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幕開け
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おかしいな…。授業が終わったのに誰も話しかけに来ない。目を合わせようとしてもみんな目線をそらすし、なんだか始まる前とは違う種類のひそひそが広まる。しかも、距離が遠くなったような気がする。
おかしいな…。作戦は成功したと思ったんだけどな。こっちから話しかければいいのか?と思って近づくと、みんな蜘蛛の子を散らすように逃げてしまうし…。
あれ?もしかして、もしかしなくとも、これって…作戦…失敗…!?何を間違えたんだ僕!?作戦は完ぺきだったはずだ!何をやらかしたんだ僕!?
周囲と物理的にも精神的にも離れた距離に、期待に膨れていた僕の胸が徐々にしぼんでいく。
昼休憩。シンとリーンと合流して僕ら三人は学園の食堂で昼食をとっている。なんとなく予感はしてたけど、食堂も大きかったよ...。最初、入ったとき、どこのパーティ会場だ?って思うくらいに広かったもん。おまけに食事も豪勢だし、なによりも美味しい。下手したら、家で食べるよりも美味しいんじゃないかと思う。さっきまでへこんでたけどなんだか元気になった気がするもん。
料理に感心していると、今日の一押しメニューのチキンを頬張っていたシンが藪から棒に、
「なぁアルさぁ、聞こうと思ったんだけど、今日なんかやらかした?」と聞いてきた。思わずお茶を吹きそうになる。
「二限目始まる前にお前を送って行った時はいつもと同じ感じだったんだけど、迎えに行った時周りの空気感が変わった気がしてよ。なんかやらかしただろ?」
「それ私も思った!視線もさ、嫌な感じなのは変わらないんだけど、敬遠された感じが増した?というか…。アルなんかやらかしたの?」
つーっと。冷たい汗が僕の背筋を伝う。原因は分かってる。もちろん何かを授業でやらかしたっていうのも分かってる。でもまさか友達を作ろうとして作戦が失敗したなんて言えない。社交的な二人のことだ、「友達作りに作戦って何?しかも失敗!?」って爆笑されるのがオチだ。そもそも失敗って言ったって、僕自身どこが失敗だったのか分かってないのに説明できるわけがない。しかし、二人は僕の発言を待っているので、僕が話さなければ無言という大変苦しい時間が流れる。うぅ…。
「それはね、その…。」と観念して二限目にあったことを作戦のことを二人に話そうとすると、
「あ!アルス様!」と鈴を転がすような声がかかり、僕は一瞬ドキッとする。
振り返ってみればそこには昨日の天使が立っていた。相変わらず周囲には花が舞ってる。
「えっっとー。」あれ、そういえば僕この子の名前知らないな…。名前がわからないからなんて呼べばいいかも分からない…。まさか「あ、あの時の天使‼」なんて言えるはずもないしな…。うーん。
そんな僕を見て察したのか、目の前の天使は
「自己紹介まだでしたね。僕の名前はソーン=エンゲルスです。よろしくお願いします!」と名前を教えてくれた。
………ん?あれ?ちょっと待って。今、この子自分のこと僕って言った?僕って呼んだ?ん?あれ?
あ、よく見たら制服にズボン着てる…。
あれ?もしかして…もしかすると…。
「おとこ…のこ…?」
「そうですけど?」とさも当たり前という顔でさらっと肯定される。目の前が暗くなる。今僕が立っているなら、確実に膝から崩れ落ちている。
「待って、待って、もしかしてアル、ソーン君のこと女の子だと思ってたの?」
「いやいくら顔が可愛いからって、アルさすがにそれは…。俺だってソーンが男だって気づいてたぞ…?」
二人がびっくりを通り越して引いたような顔をして僕を見る。
…そうだよ。女の子だと思ってたよ…。顔に見とれてズボンが気がいかなかったんだよ!あまりにも可愛いらしいからてっきり女の子だと思っていたし、女の子だと思っていたからこそ一挙一動にドキドキしていたし、なんならいい匂いするなぁ~とか思ってたし…。
あれ?これって僕ずっと男の子にときめいてたってこと!?それは、かなりの精神的なショックが…。あぁ、もう僕立ち直れない…。いくら可愛いからって男の子にドキドキするとか…。はぁ…。
「大丈夫ですか?」とのぞき込んでくるソーン…くん。
あ、可愛い…。可愛いからなんかもう全部どうでもよくなってきたかも…。だって、可愛いんだもん。たしか、東洋の言葉であったよね。可愛いは正義って。勘違いは仕方ないよね、だって可愛いんだもん。
…相変わらず僕って単純だな…。
さっきまで精神的にダメージを負っていた筈の僕は元気になり、ソーンくんをまじえた四人はお互いの自己紹介などをしながら昼食をとっている。昨日のお返しに渡したかったというソーンくん特製のクランベリー入りのスコーンも食べながら仲を深めていく。
「じゃあ、三人は幼馴染なんですね。」
「そう。まぁ、幼馴染よりも子守してる感覚だけどね。」こちらをちらっと見ながら言うリーン。子守ってなんだよ…。
「子守り…。」ソーンくん?別にそこは追求するところじゃないよ?
「ほら、有名だろ?アルの呪いのこと。アルってさ、結構ボーっとしてること多いから俺たちがしっかり見とかなきゃ呪いが発動して大変なことになるんだ。」
…なにかを言い返そうとしたけど、全部ほんとのことだから何も言えない。
「その呪いのことについてなんですけど、いろいろ聞いてもいいですか?」ソーンくんがこちらを向いて尋ねてくる。
「全然いいよ。何について聞きたいのかな?」
「たしか、聞いた話によると月の光に当たると、その…死んじゃうって聞いたんですけど本当なんですか?」おっと、結構ストレートな質問が来たな。
「うん。本当だよ。」何か考え込むような仕草をするソーンくん。
「小さい頃はさ、家族も僕も呪いのこと半信半疑って感じだったけど一応月が出る前には自分の部屋に行かされてたの。でもある日、月がとてもきれいに出てるっていう日があって、みんながあまりにも綺麗だっていうから僕も気になってこっそり抜け出して見に行こうとしたんだよね。それで、ほんの一瞬。ほんの一瞬見ただけなんだけど、なんだか苦しくなっちゃって、それから三日くらい高熱で寝込んだの。それがあって、呪いが本物だって分かって、今に至るって感じかな?」
「でも、シューベルト家って魔術がすごいところですよね?呪いとか解けるんじゃないんですか?」
「それがね、解けなかったんだよね。呪いってどうやって解くのか分かる?」
「えーと、かけられた呪いの源を探して、それを排除する。とかだったような…?」
「そう!上辺だけ呪いを解いても根源を消さなければ、またいつか呪いが発動してしまう。だから本から消さなきゃいけないんだけど、僕の場合その本が見つからなかったから大事になったんだよね。」
「たしかに、シューベルト家でさえも見つけれなかったって言うのは相当ですね。」
「まぁ、月の光に当たらなければ大丈夫だから。」
「それって、昼の月とかは大丈夫なんですか?」
「昼の月は大丈夫なんだと思う。今まで苦しくなったことはないし、たぶん太陽の光が強くて月の光が負けちゃうんじゃないかな?」
「なるほど・・・。」
「あのさ、二人で話し込んでるとこ悪いんだけど、アルもうスコーンなくなるぞ?」
そういわれてあわててソーンくんが持ってきたバスケットの中を見る。
もうスコーンが三個しかないじゃないか!
「二人とも食べるの早すぎだよ!」
「早いもん勝ちでしょ?食べないほうが悪いのよ?」
「僕の大好物だって知ってるでしょ!?」
「早いもん勝ちだ、早いもん勝ち!」
シンがもう一個のスコーンに手を伸ばしたので負けじと僕もスコーンを手に取る。
「ん!これ、すごく美味しい!」スコーンにクランベリーの組み合わせはなかなか食べないけどこれが僕の一番のお気に入りだったりする。入学式の日は気分が悪いのが勝っちゃって、門出の祝いとして作ってくれたスコーンを味わう余裕がなかったけど今は心身ともに元気だから心行くまでおいしいスコーンを味わうことができる。
「お口に合ったようでよかったです!このクランベリーうちで採れたものなんです。」
「クランベリー育ててるの!?」思わず身を乗り出すリーン。
「はい、うちの母が育てるのが好きで。」
「へ~なるほど~。」
「またいつか作って来ましょうか?」
僕ら三人は顔を見合わせて、
「「「ぜひ!!!!!!」」」
どうやらみんな食いしん坊だったみたいだ。
おかしいな…。作戦は成功したと思ったんだけどな。こっちから話しかければいいのか?と思って近づくと、みんな蜘蛛の子を散らすように逃げてしまうし…。
あれ?もしかして、もしかしなくとも、これって…作戦…失敗…!?何を間違えたんだ僕!?作戦は完ぺきだったはずだ!何をやらかしたんだ僕!?
周囲と物理的にも精神的にも離れた距離に、期待に膨れていた僕の胸が徐々にしぼんでいく。
昼休憩。シンとリーンと合流して僕ら三人は学園の食堂で昼食をとっている。なんとなく予感はしてたけど、食堂も大きかったよ...。最初、入ったとき、どこのパーティ会場だ?って思うくらいに広かったもん。おまけに食事も豪勢だし、なによりも美味しい。下手したら、家で食べるよりも美味しいんじゃないかと思う。さっきまでへこんでたけどなんだか元気になった気がするもん。
料理に感心していると、今日の一押しメニューのチキンを頬張っていたシンが藪から棒に、
「なぁアルさぁ、聞こうと思ったんだけど、今日なんかやらかした?」と聞いてきた。思わずお茶を吹きそうになる。
「二限目始まる前にお前を送って行った時はいつもと同じ感じだったんだけど、迎えに行った時周りの空気感が変わった気がしてよ。なんかやらかしただろ?」
「それ私も思った!視線もさ、嫌な感じなのは変わらないんだけど、敬遠された感じが増した?というか…。アルなんかやらかしたの?」
つーっと。冷たい汗が僕の背筋を伝う。原因は分かってる。もちろん何かを授業でやらかしたっていうのも分かってる。でもまさか友達を作ろうとして作戦が失敗したなんて言えない。社交的な二人のことだ、「友達作りに作戦って何?しかも失敗!?」って爆笑されるのがオチだ。そもそも失敗って言ったって、僕自身どこが失敗だったのか分かってないのに説明できるわけがない。しかし、二人は僕の発言を待っているので、僕が話さなければ無言という大変苦しい時間が流れる。うぅ…。
「それはね、その…。」と観念して二限目にあったことを作戦のことを二人に話そうとすると、
「あ!アルス様!」と鈴を転がすような声がかかり、僕は一瞬ドキッとする。
振り返ってみればそこには昨日の天使が立っていた。相変わらず周囲には花が舞ってる。
「えっっとー。」あれ、そういえば僕この子の名前知らないな…。名前がわからないからなんて呼べばいいかも分からない…。まさか「あ、あの時の天使‼」なんて言えるはずもないしな…。うーん。
そんな僕を見て察したのか、目の前の天使は
「自己紹介まだでしたね。僕の名前はソーン=エンゲルスです。よろしくお願いします!」と名前を教えてくれた。
………ん?あれ?ちょっと待って。今、この子自分のこと僕って言った?僕って呼んだ?ん?あれ?
あ、よく見たら制服にズボン着てる…。
あれ?もしかして…もしかすると…。
「おとこ…のこ…?」
「そうですけど?」とさも当たり前という顔でさらっと肯定される。目の前が暗くなる。今僕が立っているなら、確実に膝から崩れ落ちている。
「待って、待って、もしかしてアル、ソーン君のこと女の子だと思ってたの?」
「いやいくら顔が可愛いからって、アルさすがにそれは…。俺だってソーンが男だって気づいてたぞ…?」
二人がびっくりを通り越して引いたような顔をして僕を見る。
…そうだよ。女の子だと思ってたよ…。顔に見とれてズボンが気がいかなかったんだよ!あまりにも可愛いらしいからてっきり女の子だと思っていたし、女の子だと思っていたからこそ一挙一動にドキドキしていたし、なんならいい匂いするなぁ~とか思ってたし…。
あれ?これって僕ずっと男の子にときめいてたってこと!?それは、かなりの精神的なショックが…。あぁ、もう僕立ち直れない…。いくら可愛いからって男の子にドキドキするとか…。はぁ…。
「大丈夫ですか?」とのぞき込んでくるソーン…くん。
あ、可愛い…。可愛いからなんかもう全部どうでもよくなってきたかも…。だって、可愛いんだもん。たしか、東洋の言葉であったよね。可愛いは正義って。勘違いは仕方ないよね、だって可愛いんだもん。
…相変わらず僕って単純だな…。
さっきまで精神的にダメージを負っていた筈の僕は元気になり、ソーンくんをまじえた四人はお互いの自己紹介などをしながら昼食をとっている。昨日のお返しに渡したかったというソーンくん特製のクランベリー入りのスコーンも食べながら仲を深めていく。
「じゃあ、三人は幼馴染なんですね。」
「そう。まぁ、幼馴染よりも子守してる感覚だけどね。」こちらをちらっと見ながら言うリーン。子守ってなんだよ…。
「子守り…。」ソーンくん?別にそこは追求するところじゃないよ?
「ほら、有名だろ?アルの呪いのこと。アルってさ、結構ボーっとしてること多いから俺たちがしっかり見とかなきゃ呪いが発動して大変なことになるんだ。」
…なにかを言い返そうとしたけど、全部ほんとのことだから何も言えない。
「その呪いのことについてなんですけど、いろいろ聞いてもいいですか?」ソーンくんがこちらを向いて尋ねてくる。
「全然いいよ。何について聞きたいのかな?」
「たしか、聞いた話によると月の光に当たると、その…死んじゃうって聞いたんですけど本当なんですか?」おっと、結構ストレートな質問が来たな。
「うん。本当だよ。」何か考え込むような仕草をするソーンくん。
「小さい頃はさ、家族も僕も呪いのこと半信半疑って感じだったけど一応月が出る前には自分の部屋に行かされてたの。でもある日、月がとてもきれいに出てるっていう日があって、みんながあまりにも綺麗だっていうから僕も気になってこっそり抜け出して見に行こうとしたんだよね。それで、ほんの一瞬。ほんの一瞬見ただけなんだけど、なんだか苦しくなっちゃって、それから三日くらい高熱で寝込んだの。それがあって、呪いが本物だって分かって、今に至るって感じかな?」
「でも、シューベルト家って魔術がすごいところですよね?呪いとか解けるんじゃないんですか?」
「それがね、解けなかったんだよね。呪いってどうやって解くのか分かる?」
「えーと、かけられた呪いの源を探して、それを排除する。とかだったような…?」
「そう!上辺だけ呪いを解いても根源を消さなければ、またいつか呪いが発動してしまう。だから本から消さなきゃいけないんだけど、僕の場合その本が見つからなかったから大事になったんだよね。」
「たしかに、シューベルト家でさえも見つけれなかったって言うのは相当ですね。」
「まぁ、月の光に当たらなければ大丈夫だから。」
「それって、昼の月とかは大丈夫なんですか?」
「昼の月は大丈夫なんだと思う。今まで苦しくなったことはないし、たぶん太陽の光が強くて月の光が負けちゃうんじゃないかな?」
「なるほど・・・。」
「あのさ、二人で話し込んでるとこ悪いんだけど、アルもうスコーンなくなるぞ?」
そういわれてあわててソーンくんが持ってきたバスケットの中を見る。
もうスコーンが三個しかないじゃないか!
「二人とも食べるの早すぎだよ!」
「早いもん勝ちでしょ?食べないほうが悪いのよ?」
「僕の大好物だって知ってるでしょ!?」
「早いもん勝ちだ、早いもん勝ち!」
シンがもう一個のスコーンに手を伸ばしたので負けじと僕もスコーンを手に取る。
「ん!これ、すごく美味しい!」スコーンにクランベリーの組み合わせはなかなか食べないけどこれが僕の一番のお気に入りだったりする。入学式の日は気分が悪いのが勝っちゃって、門出の祝いとして作ってくれたスコーンを味わう余裕がなかったけど今は心身ともに元気だから心行くまでおいしいスコーンを味わうことができる。
「お口に合ったようでよかったです!このクランベリーうちで採れたものなんです。」
「クランベリー育ててるの!?」思わず身を乗り出すリーン。
「はい、うちの母が育てるのが好きで。」
「へ~なるほど~。」
「またいつか作って来ましょうか?」
僕ら三人は顔を見合わせて、
「「「ぜひ!!!!!!」」」
どうやらみんな食いしん坊だったみたいだ。
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