降ってくる

イマカ

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第11話

サキさん

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「サキちゃん、おかえり」
娘さんが帰って来たらしい。サキと呼ばれた女の子は真っ直ぐこちらにやって来た。
「暑いよお」
と言って、白いシャツを摘んでパタつかせた。背が小さいので中学生かと思ったが、どうやら高校生らしい。
水筒に残ったブルーベリー酢を一杯注いで、サキさんに渡した。
「美味しいでしょう」
ただ、のどを潤して欲しいだけだった。
何の反応もない。
ブルーベリー酢のパンフレットを、じっと見つめている。そろそろ引き上げようと、ぼくは薬箱の中を整とんしていた。

「これ、いいと思う」
何やら場を飲み込むような話し方だ。ぼくは固まったまま、声の方を見た。サキさんは大きくて綺麗な目をしていたが、その強い光はどこを見ているのかわからなかった。
「ありがとうございます」
高校生に買ってもらう訳にもいかない。奥さんの方に向き直した。

「でもちょっと、お値段がねえ」
サキさんに是非飲んでほしいと思った。
「今回、2本で9600円のところを8000円にお勉強させていただきます。是非お二人で試してみてください」
社内の最低値引き金額だ。もう話すことはない。サキさんは黙って違う方向を見ている。奥さんは、ぼくとサキさんを交互に見る。
「じゃあ、2本頂くわ」

売れた。最安値だが、ゼロよりはいい。自分に言い聞かせた。
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