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幕開け
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その子は振り向いて僕を見た後少し驚いたようだったけど、すぐ笑顔になった。その笑顔があまりにも可愛すぎて周りに花びらが舞っている感覚に陥る。あぁ、どうしよう可愛い以外の感情が湧いてこない。確かに天使という言葉が一番しっくりくる。
「あ!ありがとうございます!!あれ?もしかしてアルス=シューベルト様ですか?」
わああ!!ハンカチを持っている手を両手で挟まれているだけじゃなくて、顔を下から覗き込まれている!?可愛い!!近い近い!!目を合わせらんない!ていうか力強すぎない?全然振り解けないんだけど…。
「そ、そうですけどなぜ僕の名前を…?」
「あぁ!その、色々話を聞きまして!!」
「な、なるほど?」
「あの!えと、なにかお返しがしたいんですが…。そうだ!後で庭園に来てくれませんか?」
こてんと顔を横に倒して僕の返答を伺う目の前の子。すんごい可愛い。こんなの断れないよなぁ。だってすんごい可愛いだもん。断ったら、なんか神の裁きとか起こりそうだし…。
「全然大丈夫!!…です!」
ほぼ即答だった。
誰かに見られるのが恥ずかしいから待ち合わせは庭園の低木エリアの奥の天使の像を挟んである2つのベンチのうち右の方の高木エリアをさらに進んでいった先の…ってどこだそれ。僕なんか騙されてない?道らしい道もないのに…。てかこの庭園広すぎない!?歩いても歩いてもあたりは木。というか森。なんか薄暗くて不気味だし。全然怖いとかじゃないんだけどだれかと来ればよかったな。
色々考えながらも進んでいくと、急に視界が開ける。そこの周辺だけ木は生えてなく、白いガゼボ(って言うんだっけ?)があった。ずっと周囲は暗かったから明るくなった風景に目が慣れるのには少し時間がかかる。
中をよく見てみると中央に女神像が見えた。それも今まで見た中で1番綺麗な。
僕はその女神像をよく見ようと中に入る。
あんまりにも像が綺麗で見とれて、
だから、他に人が居るのに気づかなかった。
「…誰だ?」
恐ろしく低い声が響く。一瞬にして辺りが凍り付く。
「誰だと聞いている。」
やばい。これ答えないとダメなやつだ…。でも振り向きたくない。どうしよう…。
覚悟決めて後ろを振り返る。
あ、黒い目だぁ…
目の前にいる人をリューク=シャンブルクだと認識する間もなく僕の意識は途切れてく。
「白い…。」
さっき黒い何かを見たはずなのに、今僕の目に写ってるのは白い天井だ。
「あ、おきた?」横にはすごく身長の高い人が立っている。誰だろう?
「ここは医務室。そして僕は医務室のエドガー先生だよ。はい、あめちゃん。」と言って飴を渡してくれるエドガー先生。どうやら自分に先生をつけるタイプのようだ。
エドガー先生によると、どうやら僕は庭園で倒れていたところをリュークさんによって運ばれてきて、この医務室で3時間ほど寝てたらしい。寝すぎじゃない?めちゃくちゃ寝てたね~。って笑われたよ!
「ところでさ僕、リューク=シャンブルクを初めて見たんだけど、思ってたより全身真っ黒でびっくりしちゃった。あはは。」
あの黒い目はリュークさんだったのか。
ふとエドガー先生が窓の外を見る。陽はすでに傾いていた。
「そういえば今日は満月らしいよ。そろそろ部屋に帰った方がいいんじゃないかな。」
もしかしてこの先生僕の呪いのこと知ってる?
「僕だけじゃなくこの学園の先生のほとんどは知ってるよ。君のお母さんとお父さんのおかげでね。」
あれ、顔に出てたかな…。
「じゃあお大事に~。」
エドガー先生にお礼を言って医務室を後にする。
寮について寮長から自分の部屋を確認する。鍵はもう知り合いに預けたといわれた。シンが来ているのだろうか。
部屋に着く。鍵はかかってなく、いとも簡単に扉は開く。
電気をつけて部屋を見渡そうとした僕はびっくりして変な声が出そうになった。
ベッドの上に兄が座っていたからだ。
「アル今日倒れたらしいな。」
「なんでそれ知ってるの?」
兄が自分の隣をぽんぽんと叩く。僕はそこに座る。
「…なんでもいいだろ。それよりアル、リュークとは面識はないと思っていたがいつから知り合いだ?」
「別に知り合いなんかじゃないけど…なんで?」
「いや、運んだのがリュークだと聞いたものでな。知り合いでないならいい。」
リュークさんが僕を運んできたことまで知ってるの⁉ていうかそもそもシャンブルク家との交流は主に兄とだったし、話すらしたこともないよ。
「なぁ、」唐突に兄が喋る。顔が少し曇っている。
これは、やばい流れだ。
「今度から、俺付き添いしようか?なんなら今日は一緒に寝ようか?」
やっぱり!!!!!
「ううん!全然大丈夫!!多分新しい環境で疲れただけだから。」
「だから心配なんだよ。しかも今日は満月だし。アルの身になんかあったら嫌だからさ。」
あ、結構意思が固いやつだ…。なかなか譲らないやつだ…。
「じゃ、じゃあ、こうしよう!付き添いはシン達にしてもらうから、今日はお兄ちゃんとねようかな。」
「シン達に…。」しばらくの間考え込む兄。
「ね?いいでしょそれで?」ダメ押しで言ってみる。平民のあの子がやってたように首を傾けて。
「…分かった。付き添いはあいつらに任せる。今日は俺と一緒に寝よう。」
僕達は早めの晩御飯を食べて、お風呂に入る。
改めて部屋を見渡すと、家から持ってきた荷物の他に包装された箱があるのに気付く。包装をといて中を見てみると、全部が全部シューベルト家の魔術がこもった防犯グッズや安眠グッズだった。過保護が過ぎないこれ…?
「あ!ありがとうございます!!あれ?もしかしてアルス=シューベルト様ですか?」
わああ!!ハンカチを持っている手を両手で挟まれているだけじゃなくて、顔を下から覗き込まれている!?可愛い!!近い近い!!目を合わせらんない!ていうか力強すぎない?全然振り解けないんだけど…。
「そ、そうですけどなぜ僕の名前を…?」
「あぁ!その、色々話を聞きまして!!」
「な、なるほど?」
「あの!えと、なにかお返しがしたいんですが…。そうだ!後で庭園に来てくれませんか?」
こてんと顔を横に倒して僕の返答を伺う目の前の子。すんごい可愛い。こんなの断れないよなぁ。だってすんごい可愛いだもん。断ったら、なんか神の裁きとか起こりそうだし…。
「全然大丈夫!!…です!」
ほぼ即答だった。
誰かに見られるのが恥ずかしいから待ち合わせは庭園の低木エリアの奥の天使の像を挟んである2つのベンチのうち右の方の高木エリアをさらに進んでいった先の…ってどこだそれ。僕なんか騙されてない?道らしい道もないのに…。てかこの庭園広すぎない!?歩いても歩いてもあたりは木。というか森。なんか薄暗くて不気味だし。全然怖いとかじゃないんだけどだれかと来ればよかったな。
色々考えながらも進んでいくと、急に視界が開ける。そこの周辺だけ木は生えてなく、白いガゼボ(って言うんだっけ?)があった。ずっと周囲は暗かったから明るくなった風景に目が慣れるのには少し時間がかかる。
中をよく見てみると中央に女神像が見えた。それも今まで見た中で1番綺麗な。
僕はその女神像をよく見ようと中に入る。
あんまりにも像が綺麗で見とれて、
だから、他に人が居るのに気づかなかった。
「…誰だ?」
恐ろしく低い声が響く。一瞬にして辺りが凍り付く。
「誰だと聞いている。」
やばい。これ答えないとダメなやつだ…。でも振り向きたくない。どうしよう…。
覚悟決めて後ろを振り返る。
あ、黒い目だぁ…
目の前にいる人をリューク=シャンブルクだと認識する間もなく僕の意識は途切れてく。
「白い…。」
さっき黒い何かを見たはずなのに、今僕の目に写ってるのは白い天井だ。
「あ、おきた?」横にはすごく身長の高い人が立っている。誰だろう?
「ここは医務室。そして僕は医務室のエドガー先生だよ。はい、あめちゃん。」と言って飴を渡してくれるエドガー先生。どうやら自分に先生をつけるタイプのようだ。
エドガー先生によると、どうやら僕は庭園で倒れていたところをリュークさんによって運ばれてきて、この医務室で3時間ほど寝てたらしい。寝すぎじゃない?めちゃくちゃ寝てたね~。って笑われたよ!
「ところでさ僕、リューク=シャンブルクを初めて見たんだけど、思ってたより全身真っ黒でびっくりしちゃった。あはは。」
あの黒い目はリュークさんだったのか。
ふとエドガー先生が窓の外を見る。陽はすでに傾いていた。
「そういえば今日は満月らしいよ。そろそろ部屋に帰った方がいいんじゃないかな。」
もしかしてこの先生僕の呪いのこと知ってる?
「僕だけじゃなくこの学園の先生のほとんどは知ってるよ。君のお母さんとお父さんのおかげでね。」
あれ、顔に出てたかな…。
「じゃあお大事に~。」
エドガー先生にお礼を言って医務室を後にする。
寮について寮長から自分の部屋を確認する。鍵はもう知り合いに預けたといわれた。シンが来ているのだろうか。
部屋に着く。鍵はかかってなく、いとも簡単に扉は開く。
電気をつけて部屋を見渡そうとした僕はびっくりして変な声が出そうになった。
ベッドの上に兄が座っていたからだ。
「アル今日倒れたらしいな。」
「なんでそれ知ってるの?」
兄が自分の隣をぽんぽんと叩く。僕はそこに座る。
「…なんでもいいだろ。それよりアル、リュークとは面識はないと思っていたがいつから知り合いだ?」
「別に知り合いなんかじゃないけど…なんで?」
「いや、運んだのがリュークだと聞いたものでな。知り合いでないならいい。」
リュークさんが僕を運んできたことまで知ってるの⁉ていうかそもそもシャンブルク家との交流は主に兄とだったし、話すらしたこともないよ。
「なぁ、」唐突に兄が喋る。顔が少し曇っている。
これは、やばい流れだ。
「今度から、俺付き添いしようか?なんなら今日は一緒に寝ようか?」
やっぱり!!!!!
「ううん!全然大丈夫!!多分新しい環境で疲れただけだから。」
「だから心配なんだよ。しかも今日は満月だし。アルの身になんかあったら嫌だからさ。」
あ、結構意思が固いやつだ…。なかなか譲らないやつだ…。
「じゃ、じゃあ、こうしよう!付き添いはシン達にしてもらうから、今日はお兄ちゃんとねようかな。」
「シン達に…。」しばらくの間考え込む兄。
「ね?いいでしょそれで?」ダメ押しで言ってみる。平民のあの子がやってたように首を傾けて。
「…分かった。付き添いはあいつらに任せる。今日は俺と一緒に寝よう。」
僕達は早めの晩御飯を食べて、お風呂に入る。
改めて部屋を見渡すと、家から持ってきた荷物の他に包装された箱があるのに気付く。包装をといて中を見てみると、全部が全部シューベルト家の魔術がこもった防犯グッズや安眠グッズだった。過保護が過ぎないこれ…?
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