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96 きみが光の道標

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浴室に入りジェレミーは幸せそうにニコニコしながら俺を見ている。
シャワーの熱気が浴室にふわふわと漂ってジェレミーの頬をピンク色に染めた。

「ジェレミー…かわいい…」

理性が一気に崩壊する。
俺はそのままジェレミーをからっぽの浴槽に突き落とす。

「ひっ!!」

「ジェレミー…誘ったのはジェレミーだからね…」

俺はジェレミーの首筋に歯を立て、そのまま繊細な肌を引きちぎるようにブチッと裂いた。

「んぅぅ…痛い…よ……」

ジェレミーの首から生暖かい血がとめどなく流れ落ちている。
痛い痛いと言うものの、頬を染めたまま幸せそうな涙目で俺に微笑みかけてきた。

「あれん…痛いよ…」

「逃げないの?」

「僕、あれんのペットだもん…」

痛みで呼吸が乱れている…
しかしジェレミーは全く嫌がる様子を見せずに蕩けるような表情で大人しくこちらを見ていた。

「僕ね、あれんに殺されてもいいなって…うふふ」

髪に滴る水滴が血液と混ざり恍惚としたその可愛い瞳を見ているとそのまま食べてしまいたくなる…

無抵抗のジェレミーを押さえつけて再び首筋に舌を這わせ傷口をそのまま舌で開いた。

「んぅっ…痛い…」

「可愛い…」

ビクビクと身体は痛みに反応するものの逃げようとしたり怖がるような様子は一切せず俺を受け入れるようにこちらをみている。

「あれん…ベッドいきたい…」

「行こっか」

ジェレミーにふわふわのタオルを包ませて一緒にベッドへと向かうと仄かに石鹸の香りと柔軟剤の香りが漂った。

ジェレミーをベッドに座らせそのまま抱き寄せる。

甘い香りに誘われて俺は滴る血液をなぞって鎖骨に歯を立てた。

「ひゃっ!痛いっ!!」

「こっちも血が滲んじゃったね」

「僕の血なんて美味しくないよぉ…」

「ジェレミーの全部が好きなの、わかる?もっと痛い痛いって聞かせて?カッター使ってあそんであげるね」

「僕…あれんに玩具にされるの好き…」

「はぁ…ジェレミー…」

「なぁに?…ひゃぁっ?!」

そのままジェレミーを押し倒し、喰い殺すように激しくキスをする。

そうして乱暴に犯すように口内を掻き乱しては唇を強く噛んだり欲望の赴くままにジェレミーをベッドシーツの海に溺れさせた。

「はぁっ…はぁ…あれんっ…痛いっ、激しいよ…」

「可愛い…舌出して…?優しくするから」

ジェレミーは頷いて俺の言う通りに舌を差し出す。

相変わらずぎこちなさが残っていて可愛いその舌を優しくぬるりと擦り上げた。

んっ…んぅ…
くちゅっ…ちゅっ…
んんっ…んむぅ…

蕩けるような顔をして俺に全てを委ねてくる。
よしよしと頭を撫でながら優しくジェレミーの舌に唾液を絡ませた。

「ジェレミー、もう硬くなってる…」

「あれんとちゅーするの好き…お薬打ってなくてもふわふわって気持ちよくなるの…えへへ」

「カッター使って遊んであげるって言われた人の反応じゃないでしょ…堕ちちゃったね、ずっと一緒に居てあげるから」

「ずっと一緒にいて!!ずっとずっと…」

「あーもうジェレミー!!可愛い…壊しちゃいたいよ…」

そう言ってジェレミーをぎゅっと抱きしめる。
簡単に折れてしまいそうな身体…

「くるし…うぐっ…あれんっ…」

「ジェレミー、好きだよ…」

「けほっ…僕…も…!」

苦しそうにしながらも身を委ねて甘えるように俺の背中に手を回す。

「可愛いよ…このまま手足も全部折っちゃいたい」

「折ったら毎日僕の事抱えてベッドに連れてって…ご飯もスプーンであーんしてほしい…えへへ」

「拒否しないんだ…されたい?」

「うん…!」

「今度やってあげる…」

「あれん、大好き…」

「俺もだよ」

幸せそうに微笑むジェレミーが可愛くて食べてしまいたくなる。

「あれん、ずっとあれんのペットでいたい…僕にまたお注射ちょーだい?」

「いくらでも打ってあげるよ」

そう言いながら俺は注射器を取り出してジェレミーを後ろから抱きしめ優しく左腕を掴んだ。

「チクッとするからね」

ジェレミーはゆっくり頷いて左腕を俺に預ける。
そうしてシリンジで薬を注入していった。

「んっ…痛…」

「大丈夫?もう全部お薬入ったよ」

「だいじょ…ぶ…あれん…」

「ジェレミー、ずっと一緒」

「あれん…あれん……」

満たされた気持ちと同時に押し寄せる不安がジェレミーを包んでいるようだ。
全て受け止めるように俺はジェレミーを抱えてゆっくり押し倒した。

「ジェレミー…」

「あれん、居なくならないで…」

「ならないよ」

「何でかわかんない…でも何だか怖いよ…」

罪深い…
死んだ時にきっと俺は地獄に落ちるのだろう。
でもジェレミーと一緒に過ごすこの瞬間の為なら地獄に落ちてもかまわなかった。

「ジェレミー、こっちむいて?深呼吸」

「あれん…」

「大丈夫」

不安そうなジェレミーの涙は何度も見た。
そしてそれを俺が優しく拭うのも。

「ジェレミー、指入れてもいい?」

「…うん、優しく」

「分かってる」

ローションを指に絡めるその動作をジェレミーが眺めていた。

「いれるよ?」

「うん…」

何度身体を重ねても、最初のこの瞬間だけはジェレミーも慣れないようだった。

「息吐いて、力抜いて」

「ふぅっ……」

ぬるりと指先を中に滑らせ、優しく弱い所を押していく。

「ふあっ…まっ…て……」

「ここ?」

「やっ…ゆっくり…腰溶けちゃう……」

「溶けるまでやめない」

「あぁっ…僕…ひとりじゃなくて…いっしょにいきたい……」

「…可愛い事言ってくれるじゃん」

「あぁっ!!!やっ!!激しいって…!!」

「やだやだ言えないように口塞ごうか?」

「やだよぉ、いっしょに…んんっ…」

必死で抵抗するジェレミーを抑え込むのは慣れたものだ。
あっさりと身動きを取れなくさせる事ができる。

んっ…むぐぅ…

絡まる舌と唾液には俺の頭もおかしくなりそうだ。
気持ちよくて幸せで…

くちゅっ…
んっ…

好きだ…ジェレミーが大好きだ…
このまま2人で死んでしまいたいとさえ思った。

「ジェレミー…もっとキスしよ…」

「まって…ちゅ…って…されたら…はぁっ…僕もうイッちゃ…」

「可哀想に

「あぁっ…意地悪っ…」

「ふふ、もっと意地悪されたい?トロ顔も苦しむ顔も全部見せて」

「あれん…」

視界がぼやける甘い時間、繋がったまま手の届く戸棚を開けて俺はカッターナイフを取り出した。

「ま、まってあれん…」

「待たない、今更やめてはあげないよ」

「違う…その……」

「どうしたの?」

「えっと……痛いの我慢したら…その…」

「なんでも言って?ジェレミー」

「えっと…痛いの我慢したら寝る前に僕をぎゅって…抱きしめて欲しい……」

てっきりいつものように優しくしてと泣いてお願いされると思っていたので拍子抜けする。
可愛い…自分の手で汚して壊してしまいたいという衝動が一気に脳のリミッターを壊した。

「ジェレミ…嫌だって言ってもするつもりだよ…」

これ以上ない程の幸せを感じながら俺はジェレミーにそっとキスをする。

そしてそれを受け入れるかのようにジェレミーもゆっくりと目を閉じた。
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