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幕開け
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週末は必ず家に帰るという約束のもと、僕は今家にいる。ただ一人ではなく、週末明けに提出する課題を一緒にするためシンとリーンそしてソーンくんも家に来ている。提出は明日に迫っていて、さすがに何かしらの文字は書かないといけないのに、一向に考えがまとまらない。
「アル?どうしたの?ボーっとして。」
「ん?いや、何でもない。」だめだ、あの日以来小説の内容について考えていてもいつの間にかリュークさんのことを考えていて、最終的には「手、大きかったな…。」に行きついている。考え事にしては話が脱線しすぎている気がするし、なんでいつも最後にリュークさんが出てくるんだ…?
とにかく!今は課題に集中しなきゃ!頭を振って教科書に目を向ける。
でも、リュークさんと初めて目を合わせて話すことができたんだよな…。
「アル、また手が止まってるわよ。」
「アルさ本当に大丈夫?午後の授業がなくなったって言ってた日から少しおかしいよ?もしかして何かあった?」
「あの日たしか庭園に行くって言ってたよな?そこで何かあったのか?」シンがそういうと3人の表情がスッと変わった。
「アル、正直に言いなさい。もしかして誰かに何かされたの?」
こ、これは答えを間違えると説教コース行きだ...。ただ、怒られるようなことはしていない!はず!
「リュークさんとただお話ししただけ…。」
「リュークさん!?待って待って、何の話をしたの?」
「本の話だよ!ソーン君がおすすめしてくれた本リュークさんも読んでたみたいで、その話をしていたの。」
「なんだよ本の話かよ。」
「他は?何か話さなかった?」
「ほ、ほか…?調子はどうとか聞かれたけど、特には話さなかったかな。」
「そっか…。」
「何かされたりとかはない?」
「それもない…かな…。」本当は頭を触られたけど、それをみんなに言ったら何が起こるかわかったもんじゃないからここは黙っておく。
「本の話をした後どこかに行ったりとかは?もしくはどこかに出かける約束をしたとか?」
「ないよ!!リュークさん用事があったっぽくてすぐ帰っていったし、まず出かけるほど仲良くないよ!」ソーンくん、質問多くない?
「ん?待て、リュークさんに会ったのっていつくらいだ?」
「たしか5時間目くらいかな?みんな授業あった時だし。」
「え!?5時間目なの!?それならリュークさんも授業だったはずよ!!」
「本当に?」
「本当だよ。僕たちと同じ授業受けてたの。あ、でも5分くらい席外してたかな?」
「席外してたか?」
「うん。ほら、先生の質問に5分くらい周りと相談する時間あったじゃん?その時抜けてたよ。」
「え、ソーンなんでそんなこと知ってんの?」
「あ、ほら僕リュークさんと席近いから。でも5分で庭園行って帰ってくることなんてできるのかな。」
「あぁ、リュークさん瞬間移動使ってたから、できたんじゃないかな。」
「てことはリュークさんその5分の間で瞬間移動使ってアルのとこ行って帰ってきたってことか。本の話をしに。え?」
「それ、ちょっとおかしいわね。だって普通本の話なんかをしに授業抜ける?ましてや相手はアルよ?そもそもなんでアルが庭園にいることが分かったのかしら。」
「あれ、確かに言われてみればそうだ。」てっきり僕は授業がないリュークさんがたまたま近くを散歩していて話しかけに来たのかと思っていたんだけどな…。
「もしかしてリュークさんは別の用事があったんじゃないのかな?」
「でも授業を抜けてまでしたかった用事って何なんだろうな。」
「それは…分からない。けどきっと重要で緊急の用事だったんじゃないかな。」
「そうね。その用事を推測したところで私たちには何の利益もないから、とりあえず課題を終わらせようか。」
「うわ、話に夢中で課題のこと忘れてた。俺まだまとめれてすらないわ。やば。」
その時部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「アル?入るわよ~。」どうやらお母さんが来たいみたいだ。
「はかどってる?息抜きにお菓子でもどうかと思って作ってみたの!…ちょっと作りすぎちゃったかもだけど…。」
お母さんの手には焼き菓子をいっぱいのせた大きなお皿があった。もちろん僕の大好きなスコーンも中には入っている。いっぱいとは言っても四人で食べる分にはちょうどいいくらいかもしれない。
「全然食べれる量だから、たぶん大丈夫だよ!!」
「そう?日持ちすると思うから無理して食べなくてもいいのよ。まだまだあるから、もし持って帰りたいとかあったら何でも言ってね。」まだあるのか…。
「アル?どうしたの?ボーっとして。」
「ん?いや、何でもない。」だめだ、あの日以来小説の内容について考えていてもいつの間にかリュークさんのことを考えていて、最終的には「手、大きかったな…。」に行きついている。考え事にしては話が脱線しすぎている気がするし、なんでいつも最後にリュークさんが出てくるんだ…?
とにかく!今は課題に集中しなきゃ!頭を振って教科書に目を向ける。
でも、リュークさんと初めて目を合わせて話すことができたんだよな…。
「アル、また手が止まってるわよ。」
「アルさ本当に大丈夫?午後の授業がなくなったって言ってた日から少しおかしいよ?もしかして何かあった?」
「あの日たしか庭園に行くって言ってたよな?そこで何かあったのか?」シンがそういうと3人の表情がスッと変わった。
「アル、正直に言いなさい。もしかして誰かに何かされたの?」
こ、これは答えを間違えると説教コース行きだ...。ただ、怒られるようなことはしていない!はず!
「リュークさんとただお話ししただけ…。」
「リュークさん!?待って待って、何の話をしたの?」
「本の話だよ!ソーン君がおすすめしてくれた本リュークさんも読んでたみたいで、その話をしていたの。」
「なんだよ本の話かよ。」
「他は?何か話さなかった?」
「ほ、ほか…?調子はどうとか聞かれたけど、特には話さなかったかな。」
「そっか…。」
「何かされたりとかはない?」
「それもない…かな…。」本当は頭を触られたけど、それをみんなに言ったら何が起こるかわかったもんじゃないからここは黙っておく。
「本の話をした後どこかに行ったりとかは?もしくはどこかに出かける約束をしたとか?」
「ないよ!!リュークさん用事があったっぽくてすぐ帰っていったし、まず出かけるほど仲良くないよ!」ソーンくん、質問多くない?
「ん?待て、リュークさんに会ったのっていつくらいだ?」
「たしか5時間目くらいかな?みんな授業あった時だし。」
「え!?5時間目なの!?それならリュークさんも授業だったはずよ!!」
「本当に?」
「本当だよ。僕たちと同じ授業受けてたの。あ、でも5分くらい席外してたかな?」
「席外してたか?」
「うん。ほら、先生の質問に5分くらい周りと相談する時間あったじゃん?その時抜けてたよ。」
「え、ソーンなんでそんなこと知ってんの?」
「あ、ほら僕リュークさんと席近いから。でも5分で庭園行って帰ってくることなんてできるのかな。」
「あぁ、リュークさん瞬間移動使ってたから、できたんじゃないかな。」
「てことはリュークさんその5分の間で瞬間移動使ってアルのとこ行って帰ってきたってことか。本の話をしに。え?」
「それ、ちょっとおかしいわね。だって普通本の話なんかをしに授業抜ける?ましてや相手はアルよ?そもそもなんでアルが庭園にいることが分かったのかしら。」
「あれ、確かに言われてみればそうだ。」てっきり僕は授業がないリュークさんがたまたま近くを散歩していて話しかけに来たのかと思っていたんだけどな…。
「もしかしてリュークさんは別の用事があったんじゃないのかな?」
「でも授業を抜けてまでしたかった用事って何なんだろうな。」
「それは…分からない。けどきっと重要で緊急の用事だったんじゃないかな。」
「そうね。その用事を推測したところで私たちには何の利益もないから、とりあえず課題を終わらせようか。」
「うわ、話に夢中で課題のこと忘れてた。俺まだまとめれてすらないわ。やば。」
その時部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「アル?入るわよ~。」どうやらお母さんが来たいみたいだ。
「はかどってる?息抜きにお菓子でもどうかと思って作ってみたの!…ちょっと作りすぎちゃったかもだけど…。」
お母さんの手には焼き菓子をいっぱいのせた大きなお皿があった。もちろん僕の大好きなスコーンも中には入っている。いっぱいとは言っても四人で食べる分にはちょうどいいくらいかもしれない。
「全然食べれる量だから、たぶん大丈夫だよ!!」
「そう?日持ちすると思うから無理して食べなくてもいいのよ。まだまだあるから、もし持って帰りたいとかあったら何でも言ってね。」まだあるのか…。
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