君の瞳は月夜に輝く

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アランの独り言




 暗い部屋の中、受け取ったトロフィーと賞状を部屋に飾り、ベッドに倒れこむ。天井を見上げ、闘技会での出来事を思い返す。



 結果は3位。組み合わせの妙もあるが、あのメンツの中でこの順位なら結果は上々だろう。続く2位はロスト、そして1位はリューク…。







 ……まさか、あのリュークがこの大会に出るだなんてな…。前までは目立つのは苦手だとか言ってたくせに。一体どういう風の吹き回しだ…?しかもあのロストから勝利を勝ち取るなんて...。






 しかし、今回は誰よりもアルに一番驚かされたな。


 テストのときアルは魔術を使っていた。とはいっても属性魔術とはまではいかず、体力とかパワーを上げるようなものだった。だけど本番、アルは属性魔術を使ったような気がする。......ほんの一瞬だし、誰も見ていないと言っていたから俺の見間違いかもしれないが…。
 以前、新入生歓迎会でリュークがつぶやいた言葉を思い出す。本当にリュークの言っていることが正しければ、アルは今まで…。



 そんなことより、アル本番の時手に何か書いて飲み込んでたな…。あれ、リュークが緊張するときによくするやつ、だよな…。なんでアルが知ってるんだ…。それに、リュークが戦っているところを見ているアルのあの表情…。


 ……なんなんだ、この焦燥感は…。





 色々ともやもやするが、とにかく闘技会は終わった。今の目下の問題はリリーシュ殿下だな…。今までは逃げてこれたが、今回ばかりは無視するわけにもいかない…。




 …なんで俺が、いや俺たちがリリーシュ殿下をこんなにも警戒しているのか…。

 それはあいつが監禁まがいのことをしやがったからだ。


 まぁ、元々カルロの影響もあってだいぶ嫌いだったが、その事件が決定打になった。幸いアルは覚えていないけれど、以降俺たち家族はアルとリリーシュ殿下を近づけないようにしてきた。それを知っている王家のことだから今回もなにかしら対策は取ってくれるとは思うが、心配だな…。
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