしても、メルロス殿下護衛の人達と仲よすぎないか…。
「すまないな。メルロス、強そうなやつを見つけるとすぐに仲良くなりたがるんだ。」
「…へぇ~、そうなんですね…。」びっくりした。今、心読まれたのかと思った…。
…まぁ、でも何となくそうなんだろうなとは思ってたよ。ロストさんと仲良いし、闘技会でも入賞したような人たちとも、初対面だろうが関係なしに話しかけてたもん。…ちょっと、うらやましかったな…。
「リリーシュがね、君の護衛の話が出たとき『15人じゃ足りない!30人用意しろ!いや、むしろ俺が行く!』とか言ってたんだよ。気持ち悪いね。」
カルロ殿下、依然としてにこにこしてるけど、目が笑ってない…。怖いな…。
「そういえばアルス君、アランが今どこにいるか分かるかい?」
先ほどとは打って変わって朗らかに聞いてくる殿下。
「お兄ちゃんですか?談話室にいなかったので、多分生徒会室にいると思います。」
「そうか、ありがとう。」
「お兄ちゃんに何か用事ですか?」
「あぁ、うん。ちょっとね、渡すものがあって…。」
渡すもの…。なんだろう…。
あ、もしかして夏祭りのカップルリングだったりして!カルロ殿下、祭りで会った後、指輪売ってるほうに行ってたし!
僕はカルロ殿下には見えないように自分のつけている指輪をなでる。
僕も、買っておけばよかったな…。ソーン君もカイルさんに渡すだろうし…。
そこで、ソーン君をちらと見る。
……あれ、ソーン君指輪…薬指につけてる…。ゆるくないのかな?え、でも、買った時2人とも大きすぎて親指でもちょっと緩かったよな…。
もしかして、新しいやつなのかな?別に買ってたやつカイルさんとつけてるのかな…?いいなぁ…。
あれ、じゃあ僕と買ったやつは今どこにあるんだろう…。
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