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幕開け
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しおりを挟む後を追って倉庫の中に入るとリュークさんはすでにたくさんの人に囲まれていた。
「なにしてんだ…。」
「すまない、何も考えずに来てしまった…。」
「バカなんですか?」
「…。」
…それは僕もか…。今まで長い間生きていて戦闘なんてちっともしたことないのに、なんで出てきちゃったんだろう…。
だめだ、弱気になるな…!アルを救うんだろう!立ち向かわなきゃ…!!
「うらぁっ!!!!!!」一人の男が大きな声をあげながら僕たちに近づいてくる。それを契機にほかの人たちも襲い掛かってくる。あまりの剣幕の怖さに僕は、
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」情けなくも間を縫って逃げてしまった。そんな僕を執拗に追いかけてくる顔に傷の入った男。
なんで、追いかけてくるのぉぉぉぉぉ!?
必死に逃げながらもとっさに棚の上にあったレンチを掴んでその男に向かって投げる。
すると、いい感じにその男に当たったのか、「ぐぁ…。」という情けない声とともに後ろにひっくり返った。
…おぉ、もしかして僕戦える…?
「よそ見とはずいぶん余裕だなぁっ!!」
しまった!?いつの間に後ろに…!?
視界の端で剣を振り上げた男が近づいてくる。
あ、危ない…。これ、…死ぬ、かも…?
その瞬間何か強い力に突き飛ばされる。
慌てて起き上がり、自分の体を確認する。
あれ、切られてない…?
振り返って、僕がさっきまでいた場所を見ると血だらけのアランさんが倒れていた。
一気に血の気が引くのを感じる。
慌ててアランさんのもとへと駆け寄り、周囲に防御術をかけ僕ができる最大限の回復術をアランさんにかける。
…なんで。………なんで!?血が全く止まらない!!僕の回復術が間に合わない!?なんで傷口が一向にふさがらないの!?なんでケガしてるの!?僕を助けに来てくれた時は無傷だったじゃないか!?
あまりの出血量にアランさんの血の気がなくなっていく。
まずい、まずい、まずいまずいまずいまずい…!!この人を死なせるわけにはいかない!!アルの大切な家族を…!!死なせるわけには!!
「死ぬな!!アランっ!!!!!」
その瞬間周囲がまぶしい光に包み込まれた…。
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